カテゴリ: 世界に挑む日本人,THE SUPER FLY,世界の軽量級

ジュニアフェザー級以下の超軽量級シーンで、いま最も強大なパワーハウスは井上尚弥です。

正確なファイトマネーは公表されていませんが、数億円レベルと見られており、ジュニアフェザー級以下では破格です。

一方で、世界に目を向けると安定した100万ドルファイターは不在ながら、北米市場のフロントランナーはジェシー〝バム〟ロドリゲス。



このバムロドとリング誌/Lineal/WBCジュニアバンタム級王者ファン・フランシスコ・エストラーダが6月29日に激突することが決定。


エストラーダとの対決を熱望していたWBA王者・井岡一翔はまたしても肩透かしを食らった格好になりました。

オッズは24歳のバムが4/11(1.36倍)、10歳年上のエストラーダが11/5(3.2倍)と明白にバムが有利。出戻りジュニアバンタムが、今回もロートル・ハンターの本領を発揮すると見られています。

18ヶ月ぶりの試合となる34歳のエストラーダにとって、反射とスピードに富んだバムとの勝負は非常に厳しいものになると見られており、キャリア初のKO負けを喫することもあるかもしれません。

日本の軽量級選手の未来を考えると若きスターのバムが評価を上げてくれるのは願ったり叶ったりですが、個人的にはエストラーダの大番狂せ、PFPランキング再突入を期待したいところ。

そして、井岡はWBAから指名挑戦者ジョン〝スクラッピー〟ラミレスとの対戦がオーダーされていましたが、陣営はエストラーダとの統一戦を優先するようWBAに持ちかけます。ところが、これ(おそらく用意されたはずの待機料)をスクラッピーが拒否。

怪しい雲行きになりますが、そこはWBA、腐敗アルファベット団体の〝面目躍如〟です。

大きなお金が動く統一戦をやらせて、そのあとに団体内統一戦を行うことが最も多くの承認料を稼げると算盤をはじくと、スクラッピーとデビッド・ヒメネスによる暫定王者決定戦を4月20日(デビン・ヘイニーvsライアン・ガルシア@ニューヨーク・バークレイズセンターのアンダーカード)にセット。

メガファイトのアンダー、バークレイズセンターを用意されると、米国では全く無名で劣悪な報酬に甘んじてきた超軽量級のスクラッピーには断る理由は無くなります。

そして、エストラーダ戦が棚上げになった井岡はIBF王者フェルナンド〝ピューマ〟マルチネスとの交渉が一気に進み「7月初旬に東京」で大筋合意した模様です。

6月29日の「バムロドvsエストラーダ」、7月初旬に「井岡vsマルチネス」とジュニアバンタム級のビッグファイトが続き、このクラスが再活性化しそうな勢いです。

かつて、エストラーダ、ローマン・ゴンサレス、シーサケット・ソールンビサイ、ドニー・ニエテス、井岡一翔らPFPファイターがひしめいていた115ポンドに、現役PFPのバム・ロドリゲスが帰ってきたわけです。

エストラーダに快勝するとバムのPFPランクはさらに上がるのは確実、Fighter Of The Yearの候補にもなるでしょう。

井岡は兄のジョシュア・フランコの〝仇〟であり、単なるスター対決を超えた軽量級のビッグファイトになります。しかし、相手はバム、日本に引っ張り込めないかもしれません。



https://fushiananome.blog.jp/archives/32651980.html

https://fushiananome.blog.jp/archives/35065772.html
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PRIME VIDEO PRESENTS LIVE BOXING7

2月24日 両国国技館

コミッション:日本ボクシングコミッション
プロモーター:本田明彦(帝拳プロモーションズ)

あと一週間を切ったトリプル世界戦。

田中恒成が2020年大晦日にWBO王者・井岡一翔にプロ初黒星を喫して以来、3年と55日ぶりのジュニアバンタム級へ再挑戦します。

その井岡が返上して空位になったWBO王座を争うのは、クリスチャン・バカセグア。

バカセグアは2015年7月31日のデビューから28試合(22勝9KO4敗2分)を戦い、WBOの地域タイトルをピックアップしながらランキングを上げてきたメキシカン。

全試合をメキシコ国内で戦い、世界挑戦のチャンスを窺っていた26歳は「日本で大きな試合を戦う夢が実現した」と、モチベーションはマックスです。

いくつかのデータを漁りましたが、身長/リーチは不明。ライト級でデビューして、ジュニアフェザー級からバンタム級を主戦場にしてきた〝ロッキー〟バカセグア。スムースな減量に成功していたなら、フィジカル面でタフな相手になるかもしれません。

とはいえ、恒成の20戦(19勝11KO1敗)とは対戦相手の質が全く違います。

28歳のスピードスターは世界戦で9勝5KO1敗。ストロー級からフライ級まで無敗のまま3階級制覇。

そのうち二つは決定戦。4階級制覇に挑む今回も決定戦ですが、複数階級制覇を急いで一つの階級に拘らない現代のトレンドを考えると、この点は〝重箱の隅〟にすらなりません。

それよりも、ビック・サルダール、アンヘル・アコスタ、ジョナサン・ゴンサレスと未来の世界王者を3人も退けていることに注目すべきでしょう。


恒成とのスパーリングで井上尚弥が驚いたように、ハンドスピードだけならPFPトップレベル。そのスピードに、世界基準の相手とも対戦経験がないバカセグアが対応できるとは到底考えられません。

ウィリアム・ヒルは恒成の勝利に1/4(1.25倍)、バカセグア3/1(4倍)と叩いていますが、無名のメキシカンにかなり好意的な数字に映ります。


下馬評通りに恒成が勝つと、オスカー・デラホーヤ24戦を上回り、史上最速の21戦目、フェルナンド・モンティエルらを更新する史上初WBOだけでの4階級制覇と〝ダブルの世界記録〟もかかっていますが、これは安易に世界挑戦できる日本人軽量級スターの特権。欧米の人気階級ではあり得ません。

ストロー級からジュニアバンタム級までの4階級制覇を達成すると、レオ・ガメス、ローマン・ゴンサレス、ドニー・ニエテス、井岡一翔に続く5人目。4階級とはいえ、その重量スパンは105〜115のわずか10ポンド。競技人口や専業ボクサーの比率を考えると、最も難易度が低い4階級制覇と言い切って良いでしょう。

とはいえ、ガメスを除いた3人はいずれもPFPに名前を刻んでいるように、対戦相手の質は決して低くありません。

今回、恒成がバカセグアを圧倒的に倒してもPFP入りはないでしょうが、ジュニアバンタム級はこの5〜6年で全階級を通して最も多くのPFPファイターを送り込んできた〝PFP工場〟。

ファン・フランシスコ・エストラーダ、井岡といった古豪に、無敗のIBF王者フェルナンド・マルチネス、フライ級から再び115ポンドへの参戦が予想されるPFPファイターにして人気者のバム・ロドリゲスと、評価の高い名前が揃っています。

井岡に敗れてから3年あまり。陽の当たる場所から遠ざかっていた恒成でしたが、今年中にもPFP入り、名古屋にも東京にも引っ張り込むのが難しいバムとのPFP対決が実現すると、日本のボクシングファンにとってはたまらない展開になります。



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井岡一翔は五輪出場の夢は叶わなかったものの、105戦95勝(64KO・RSC)10敗のアマチュア戦績を残して2009年にプロデビュー。

15年目を迎えているプロのリングでは34戦31勝(16KO)2敗1分の戦績を丁寧に積み上げ、日本人初の4階級制覇に成功しています。

「打たれない」ことに主眼を置いた攻防兼備のスタイルは、CompuBoxのOPPONENTS TOTAL CONNECT PERCENTAGE LOWEST(被弾率が低いトップファイター)で、ドミトリー・ビボルとシャクール・スティーブンソンに続く3位にランクされています。



 DMITRY BIVOL 13%
 SHAKUR STEVENSON 13.3%
▶︎KAZUTO IOKA 17.8%
 BRIAN CASTANO 18.1%
 VASILIY LOMACHENKO 18.7%
 DEVIN HANEY 19.2%
 OLEKSANDR USYK 19.3%
 KENSHIRO TERAJI1 19.5%
 DEMETRIUS ANDRADE 19.7%
 OSCAR VALDEZ 20.2% 


WBAジュニアバンタム級王者はプロ15年、37試合を戦ってきたとはいえ、肉体や神経系に大きなダメージがないように見えます。

しかし、37試合のうち世界戦が25試合(22勝11KO2敗1分)という偉大な実績と心理的な消耗は、来月24日に35歳の誕生日を迎える井岡にとって有終の美を考えるには十分なものでしょう。

中谷潤人やジョン〝スクラッピー〟ラミレスとの対戦よりも、2022年の大晦日にMDで勝ちきれなかったジョシュア・フランコへの雪辱を優先し、Lineal/The RING/WBC王者ファン・フランシスコ・エストラーダとの大団円を迎えるという舵取りは、キャリアを締め括るデザインとして十分筋が通っています。



それがボクシングファンの多数意見かどうかは別にして、有力なホープ、指名挑戦者を退けてきた井岡にとって〝残り時間〟を考えると中谷やスクラッピーの優先順位が下がるのも仕方がありません。

昨年大晦日の実現を目指していた悲願のエストラーダ戦は消滅してしまいましたが、交渉は続行中でほぼ合意に達していると見られています。

WBAは1月13日にスクラッピー・ラミレスとの指名試合を命じていますが、Boxingscene .comは「井岡陣営がエストラーダ戦を優先させることを認めるよう求めている。この要望が通れば7月3日に東京で井岡vsエストラーダが実現」とまで報じています。

待ちぼうけを食らっているラミレスは火曜日に「No deal, no step aside money(井岡陣営との交渉はない。指名挑戦を待つ待機料の提示もない)」とSNSで不満をあらわにしていますが、井岡が心変わりしてラミレスとの指名試合を行う可能性はゼロでしょう。

WBAが指名試合の延期を認め、待機料を支払ってラミレスを納得させるのが、井岡にとっての理想ですが…。

最もありうるのは井岡がWBAタイトルを返上、無冠になってエストラーダ戦に挑むという形かもしれません。


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まだ23歳のバム・ロドリゲスが、この10年スパンで軽量級に現れた最高のスター選手であることは間違いありません。

これで階級がジュニアフェザー級やフェザー級なら、対戦相手に全く恵まれないまま30歳を迎えてしまった井上尚弥にとって極上の御馳走が登場!となるのですが「ジュニアライト級でも王者になれる」と豪語するサウスポーのテキサンのロードマップに、井上尚弥戦が仕込まれていても全く不思議ではありません。

バムにとっても「過大評価」と批判れれる理由は対戦相手の質。

【直近の試合でファン・フランシスコ・エストラーダに2度ダウンを奪われTKO負けしている33歳の】カルロス・クアドラス(12ラウンド判定)
★元PFP10位


【エストラーダ第二戦に敗北、完全にキャリア末期の35歳】シーサケット・ソールンビサイ(8ラウンドTKO)
★元PFP5位


PUNCHESRODRIGUEZ EDWARDS
Total landed238138
Total thrown533504
Percent45%27%
Jabs landed5863
Jabs thrown243274
Percent24%23%
Power landed18075
Power thrown290230
Percent62%33%

【フライ級の対立王者無敗、IBFストラップを4連続防衛中の27歳】サニー・エドワーズ(10ラウンドTKO)

唯一の旬の強豪エドワーズも対羽扇相手の質には疑問符しか湧いてきません。

エドワーズの最高の勝利は、タイトルを奪ったモルティ・ムザラネ戦。あのムザラネです。

ただし、当時16ヶ月もリングを離れていた38歳。ドネアをして「今日の結果はムザラネに不運。再戦する」と言わしめた2008年バージョンの最強王者ムザラネではありません。

エドワーズは「穴王者」ではありませんが、4団体17階級時代でなければどんなポジションに付いていたでしょうか?

井岡もバムも対戦相手として真っ先に名前を挙げたエストラーダは、まさにそういうこと、誰と戦ったのか?対戦相手の質が際立っているのです。

そのガジョも激闘の上に、激闘続きで、来年4月で34歳。リング誌ジュニアバンタム級王者ながら、1年以上も試合から遠ざかり、次戦の予定も入っていません。PFPは多くのメディアでランクアウトBoXRecでもinactive、現役扱いされていません。

対戦を熱望しているバムや井岡一翔はブランド大好きなのでしょうが、試合が決まれば色々根回しが期待されることも含めて、彼らが有利とみられるでしょう。

それならバムも井岡も中谷潤人とやった方が株が上がります。オッズはアンダードッグになるでしょうけど。
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Sunday 31, December 2023
  
Ota-City General Gymnasium, Tokyo, Japan
commission:Japan Boxing Commission
matchmaker:Takuya Kiya
media:ABEMA

WBA World Junior Bantam



フランシスコ・エストラーダとの交渉はギリギリまで続いていたようですが、タイムアウト。

井岡一翔、大晦日ファイトの相手はホスベル・ペレスに落ち着きました。

〝Avalancha〟(雪崩)の渾名を持つ28歳のベネズエラ人が母国を離れてリングに上がったのは、7年23戦のキャリアで2試合だけ。

WBA地域タイトルのフライ級王者決定戦(2019年7月6日:ロベール・バレラ=コロンビア)と、WBAフライ級戦(2020年2月8日:©️アルテム・ダラキアン=ウクライナ)で、いずれも判定で敗れています。

3度の防衛戦を全てKOで終わらせていた当時32歳のダラキアンが、ホームタウンの利を活かした誤魔化しのボクシングでペレスを36分間不完全燃焼させた一戦からは、パンチがあるんだろうなというのは読み取れます。

とはいえ、敵地で決定的な場面が作れないままラウンドを浪費していく姿からは、井岡の壁は分厚いように思えます。



さて、エストラーダ。交渉が一旦とはいえ頓挫、今回はリングサイドにエストラーダを呼ばないでしょう。

中谷潤人、呼びましょう。

34歳のファイターは天邪鬼なところも魅力の一つですが、エストラーダだけが団体統一戦じゃありません。

もちろん、看板という視点ではエストラーダ>>>>>中谷です。

しかし、井岡がエストラーダと中谷、どちらに勝利するのが衝撃的でしょうか?


井岡のキャリアを振り返ると、オーレイドン・シスサマーチャイ、ファン・カルロス・レベコ、マクウィリアムス・アローヨ、ドニー・ニエテス、田中恒成と強豪に勝利を収めてきただけでなく、フェリックス・アルバラードやキービン・ララ、ハビエル・シントロンとホープの壁にもなってきました。

そして「キャリア最高の勝利」は恒成との一戦です。井岡本人が「メリットがない」とほざこうが、あの試合に勝ってPFPファイターに数えられたのです(アムナット・ルエンロン、ニエテスは井岡に勝ってPFP入り、つまりは井岡がPFPの〝合格ライン〟でした)。

もし、エストラーダをKOしたら日本でも海外でも賞賛だけでなく「ガジョの劣化は目も当てられなかった」というやっかみも聞こえてくるでしょう。

しかし、中谷をKOしたら?

誰も文句は言いません。そして、中谷が井岡に敗れたそのあとの試合で「井岡がいかに強かったか」をリングの上で語り続けてくれるでしょう。

まあ、中谷をリングサイドに呼ばないだろうな。

Weight-Classes_90_

話変わって、今回はTBSではなくABEMAが無料で配信。

テレビのように番組枠がないネットストリーム、イベント全体を見せてくれるのはありがたい。ただ…米国などのPPVとは真逆の無料サービス、こんなことがいつまで続くのか?

どこかの時点で、無料サービスの形が変わるのは100%間違いありません。

そのとき、無料に慣らされたボクシングファンはどれだけ有料に付いていくでしょうか。

あるいはネット配信企業がボクシング事業に見切りをつけたとき、テレビが再びプラットフォームになってくれるでしょうか?



「タダより怖いものはない」。そう実感してしまう未来がすぐそこに待っている…そんなことはない、と祈っています。
 
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12月31日(日)大田区総合体育館

WBAジュニアバンタム級

バンタム級 10回戦

フェザー級 10回戦
堤 駿斗(志成)vsルイスモンシオン ベンチャーラ(ドミニカ)


34歳の井岡は、相思相愛と思われたファン・フランシスコ・エストラーダ戦がファイトマネーを巡って交渉が行き詰まっていると伝えられていますが、まだ「決裂」とは報じられていません。

交渉決裂なら別の対戦相手が決まっているはずです。




アンダーカードは〝仕切り直し〟の二人。



一人は元WBCフライ級王者の比嘉大吾。

体重超過でリングではなく秤の上でタイトルを失うという最悪の王座陥落、試合もクリストファー・ロサレスに9ラウンドでストップされた、あの悪夢の2018年4月15日から、5年半もの歳月が流れました。悪夢はまだ続いています。

ロサレスに敗れるまで、フライ級で15戦全勝オールKOという剛腕は、バンタム級で再起してからの7戦は4勝2敗1分と完全に影を潜めてしまいます。

32歳のカイカンハは、デビュー戦でシーサケット・ソールンビサイと引き分けてからファン・エルナンデスと空位のWBCフライ級王座を争うまで36連勝を飾っていたタイ人。

このエルナンデスが初防衛戦に迎えたのが比嘉で、この時はエルナンデスが体重超過、比嘉が6ラウンドで仕留めて戴冠したのでした。

それにしても、比嘉はまだ28歳。

歌を忘れたカナリアが、自ら招いた悪夢から覚める日がいつか訪れるのでしょうか?



もう一人は堤 駿斗。

プロ3戦全勝の24歳に〝仕切り直し〟のタグを付けるのは厳しい見方かもしれませんが、ここまでKOはゼロ、さらに10月13日に予定されていたベンチャーラとの一戦はインフルエンザによる発熱でキャンセル。大晦日に仕切り直しとなります。

高校2年時に、日本人として世界ユースで史上初の金メダルを勝ち獲った俊才は、期待された東京五輪出場を逃しプロ転向。

ここまでの対戦相手は、レールの上に置かれた生贄との3試合。

今回のベンチャーラも11戦全勝9KO無敗と数字は立派ですが、11戦のうち6試合の相手はデビュー戦。勝ち越している選手はたった一人(ディクソン・フローレス=17勝10敗3分)というお粗末さ。

25歳のドミニカンはこれがキャリア初の10回戦、これまで6ラウンド以上を戦ったこともありません。

無理に倒しに行く必要はありませんが、綺麗に勝たなければなりません。



IMG_1307

そして着丼。

笠岡ラーメン。九条ネギトッピング、味玉乗せ。

いただきます。
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WBAジュニアフライ級王者・井岡一翔が熱望する、Lineal/WBC同級王者ファン・フランシスコ・エストラーダとの決戦は「大晦日に東京」のラインで交渉が進んでいました。

しかし、今日になってBoxingscene .comなど複数のメディアが「契約はほぼ決裂」と伝えています。

相思相愛と見られていた両者ですが、34歳の日本人が望んでいるのは「キャリアの集大成」。一方で、33歳のメキシカンの目当ては「カネ」。

昨年12月に行われたローマン・ゴンサレスとのビッグファイトで7figure(100万ドル超え)の報酬を手に入れたエストラーダが、井岡戦に期待していたのは「軽量級ではあり得ない注目と熱狂を集める日本開催」と「それに釣り合うファイトマネー」でしたが、井岡は日本開催にこだわらず、陣営も十分な報酬を提示できなかった模様。

井岡の代名詞、12度目となる大晦日の世界戦、長らくPFPシーンを賑わせてきた115ポンドの最終決戦はこのまま霧消してしまうのでしょうか?

Boxingscene .comは一部で噂されている「大晦日・東京で井岡vsロマゴン」は、具体的な交渉はないとも否定しています。

36歳のチョコラティトもエストラーダとのラバーマッチで100万ドルを手にしたと言われ、以前のような条件で日本のリングに戻ることは考えられません。

カネではなく栄光を求める井岡にとって、自身と同じキャリアの幕引きを迎えているビッグネームとの対戦は一筋縄では行きそうもありません。

まあ、ジュニアバンタム級の対立王者に「カネよりも栄光を求め、勝てば評価が上がる相手」は、しっかり相模原あたりにお住まいですが、4階級制覇王者はそっちに舵を切る気はないのでしょうか?
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Monday 18, September 2023

Ariake Arena, Koto-Ku, Tokyo, Japan
commission:Japan Boxing Commission
promoter:Akihiko Honda (Teiken Promotions)


Nobody knows what will happenAnything can happen


ボクシングに限らずスポーツの魅力は、何が起きるかわからない、もっとわかりやすくいうと何が起きても不思議ではない、という不確実な世界であることです。

来週18日、メインを張る寺地拳四朗が、ヘッキー・ブドラーに圧勝すると決まったわけではありません。もしかしたら、大番狂せで敗れることだってありうるでしょう。

スポーツが常に孕む「不測の事態」に加えて、南アフリカを代表して戦い続けてきた35歳のブドラーには「経験」と「意地」があります。


むしろセミファイナルの方が、予定通りの結末を迎えそうです。那須川天心の相手ルイス・グスマン・トーレスはメキシコのバンタム級王者で27歳、心身ともに野望を燃やしての来日でしょうが、12戦10勝(6KO)2敗の戦績は「経験」を感じ取るにはあまりにも対戦相手が脆弱で、いずれもTKO負けの二つの黒星からは強固な「意地」も読み取れません。

当初、対戦予定だったファン・フローレスが新型コロナ感染で、急遽抜擢に答えたグスマンですが、9月1日にバンタム級10回戦を行う予定で体は出来ているはずとはいえ、天心のスピードとスタイルに対応できるレベルではないでしょう。


その意味で、最も注目すべき試合は那須川の露払いに回された中谷潤人です。

相手は、アルジ・コルテス。

2014年4月のプロデビューから10年余りで30戦25勝(10KO)3敗2分。「誰に勝ったのか?」という点では世界基準で語るものは何もありません。地域タイトル挑戦のチャンスも与えられていないことから、その肩にかかった期待の軽さも窺えます。

逆に考えると、叩き上げでこの戦績を積み上げてきたのです。



3つの黒星のうちの二つはデビュー4戦目までに喫した8年以上前のもの。そして、もう一つは昨年9月にファン・フランシスコ・エストラーダを相手にクロスゲームを繰り広げた〝敗れて名前を挙げた一戦〟です。

エストラーダ目線では格下相手のチューンナップ、WBCフランチャイズがステイクされていたとはいえ事実上のノンタイトル戦、ダウンも奪って気の緩みが生じる要素はいくつもありましたが、どう見ても弱い選手ではありません。

もし、一気に距離を潰す踏み込みの速さと、それに繋げるフェイント技術を持っていたら、中谷にとって危険極まる相手です。

中谷にとってはキャリア最強の相手でしょう。

それでも中谷の勝利が1/16(1.06倍)、コルテス8/1(9倍)という掛け率は、25歳の長身サウスポーの評価の高さを裏付けています。

もしかしたら、現在の115ポンドシーンで中谷がアンダードッグに回る相手はいないかもしれません。



露払いをした元キックボクサーとの無敗対決、すでに口にしているモンスターへの挑戦…メガファイトへの道を突き進むためにも、鮮やかな勝利が求められます。
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昨年大晦日にマジョリティードローで分けたWBAジュニアバンタム級王者ジョシュア・フランコとのダイレクト・リマッチをユナニマスデジションで勝利した井岡一翔。

27歳のフランコがSNSで引退声明を出したのは驚きました。大きな不幸が彼にのしかかっていないことを、また再びリングの上で躍動してくれることをボクシングファンの1人としてお祈りします。

さて、難敵フランコを退け、改めて再戦と逆境に強いことを証明した34歳のリング・マスターはこれからどこへ向かうのか?



【ファン・フランシスコ・エストラーダ】

リング誌/WBC王者エストラーダとは相思相愛。

現在のジュニアバンタム級シーンで、勝ったときのリターン(世界評価)が最も大きい相手です。

キャリアのフィナーレをどう飾るかという時期に差し掛かっているのは、34歳の井岡も33歳のエストラーダも同じ。

El Galloの全盛期は過ぎているように見える一方で、井岡の戦いぶりからは衰えをほとんど感じられません。

もし、対決が決まれば「井岡有利」の予想とオッズが並びそうです。



【ローマン・ゴンサレス】

帝拳傘下というだけでなく、ジョシュア・フランコが防衛戦の相手としても交渉していたチョコラティトは、最も簡単にマッチメイクが成立するビッグネーム。

かつてPFPに2年間も君臨した36歳のニカラグア人も、エストラーダ同様にピークは過ぎ、115ポンドはベスト階級ではないようにも映ります。

とはいえ、全盛期のシーサケット・ソールンビサイとエストラーダにしか負けていない、その実力はまだまだ階級トップクラス。

井岡もロマゴンに対する特別な思いがあるかもしれません。




【中谷潤人】

アレクシス・アルゲリョを彷彿させる〝やせっぽっちの破壊者〟。

フランコとのダイレクト・リマッチを選んだのは、指名挑戦者の中谷を回避するためという声は、ゴーイング・マイウェイの井岡の耳にも届いているでしょう。

井岡流にいうと「メリットがない相手」ですが、エストラーダやチョコラティトのような落ち目のグレートではなく、勢いのある旬の強豪。

田中恒成戦がそうだったように、勝ったときのリターンは井岡の想像を超えるはずです。もちろん、誰に一番メリットがあるかとなると中谷ですが。



【ジョン・ラミレス】

現在のWBAランキングは1位が空位で2位がスクラッピー・ラミレス。井岡への挑戦権をかけた試合に起用される可能性がある27歳の米国人で、12戦全勝8KO。

WBAだけがランキングしている、しかも1位という承認団体特有の捏造ランカーです。

井岡は全く興味がないというか、そもそもラミレスを知らないかもしれません。WBAから対戦指令が出たら、井岡はまたタイトル返上するでしょう。



【バンタム級への道・5階級制覇】

体重超過のフランコを見事にコントロールしたことから、5階級制覇の期待も一部で膨らんでいます。

井上尚弥が焼け野原にして、傷物の〝落武者〟が彷徨っているバンタムは、タイトルを獲るだけなら美味しいかもしれませんが、井岡がそこに興味を見出すかどうか?

アジアではマニー・パッキャオに次ぐ5階級制覇(ノニト・ドネアはジュニアバンタム級が暫定なので4階級制覇・ドネアがジュニアバンタムに下げることをほのめかしたのも5階級制覇のため)ですが、所詮は数字です。

井上拓真をレッスンして「お兄ちゃん、出て来いや!」と いうのも面白いですが、そんなキャラじゃないですね。
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■WBAジュニアバンタム級タイトルマッチ ©️ジョシュア・フランコvs井岡一翔 前日計量は井岡が52.0kgの160gアンダー。フランコはなんと3.1kgオーバーの55.2kg。 120分の再計量の猶予時間もフルに使わず、全裸で秤に乗ることもなく、200グラムしか落とさず、諦めました。 この時点の体重差は3kg。 当日午前10時の計量で、58.9kg以内のリバウンドに抑えることを条件に、井岡陣営が試合決行を受け入れました。 フランコはこの本来ならあり得ない〝公式当日計量〟を900gアンダーの58kgでクリア。 そして、リング・イン前のフランコは2.2kg乗せて60.2kgに、5階級上のライト級(61.23kg)でロープをくぐりました。 対する井岡も5.5kg上乗せした57.5kgでリング・イン。フェザー級(57.15kg)を超えてジュニアライト級のゾーンに踏み入れるウエイトです。 両者の体重差は2.7kg。 減量失敗のフランコと、井上尚弥と並ぶ〝リバウンドマスター〟井岡。 波乱の前日計量だけでなく、この当日計量でも両者の調整能力の差が明らかになりました。 ジュニアライト級の井岡とライト級のフランコの対決は、単純な体重差ではなく、両者の体重コントロールの巧拙、リング上で異様に汗をかくフランコの姿からも勝負の帰趨は早い段階で明らかになりました。 井上尚弥と対戦したジェイミー・マクドネルのケースほど酷くはありませんが、今回のフランコも実質的な体重アドバンテージがあったとは考えられません。 井岡と井上のリバウンドが、ミドル級の村田諒太を上回るのは有名な話ですが、理想とされる10〜12%のリバウンドに安定して合わせてくるのは流石です。 さらに今回の井岡は栄養とトレーニング面で新しいメソッドを導入、前戦よりもリバウンド幅を500g増やしながらもキレとスピードは全く変わらなかったそうです。 今回のケースは、4団体時代によくある体重超過、つまり世界タイトルの価値暴落だけが背景ではなく、個人的に深刻な事情が起きたフランコが試合に集中できなかった可能性もあります。 それでも、逆境に立ったときの井岡の強さが、またしても際立った一戦でした。
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さて、次は相思相愛のファン・フランシスコ・エストラーダや、フランコが井岡とのダイレクト・リマッチを優先して〝待機〟している因縁のローマン・ゴンサレスとのビッグネーム対決になるのか? あるいは、中谷潤人とのボクシングマニア垂涎の〝世代〟と〝スタイル〟の団体統一戦は実現するのか?
井岡はもう、34歳。ここまで、30勝15KO2敗1分。 このブログでも紹介しているように、 井岡はCompuBoxのスタッツでは日本人ではもちろん、世界でもトップクラスの「打たせずに打つ」ボクサーです。 二つの敗北と一つの引き分けは、いずれもクロスゲーム、ストップ負けはもちろん決定的に追い込まれたシーンもありません。 井岡のスタイルで33試合312ラウンドという数字は、深刻な劣化や消耗からは縁遠いように見えます。 しかし、20歳のデビュー当時から注目され続け、33試合中24試合が世界戦、様々な重圧を潜り抜けてきた井岡の14年間が過酷な航海だったのは間違いありません。 我が道をゆく人です。 日本のボクシングファンが渇望する、2階級離れてしまった頂上決戦は実現しないのでしょうか?
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