フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

      Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。

カテゴリ: 箱根駅伝とオリンピック

今年4月に「SHARKS」という陸上中距離を専門とするプロチームが発足しました。

SHARKSは茨城県阿見町を拠点に子供から大人までを指導する民間の陸上クラブ「阿見アスリートクラブ(AC)」のトップチームの位置付けで、練習は東京都内で行っています。

日本の陸上競技ではマラソンが王様です。

近年、短距離、それも100m男子というボクシング例えると「ヘビー級」が活況を呈してくれているのは「こんな日が来るなんて!」と陸上ファンとして嬉しい限りです 。

一方で、マラソンは今なお「王様」であり続け、玉座を狙えるトラック1万mや5000mのエリートランナーが「未来のマラソンランナー」として実業団から引きが強いのに対して、800mや1500mの中距離選手の需要は一気に下落してしまいます。

ボクシングでいうとヘビー級に対する「クルーザー級」や「ライトヘビー級」でしょうか。

私は学生時代、中距離走が好きでそこで勝負したかったのですが、周囲から「距離を伸ばした方が可能性が大きい」と助言され、5000mから1万m、そして最後はロードレースで関東インカレ2部に出場しました。

そんな個人体験もあって、中距離選手が割りを食う状況を納得できない、才能を潰してる残念な思いで見てたのでSHARKSの取り組みには両手を挙げて応援しています。

中距離って走っても面白いし、見ても面白いと思うんですが、やっぱり私は変わり者なんでしょう。

SHARKSは「日本中距離界に一石を投じたい」という思いから誕生しました。
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公式HPによると…。
 
現在の日本の陸上界は、中距離に特化した練習ができにくい環境になっています。
 
主な理由としては、
 
①駅伝、マラソン大国になり、中学、高校、大学、実業団を通して駅伝をやらないと中距離ができない環境になってしまっている。
 
②日本ランキング上位の選手レベルでも800m1500mを中心の競技者には、受け入れる実業団は少なく、駅伝をやらなければ雇用されない現状がある。
 
③実業団に中距離の指導者が少なく、大学は箱根駅伝が中心になり指導者は長距離中心になっており、育てる仕組みが閉ざされてしまっている。

素晴らしい。
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瀬古利彦はおそらく、トラックレーサーとして最も才能があったと確信しています。

中村清が偉大な指導者、モチベーターであることに全く異論はありませんが、自身の体験から噴き出していたのか「日本人はトラックでは通用しない」という情けない諦観は残念でしかありません…。

「日本人は(レベルの高い)トラックでは通用しない」 。

ボクシングに例えると、まさに「減量信仰」です。

井上尚弥のような才能をどうしてジュニアフライの型に嵌めようとするのか!?…より多くの複数階級制覇のため?

そうだとしたら、バカげてます。



優秀な中距離選手が実業団に入るためには、長距離を走る、アスファルトの駅伝を走ることが 条件です。

彼らのスピードは日本の倒錯したシステムの中で殺され続けてきたのです。

現在の中距離2種目の世界記録と100m&マラソンの日本記録は以下のとおりです。

▶︎800m:世界記録=1分40秒91/日本記録=1:45.75
▶︎1500m:世界記録=3分26秒00/日本記録=3:37.42

100m:世界記録=9秒58/日本記録=9秒97
◉マラソン:世界記録=2時間1分39秒/日本記録=2時間5分29秒

どの種目も日本人が世界記録を出すのは至難の業に思えますが、それは短距離も中距離もマラソンも変わりません。

それどころか、社会人になった途端に事実上選手生命を絶たれる日本の中距離がいかに善戦奮闘していることか!

そもそも、簡単に獲れる世界チャンピオンなどに、偉大な価値などありえません。


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2011年、アゼルバイジャンの首都バクーで行われた世界選手権。

「日本人がミドル級なんて不可能だという人もいますが?」。記者が不躾に差し出すマイクに一瞥もくれずに村田諒太は語りました。前だけを見て。

「日本人に無理かどうかは知らんけど、村田諒太には不可能じゃない」。


その意気なんです。
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しつこく、カーボンプレートシューズの話です。

今朝の「ワイドナショー」でも、猫ひろしが「市販品で誰でも買える価格」「みんなが履いてたら問題ない」と、カーボンプレートシューズの是非について「是」と語っていました。

このブログでは何度も繰り返していますが、あれは「厚底」が問題なのではありません。極言すると、厚底が薄底に勝る点など一つもありえません。

その厚みが、内部でカーボンプレートを伸曲させる幅を持たせるためのものであるなら、話は別です。

今日、遅ればせながら、近場のスポーツ店で履いてみました。確かに見た目のゴツさが信じられないくらいに、驚くほど軽いのですが、効果のほどはわかりませんでした。

むしろ厚底によって、路面状況がしっかり伝わらない不安な感じが…。 歩いて、軽く走ると、確かに「走らされている」(松本人志)感じが。

これはインナーが前のめりになっていること、そしてやはり弾む感じはありました。もちろん、事前情報があり過ぎで、ある種の暗示にかかってるのかもしれませんが。

はっきり言えるのは、カーボンプレートによる「衝撃吸収」だけではなく「推進の助力」 が科学的に裏付けられたら、このシューズはアウトです。

非公認のマラソン2時間斬りを達成したキプチョゲは、プレートが3枚入った特別なシューズで走ったことからも、このシューズの特性が厚底ではなくカーボンプレートに集約されているのは明らかです。

そもそも、フォアフット着地、前に重心がかかりやすい…そういうのって靴に矯正されるもんじゃありません。
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日経MJの記事はナイキ寄りです。日経なんだから企業寄りは当たり前ですが。
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アスファルトとコンクリートで窒息しそうな都会では水たまりも珍しくなりました。河川敷でも舗装路ではなく、水たまりをピョンピョン飛び跳ねながら走るのが好きです。
 
同じナイキが作った「ナイキフリー」のコンセプトは大賛成でした。より裸足に近い感覚、自分の体、足、膝、足首を全部使って、地面を蹴って(正確には地面を「押して」とか「置いて」なんですが)走る感覚を身につける、という。

今日の大阪国際女子マラソンで、優勝した松田瑞生をはじめ上位選手のほとんどが「カーボンプレート」を履いていなかったのは、もしかしたらIAAFが使用禁止の決定をする事前情報が関係者の間に伝わっていたのかもしれません。

何度も繰り返してしまいますが、薄底と厚底、ソールの厚さだけなら勝負は決まっています。たとえ、同じ重さだとしても薄底です。

当たり前です。走る感覚は、足の裏と地面が離れれば離れるほど鈍く麻痺していきます。もし、厚底に分があるとしたら、その中に何かを仕込んでいる場合だけです。

ナイキといえばソールに空気を仕込んだ「エア」、アシックスなら「αゲル」、メーカーはソールに様々なものを仕込んできましたが、レースで「エア」や「αゲル」のシューズで走る選手は実は少数派です。

高橋尚子と野口みずき、金メダリストのシューズは「アシックス マラソンソーティ」。シンプルで土踏まず部分のシャンクすらない、薄くフラットなソールでした。

もちろん、体重が重い人、走り方がドスンドスンで、膝や足首、全身を使って柔らかく走る技術が身についていない人がいきなり走るのなら、厚底が必要です。

それでも、薄底やナイキフリーのようなシューズで練習を始めて、徐々に距離と強度を上げていくのが正しいと思いますが。

もちろん、素足だとけがをしかねない公道、夏には高温になるアスファルトの路面はシューズを履くしかありません。

素足と一体化するのが究極の理想なのです。それが、あんな醜い厚底であるわけがありません。

かつてローマのアッピア街道を裸足で走ったアベベ・ビキラ。

ロサンゼルス五輪の女子3000mをやはり裸足で走ったゾーラ・バッド。

重く撥水性もない布製の薄底「アシックス マラップ」に固執した瀬古利彦。

手袋をはめずに素手でバットを握った落合博満。

動きが制限されるとエルボーガードをつけなかった松井秀喜。


格好いいのが好きです。格好いいのに真実があると思います。

もちろん、大迫傑が訴えるように「早く決めてくれ」が一番大事です。この場に及んで何をやってるんだと言う話です。

札幌にマラソン会場を移すというのも、夏の東京が暑いなんて1000年前からわかってたことだろうがッ!って話です。それでも、東京→札幌はまだギリギリの許容範囲です。

しかし、あのカーボンプレートシューズは、明らかにランニングフォーム、もっと正確に言うとメカニズムを変えてしまっています。今から、薄底に戻すとなると、運動のメカニズムが変わってしまうのです。練習方法も変わります。

こんなの大問題です。例えると、金属バットと木製バットの違いです。 

ナイキの責任はありません。

IOCとIAAFがボケナスなんです。パラ選手のブレードもうやむやのまま、しっかりした科学的根拠を提示していません。

カーボンブレードの義足が助力があるのは、正直、明らかです。映像で見てても思い切り反発しています。

では、日常生活で付けているカーボン製の義足を外して、太古からある木製や湾曲しない金属棒の義足で競技させるのか?

それはできません。ブレードでいいと思います。ただ、強化改良されたブレードで健常者の五輪に出るのはいかがなものか、と思います。これは、本当に、誤解を恐れすに言える、こういう場所でないと書けませんが。

とにかく。。。選手ファースト…そこから離れた、離れすぎた愚行をいつまで繰り返すのでしょうか。 
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シューズの話は一旦、置いておきます。


本題です。「箱根駅伝はどこへ向かって走るべきか?」。

ご存知の方も多いと思いますが、箱根駅伝は関東学連が主催する関東の大学による駅伝、つまり全国より格付けが下の地域の大会です。

ボクシングでいう地域タイトルですね。WBO中米カリブのベルトみたいなものです。

ところが、この地域タイトルでしかない箱根駅伝が、日本学連主催の「秩父宮賜杯 全日本大学駅伝対校選手権大会」よりも人気でも実力でも喜劇的なまでに圧倒的な存在感を示しているのです。

大学の場合は関東への一極集中傾向が顕著で、アメフトなど一部の例外を除いて他のスポーツでも関東のレベルが高い傾向ははっきりしています。

しかし、箱根駅伝ほど実力・人気で全く次元が違うことはありません。

四半世紀ほど前までは箱根駅伝はラグビーや野球からずっと引き離された第3の大学スポーツに過ぎませんでした。

選手目線でも箱根駅伝優勝と関東インカレの個人種目で優勝なら、普通に後者を選んでいました。ましてや全日本インカレの個人種目のタイトルとは比べるべくもありません。

しかし、時代は変わりました。日本テレビと広告代理店の努力の結晶で、箱根駅伝はいまや大学スポーツの中で傑出した存在感を示しています。

正月2、3日という実はニッチな日程とはいえプロ野球やJリーグのチャンピオンシップを凌駕するような視聴率を6時間近くもキープする、スポーツの枠を超えた怪物的なコンテンツになりました。

私が大学生の頃も箱根はもちろん憧れの大会でしたが、個人種目でインカレで成績を残すことの方が優先順位は上でした。

そんな傾向を裏付けるのがインカレのロードレース種目の存在感です。

インカレの中長距離種目は800、1500、3000SC(障害)、5000、1万メートルのトラック5種目にロードレースが1種目の計6つがあります。

このロード種目、関東インカレでは1部、2部ともにハーフマラソンで実施されています。私たちの頃は1部が30km、2部が20kmでした。

前述のように「インカレ個人種目>箱根駅伝」の時代です。そして「トラック種目>>>ロード種目」という〝貴賎〟も明らかに存在していました。

簡単に言うと「1万や5000で大学代表になれない選手がロードに回る」という図式です。

私のように三流大学の三流選手はトラックの標準記録は持っていても、上位争いが出来る(つまりトラックよりもレベルが低い)とロードを選ぶのは三流ゆえの例外でした(自分がより輝くためによりレベルが低いところを目指す=ボクサーの減量にも似た行為です)。

それがいまや、トラック種目と同じステイタスになっているのです。昨年の1部優勝は日大のドゥング選手、2部優勝は国学院大の土方英和選手で二人とも先日の箱根では花の2区を駆け抜けました。

存在価値が巨大になった箱根の区間距離に近いハーフマラソンが見直され、学生トップがシノギを削る激戦区になるのは「箱根>>>トラック」の時代では当然の趨勢です。

さらに、現在の箱根駅伝の本質を露呈しているのが、ハーフマラソンでは1部校と2部校の標準記録が同じで、2部の優勝タイムが1部を上回る「下剋上」が普通に起きているということです。

昨年はドゥングが64分57秒、土方65分18秒で優勝タイムこそ1部が上回りましたが、65分台は1部はドゥング含めて6人、2部は8人と下剋上。

もちろん、2部には青学、國學院、帝京、東京国際、駒沢、創価、中央学院、拓殖、神奈川と箱根出場校に加えて専修大、亜細亜、東農大、上武大などの長距離特化の強豪校がずらりと並んでいるのですから、実は1部が2部に勝つほうが下剋上ではないかという、わけのわからない事態が進んでいるのです。

早稲田や日体大、筑波大のように陸上競技部に割り当てられた資金をトラックやフィールド種目で分配するよりも、長距離、それも駅伝チームに集中投下するほうが箱根で好成績を残すのに都合がいいのは当たり前です。

ましてや、そもそもの資金が大きな青学などに、筑波などの〝総合〟大学が太刀打ちできるわけがありません。

私たちの時代、長距離・駅伝も含めた陸上競技のオールラウンドで圧倒的な強さを見せいていた筑波も今やこと箱根駅伝となると優勝はおろか出場したら「事件」というほどまでに、そのハードルは高くなりました。

こんなことを言うと「スポーツに貴賎はない!」「種目にも貴賎はない!」「どのタイトルも等しく尊い!」と怒られてしまいそうですが、スポーツには厳然と貴賎がありますし、今なら箱根駅伝優勝と競歩の世界新記録では笑うしかないイビツな人気格差が横たわっています。

全国大会がチリに見えるほど巨大化した地域駅伝の箱根は、青学の原晋監督が熱弁するように全国に解放するのが筋です。

もちろん、関東学連は「我々が努力して育てた箱根駅伝を大きくなったから全国に差し出せという方が筋違い。自分たちが努力しないで努力した人の成果を寄越せというのは虫が良すぎる」と反論していますが、あんたたちは営利団体じゃない、陸上競技の健全な発展を目指す組織のはずです。



そして、箱根駅伝、関東陸連に巨大なお金が動いているはずですが、個々の大学は資金集めに苦心しています。

先日、大迫傑や為末大らが投げかけました。


「箱根の利益はどこへ行ったの?」。


続きは、メイウェザー抜きのマネーの話です。 
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青学のリベンジで終わった箱根駅伝、大学生ランナーの足にも「ナイキ ヴェイパーフライ」の侵略が凄まじかったです。

7区間で区間新が生まれ、全20区間のうち9区間の区間賞がこのシューズを履いたランナーが獲得しました。

出場210選手でも178選手が履いたといいますから、シェアは84.8%。

30年前、私も大学時代、長距離ランナーでしたが、当時はアシックスとその他(ミズノ、ニューバランス、アディダス、ナイキなど)の時代でしたから、アシックスのシェアは相当高かったと思いますが、それでもアシックスの同じブランド、シリーズのシューズに集中するなんてことはありませんでした。
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以前も書きましたが、厚底と薄底、どちらがレースに優れているかは薄底に決まっているんです。

軽量であること、そして路面の感触が正確に伝わるということで薄底が優れています。ランナーは路面と静かに会話しながら走ります。優れたランナーの足音は限りなく小さく、足の返しは速いものです。

厚底の利点としたら着地のたびに蓄積されるダメージの軽減ですが、それも箱根の約20キロの距離では大きな意味はありません。

「厚底シューズ」というのが間違いなのです、正確ではないのです。

あれは、中にカーボンファイバープレートを仕込むから、その結果として厚くなってるのです。カーボンがしなる厚みが必要ですから。

あれを厚底シューズと呼ぶのは、カジノをIR(統合型リゾート)と称するのと同じです。

ナイキヴェイパーフライは「カーボンファイバープレート・シューズ」と呼ぶのが正解です。カーボンファイバープレートが走力を不正なレベルで増強しているなら当然、アウトです。

明大・阿部弘輝選手「ロードでは推進力が出て、足へのダメージは少ない。一方、カーボンが入っているので勝手に前に押し出され、リズムが狂うこともある」。

東洋大・相沢晃選手「推進力はあると思う。ただ、履いている人によって差が出ている。今回は走った10人全員がナイキを履いた」

「不正なレベルで走力を増強している」かどうかは、グレーです。カーボンによる推進力は感じているようですが、これもプラシーボ効果かもしれません。

ただ、カーボンによる反発力が認められたらアウトです。

IAAFが調査に乗り出すといわれていますから、その結果を待ちたいですね。
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芝のホテルで人と会うお仕事があり、昼休みの空き時間にふらりと慶大キャンパスへ。

「そう言えばあそこの図書館は荘厳な赤煉瓦造りであったぞ!」と、はるか昔の記憶を辿りながら、ムラムラと桜田通りを早足で歩きます。
 

慶大にも陸上競技部時代の友人知人がいて、もう30年近く前になりますがキャンパスにも何度か訪れています。

慶應の応援歌「若き血」には有名な「陸の王者」のフレーズが登場していますが、スポーツ推薦制度がなかった陸上競技部(競走部)は苦戦が続いていました。

そんな慶大ですが、創部100周年の2017年から「箱根駅伝プロジェクト」をスタート、強化に本腰を入れています。

青山学院大の大躍進を見るまでもなく、ブランド大学が本気で強化策に乗り出せば、選手集めは容易です。

原晋監督の手腕にケチをつけるつもりはありませんが、あの成功の原動力は青学ブランドと莫大な投資に尽きます。

逆に言えば、ブランド力と経済力がなければあの成功はありえません。

〝青学以前〟の箱根駅伝は「無名大学の宣伝の場」という側面もありました。

無名の大学が知名度を上げるために、箱根駅伝に特化・集中した投資で続々と強豪校の仲間入りを果たしたのです。

この流れに弾かれたのが体育会にほぼ均等に投資してきた早稲田大や明治大、中央大などの古豪や、筑波大や日体大、順天堂大などの〝体育大〟でした。


慶大と同じスポーツ推薦に消極的だった立教大も上野裕一郎を監督に迎えて2024年の第100回を迎える箱根の出場権獲得に向けて動き出しています。

ブランド大学が本気で乗り出して来ると、無名大学はひとたまりもないでしょう。

ブランド大学がやっきになるほど箱根駅伝は魅力ある大会になったということなんでしょうが、生々しく剥き出しになった市場原理が学生スポーツの世界まで支配するというのは、あんまり見たくない気もします…。

そういえば、私たちの頃に立教大はエントリーミスで箱根駅伝予選会出場を逃したなんてボーンヘッドもやっちゃってましたが、もうそんな大らかなクラブではなくなるんでしょう。


ーー話がそれました。

おぼろげな記憶を辿りながら、桜田通りのビル群に馴染んで建っている「慶大東門」という真新しい赤煉瓦ビルに「こんなの昔から、あったっけ?」とあやふやな記憶をたどりつつもコンクリートの階段を上がってキャンパスへ。 
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桜田通りのビル群に完全に溶け込んでいる慶大東門。煉瓦構造でこの高層建築、巨大ビルディングはありえないので、タイル煉瓦を貼り付けているようです。
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真新しい〝赤煉瓦ビル〟の股間を潜ると「八角棟」が印象的な明治ゴシック、旧図書館が目に飛びこんで来ました。

すぐに見覚えのある旧図書館が目に入りましたが、何やら怪しい雰囲気が…周囲は白いフェンスで囲まれて、改修工事中とのこと。

ネットで調べると、2017年に始まった工事は今年5月で完了とのこと。

いつもながら昔の記憶はいい加減なもので「図書館って、こんなんだっけ?」「もっと荘厳なイメージだったけど」という違和感は拭えません。


しかし、この図書館(旧館)、1912年(明治45年)今から107年も前に創立50周年記念事業として建てられたそうです。

1912年となると、リング誌創刊まであと10年の刻を待たねばならない〝紀元前〟です。

この年7月4日にはカリフォル州で世界ライト級王者アド・ウォルガストがメキシコインディアンのジョー・リバースを迎えるタイトルマッチが行われ、世界戦史上初のダブルノックダウンが記録されています。

試合はレフェリーが王者を助け起こし、挑戦者をカウントアウト。それにしても、何と荒くれだった時代でしょうか。 

リバースが無念の涙を飲んだ、その年に旧図書館は竣工したのです。
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フェンス越しに見る煉瓦は小口積み、明らかに化粧煉瓦、タイルです。

赤煉瓦についてのニワカ知識から「ケッ!オメーも化粧煉瓦だったのか!」というちょっとした幻滅が過去の記憶との違和感の原因なのかもしれません。
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「煉瓦タイルの張り替えや、建物全体の洗浄、撥水剤の塗布で建物表面をコーティングした」ようで、当たり前ですが、1912年竣工という歴史も風雪も劣化も、その外観からは全く感じ取ることが出来ません。

117年前の竣工時は、タイルではなく本物の煉瓦を、おそらくはイギリス積みで組み上げていたと思われるのですが…。
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白フェンスに貼られていた「概要」によると、1923年の関東大震災で激しく損傷。ダメージの大きかった八角棟を一旦取り壊して再建するなど大規模な修復工事を経て1927年に復旧したそうです。

さらには、1945年の米軍空襲で「外壁を残して全焼」と過酷な歴史を何度も乗り越えて、2019年7月にピカピカの赤煉瓦に生まれ変わるのです。

21世紀の赤煉瓦は美しく強いタイル煉瓦、それもまたいいものです。

桜もきれいに咲いてました。 

綺麗な赤煉瓦、ありがとうございました。
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日清食品グループが11日、駅伝から撤退すると発表しました。

「成績低迷が原因」で「部員を現在の14人から大幅に減らす」、今後は「個人での世界大会出場を目指す」ということです。

9月に東京2020の出場枠を賭けて激突するマラソングランドチャンピオンシップの出場権を持つ佐藤悠基と村沢明伸は、日清食品のサポートで活動を続けるとのことですが、他の12人は〝クビ〟ということです。

このニュースで解せないのは、すでに今春の入部内定していた二選手についても「内定取り消し」となった点です。

そこまで、急な決定が迫られる事案とは考えにくい話ですが、トップダウンなんでしょう。

「錦織圭や大坂なおみと比べたら、イメージも知名度も低い陸上なんてやめちまえ!」って感じですね。

ニューイヤー駅伝で優勝しても、カップヌードルのCMに還元できるわけでもなし、10人以上の長距離選手を抱える「実業団」スタイルよりも、有望なアスリートに投資を集中する「個人支援」スタイルに転換したということでしょう。

実業団としてのチームを持たない日本生命が、桐生祥秀をサポートしているスタイルと同じです。

「カネだけ出すから、結果だけ出してくれ」。つまり「結果をカネで買う」ということです。

悪いことじゃありません。

効率を追求すると、そこに行き着くのは当然です。

営利団体である民間企業が選択するやりかたとして、至極真っ当なことです。

これからは、このスタイルが企業スポーツの主流になりそうです。

確かに「実業団」チームを抱えると、選手から監督・コーチ、トレーナー、練習場所や、スケジュール管理まで、コストのかかる重たいフルラインでのサポートが必要となります。

社員の一体感・愛社精神を高めるツールであった実業団スポーツは、その役割を終えました。

終身雇用制はとっくの昔に崩壊し、愛社精神や社員の一体感と会社の利益が必ずしも直結しない時代です。

コストやリスクと、効果とリターンが釣り合わない実業団スポーツは、20世紀の遺骸でしかありません。

たとえ、それが20世紀の日本のスポーツシーンを彩る名選手を育んだゆりかごだったとしても。



かつては陸上と並んで実業団の顔の一つだった社会人野球も、多くの名門チームが姿を消しました。

落合博満の東芝府中も、野茂英雄の新日鉄堺も、今は跡形もありません。

もし、あのチームが存在していなければ、大器晩成の見本のような彼らは100%間違いなく、私たちの目に触れることはありませんでした。

そう思うとゾッとする話です。
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いいえ、もしかしたら、今、私たちは、もうすでに何人もの〝落合博満〟や〝野茂英雄〟を喪い続けているのかもしれません。

仕方がないことです。
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箱根駅伝だけでなく、世界の主要なマラソン大会でも席捲している「ナイキ ズームヴェイパーフライ4%」。


このシューズの特徴を整理すると…。

外見上で目が行くのがやはりその厚底です。

重量は26.5㎝で約180g。

レース用の薄底シューズが150g前後であることを考えるとけして軽くはありませんが、アップシューズの見た目とは異なり、重さでは間違いなくレースシューズです。

アッパー部分は細い長方形の切り込み穴がいくつも開いています。これはシューズ内の蒸れを防ぐというよりも、軽量化のためでしょう。

この厚底にカーボンプレートが内蔵、その反発で推進量が増すということです。
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NHK「クローズアップ現代〜日本新の秘密はシューズにも!?」

従来のレースシューズの常識は「軽量」「ソールが薄い」という二点に集約できます。

ナイキは、この常識の後者「ソールは薄い方が良い」という常識を覆そうとしているのです。


ナイキのこの魔法の厚底シューズは、今回の箱根駅伝、そしてマラソン世界ランキングの上位を独占的に支配しています。


…では、このシューズがかつて水泳界を震撼させ、その後、使用禁止処分となった「レーザーレーサー」や、スピードスケートに革命をもたらした「フラップスケート」と同じような〝明らかに有利となるギア〟なのでしょうか?

現時点では「レーザーレーサー」や「フラップスケート」のような明白な優位性は認められていません。

もし、そう見えるとしたら「すでに十分な実績を積んだランナーが履いて、その実績に見合った結果を出している」だけです。

設楽悠太は、昨年の東京マラソンで2時間6分11秒の日本記録を出しました。しかし、福岡国際では2時間10分25秒と平凡な記録に沈んでいます。

設楽の記録を2時間5分50秒に更新した大迫傑もナイキの厚底シューズを使いましたが、この厚底がなければ出なかったタイムか?となると疑問です(もちろんプラシーボ効果は期待できます)。

また、この厚底のインナーがやや前方に角度を持っていることからフォアフット(前足部)で着地する走法を補助するというメリットも喧伝されています。

「フォアフット走法」というと、最新のランニング技術のように聞こえますが、遥か大昔から言われていることです。

元マラソン日本記録保持者の系譜だけを辿っても、宇佐美彰朗(1970年2時間10分37秒)は「土踏まずの前の部分が踵の感覚で走れ」と指導していましたが、これはまさにフォアフットの考え方です。

中距離出身の瀬古利彦(1983年2時間8分37秒)はもちろん、中山竹通(1985年2時間8分15秒)もフォアフット、それも相当前に意識を置いて着地していました。

ただし、本人はフォアフット、つま先着地で走っているつもりでも、動画撮影すればわかるように、多くの場合、実際には足の裏全体、あるいは踵から着地しています。

これは「フォアフット着地」はフォーム(外見・見た目)ではなく、メカニクス(重心移動)の問題だということです。

踵重心ではなく、前足(母子球あたり)に重心を置くのは、ランニングの常識です。

そして、それがメカニクスの問題である限り、シューズの形状にサポートされるのは矯正期間だけにとどめるべきで、レースでは現実の感覚を大切にできる「薄底シューズ」が最も適していると確信しています。

これまでもナイキは革新的なマーケティングで市場をリードしてきました。

ミッドソールに空気の袋を装填した「ナイキ AIR」は、アシックスの「αゲル」をはじめミズノやリーボック、プーマ、アディダスもインスパイアし「ソールに何か仕掛けをしよう」という短絡的な思考が浸透しました。

しかし、五輪などのビッグゲームでエアやαゲルなどが装填されたシューズを履く選手がほとんどいないことからも、その効果がどこまで信憑性があるのか、はなはだ疑問です。

もちろん、それが商品である限り、様々な付加価値は大切ですし「エアやαゲルはマヤカシだ」というのは「ボジョレーヌーボーは美味しくない」というのと同じで、それらはけしてマヤカシなどではなく「マーケティングの偉大な成功例」なのです。

すでにアシックスなど他社が〝厚底のレースシューズ〟を売り出していますが、これが薄底を駆逐して主流になることはないでしょう。

ああ、ただここまで書いてきて、フルマラソンに関しては厚底はありかもしれません。

42㎞の間、アスファルトに叩かれ続ける足の裏、脚のダメージは甚大です。あれを考えると、従来の画一的なロードレースのシューズは、フルマラソンは少し厚めなど、距離によってもう少しバリエーションがあるべきかもしれません。

酔っ払いの思いつくままに書くと、瀬古は1984年のロス五輪に「マラップ」というアシックス製のシューズで走りました。

これは、私も実物は部室に放置されていた先輩の古い一足しか見たことがありませんが、体育館シューズのような布製・ゴム底の重く粗末なものでした。

すでに、アッパーは軽量ポリエステルやビニール、ソールは反発度の高い新素材のシューズが一般市場に出回っていたにもかかわらず、瀬古はこれまでの成功体験から新しいシューズに足を通すのを拒んだのです。

高橋尚子や野口みずきら〝金メダルシューズ〟(それらいずれもαゲルは内蔵されていません)を量産する三村仁司は「給水の水を吸ったり、急な雨でシューズが重くなるリスクもある」と忠告しましたが、瀬古は聞かなかったそうです。

恐れ多いですが、私には瀬古の気持ちがよくわかります。

現状、何の不自由もないシューズを何故変える必要があるのか、と。

瀬古が敗れた原因も、シューズには1mgもありませんでした。

そう思うと、あのとき、あらためて、マラップで勝って欲しかったですね…。あのロス五輪男子マラソンほど、他人事で敗北感に打ちのめされたことは未だにありません。

ま、私事では敗北感に打ちのめされるのは、いつものことですが。



新しいギアを拒否した、という点ではスピードスケート堀井学の「フラップスケート」も印象的でした。瀬古のケースとは全く違い「迷ってる場合じゃない!」という問題でしたが。

世界記録をひっさげて1998年長野五輪に臨んだものの、前年の欧州選手権で採用が認められたフラップスケートへの対応が遅れて惨敗。

五輪前年に、従来とは全く構造の違う、明らかな優位性が認められるスケート靴が、それもオランダメーカーの商品が公式に認可されるなんて、こんな不条理はありません…明らかに狂っています。

しかし、世界と戦うということはそんな不条理もひっくるめてのことです。

その意味で、耐え難い不条理と理不尽と欧州のエゴを、木っ端微塵に打ち砕いた清水宏保は、偉大でした。


なんだか支離滅裂で、読みにくい話になって申し訳ありません。

裸足のアベベや、素手の落合を偏愛する、酔っ払いの戯言です。

機会とやる気があれば、書き直します。 

まあ、ナイキの厚底シューズには「明らかな優位性はない」(あったらレーザーレーサー同様、禁止です)、「今後レースシューズが厚底主流になる、なんてこともない」「フォアフットなんて言葉が新しいだけで太古の大昔から同じことをやっていた」ということです。 
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バットや、グラブ、シューズの話は尽きません。

現役時代はそんなに気を使っていなかったのに、今振り返るとどいつもこいつも最高に愛おしいパートナーでした。

写真(遺影?)だけでも撮っとけばよかった。

バットやグラブは後輩や人に譲り、シューズは履きつぶして廃棄してしまったので、今は何一つ手元にないというのも、この愛おしさを加速させているのでしょう。

今、思えばスラッガーのバット、後輩にあげるんじゃなかったー!!!

逆に、手元にある当時のユニフォームにはそこまでの愛着が湧かないのは、やはりもう二度と握ったり、はめたり、履いたりすることが出来ないものへの郷愁なのでしょうか。

どんどん、横道にそれそうな話を引き戻して、そうです!

ここは「ナイキ ズームヴェイパーフライ4%」の話です。

このシューズ、価格.COMで見ると参考最安値価格¥86,400!

昨年、大好きなモルトの一つ「マッカラン」の60年モノが二本200万ドル(メイウェザーの茶番価格と同じですね:ちなみに一部報道の「900万ドルとみられる」は100%嘘です、その話は近々どこかで)のウィスキー史上最高価格で競り落とされたとき「くだらない!要らん、20万円でも要らん!」と思いましたが、このシューズの価格も狂ってますね。
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AFPニュースから。1本100万ドルの酒など、この世にあってはいけません。これはラベルにも秘密があるのですが…モルトの話なんて始めると、また長くなるので別の機会に。

「ナイキ ズームヴェイパーフライ4%」の定価は確か約3万円。それでも「要らん!」と思いましたが、¥86,400まで高騰してましたか。

このシューズはナイキの周到なマーケティングが産み出した〝造られた物語〟がすべての発端です。

ナイキが2014年に立ち上げたプロジェクト「Breaking2」。

「これこそがムーンショット(実現不可能に見える挑戦)」と、オスカー・デラホーヤ挑戦を控えたマニー・パッキャオのトレーナー、フレディ・ローチと同じ言葉が吐かれたこのプロジェクトでしたが、やってることは茶番劇でした。

なんか「茶番」と書くと先日のエキシビションしか思い浮かばなくなってますが「Breaking2」は、スポーツの真剣勝負ではないという意味で茶番ですが、非常に興味深い試みでした。

「Breaking2」をテーマにしたナショナルジオグラフィックのドキュメンタリーは、そこそこ面白かったですが、要はナイキの広告でしたね。

このブログをお読みの方は「何を今更」ですが、「GGG対カネロ」と「亀海vsコット」でボクシング界が沸騰していた2017年の初夏の話です。

5月8日の早朝、イタリア、モンツァが舞台です。

F1会場で有名なモンツァ・サーキットで、考えうるあらゆる障害を取り除いた環境で人類初のフルマラソン2時間斬りを実現させる、というのが「Breaking2」でした。

主役はリオ五輪金メダルのエリウド・キプチョゲ(昨年のベルリンで2時間1分39秒の世界記録樹立)。

気温11.2度、ほぼ無風。絶好のコンディションの中、6人ペースメーカーはキプチョゲを菱形に囲んで、あらゆる角度の空気抵抗から守りながら、アップダウンの全くない1周2.4㎞の周回コースを17周半走ります。

この6人(30人が交代制)の菱形フォーメーションは、風洞実験を重ねて編み出した「これ以上多くても少なくてもいけない最高の人数と、最高の包囲陣」でした。

給水ももちろん随時、パートナーが手渡しで補給、給水ポイントでのロスはありません。

しかし、結果は2時間00分25秒。あと26秒でムーンショットを逃してしまいます。

この見世物が終わるとナイキは「2時間斬りは出来なかったが、驚異的な世界記録は出せた。挑戦は成功だった」とおかしなことを言い出します。

そして「〝驚異的な世界記録〟を出したキプチョゲを支えたシューズを1ヶ月後に発売する!」と、本当の目的を明らかにします。

このシューズが「ナイキ ズームヴェイパーフライ4%」です。

ちなみに、キプチョゲはこの年の夏に開催された世界選手権を欠場、より高額の賞金が保証される「Breaking2」とベルリンマラソンへの出場を優先したのです。

近い将来、五輪もその扱いになるかも知れません。

この厚底シューズのインナーソールにはカーボンファイバーのブレードが内蔵されており、これがバネの役割を果たして推進力を生み出すのです。

なんだか〝反則〟の匂いもしてきますが、国際陸連ルールに抵触はしないそうです。

しかし、(禁止された)水泳の「レーザーレーサー」のような明らかな効果があるギアなのでしょうか?

「国際陸連=WBC」「ナイキ=カネロ・アルバレス」のような想像もしてしまいますが…。

ブレードの反発力で推進力を生み出す…ドクター中松の、あのシューズと原理は同じですね。

さて、この厚底シューズはどこまで効果があるのでしょうか?

箱根駅伝を走った95人は、その効果を実感してというよりも「マラソン世界記録も日本記録も全部このシューズ」という熱病の中で足を通したランナーがほとんどでしょう。

実際に使用経験がないのに、偉そうに書いていきます。

「ナイキ ズームヴェイパーフライ4%」。

そのメリットとデメリット、そしてこのトレンドが一過性なのかどうかを考えていきます。
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今年の箱根駅伝、なかなか見応えのあるレースでした。

往路で青学大がまさかの4、5区連続でブレーキ。往路は東洋大が世界一美しいトロフィー、寄木細工の優勝カップを獲得。復路は青学が意地を見せたものの、東海大が見事総合優勝。

三校が「優勝」の栄冠に輝いたわけですが、往路がタイム差スタートの現行ルールでは復路優勝校だけが真っさらのゴールテープを切れません。

青学大は総合5連覇を逃した悔しさだけでなく、このパターンでの復路優勝ではいまいち盛り上がりませんね。

とはいえ、まさか復路を一斉スタートにしてしまうと、今度は総合優勝がわかりにくくなるし、見てる方もわけがわかりません。
考えてみると、往路も復路も優勝テープを切れない大学が総合優勝することも十分ありえますね。

で、今夜のお話はシューズです。

アスリートにとって、そのパフォーマンスを支えてくれるギアは大切な相棒です。



80年代までは、それぞれのスポーツでメーカーごとの完全な縄張りがありました。

野球のグローブ、バットはミズノが王様でゼットがそれに追いかけていました。

私は中学・高校時代はグラブはワールドウィン、バットはミズノの金属と(久保田)スラッガーの木製バットを使い分けていました。

ワールドウィンのグラブにはカップの刺繍が軟式は青、硬式は赤のビニール下地に刺繍されていて、中学時代は「早く赤のグラブで野球がしたいなあ」と毎日泥だらけになっていました。

陸上競技はニシスポーツという専門メーカーがありますが、スパイクとシューズはアシックスのほぼ独占状態でした。

ミズノやナイキもスパイクやシューズを発売していましたが、ランナーの間では完全マイナー。

ナイキはカール・ルイスが宣伝していた「エアペガサス」をアップシューズに使うランナーはいても、本練習・試合用はアシックスの「ソーティ」「ターサー」あたりが定番でした。

長距離では「陸王」のハリマヤで走るランナーも少数派ながらいましたね。

私はやっぱり変わり者で大学1年生時は、アディダスの「マラソン80」で走りました。

80年モスクワ五輪に合わせて発売したシューズで、それから5年以上経った当時では型落ちも型落ち、先輩から「ソールが劣化して硬くなってるからやめた方がいい」と忠告されましたが、その硬さも妙にフィットしてお気に入りでした。

型落ちで、安く出回っていたのも好んで履いた理由の一つですが。

そういえば、終盤に当時勃興していた山梨学院大学の集団にどどど〜っと抜かれて「なんだあの大学は?なんだ、あの集団走法は?」と驚いたのを思い出します。

しかし、2足持って大事に履いていた「マラソン80」もすぐに潰してしまい、もうどこの店を探しても置いてませんでした。

2年の予選会はアシックスの「アルティメイト」。このシューズも型落ちも型落ちだたんですが、アスファルトを叩くグリップ感が走りやすくて、関東インカレ2部20㎞と予選会を走りました。

3、4年時は周囲に流され?「ソーティ」で。自己ベストは更新できましたが、「マラソン80」「アルティメイト」との相性の良さは、ついに感じることはできませんでした。

そんな経験からも、箱根駅伝を観る時は選手の足元も見てしまうのですが、今年は異常でしたね。

出場230人中、なんと95人が同じシューズを履いていたそうです。

「ナイキ ズームヴェイパーフライ4%」。
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どう見てもアップシューズにしか見えない、この異形のギアが世界を席巻しています。

レースシューズは、時代によって流行り廃りを経てきました。

しかし、レースシューズの根本は変わりませんでした。

「軽いこと」と「薄いこと」。

同じことを言ってるようですが、違います。

「軽さ」は、当然走るときの負荷を減らすためです。

「薄さ」は軽さを追求した結果だけではありません。高下駄を履いていては、正確なバランスは維持できません。さらには、路面状況をより正確に把握するためです。

この二つを究極に追求すると、裸足が一番、となるのですが、さすがに硬くて小さな突起もある車道を走るロードレースで裸足は無理です。

そう考えると、 ローマ五輪でアスファルトやコンクリート、そして石畳のアッピア街道を裸足で走って優勝したアベベ・ビキラの偉大さがよくわかります。

そういえば「手袋はめてバットを握るヤツの気が知れない。自分から鈍感になってどうするんだ?」「真芯でボールを捉えたら手首に負担がかかったり、手がしびれるなんてことはない」「手袋はめるヤツは真芯で打つ自信がないから」と素手でバットを握っていた全盛期の落合博満はバッティンググローブを毛嫌いしていました。



ささっと書こうと思ったのに…続きます。 

落合博満 バッティングの理屈
落合 博満
ダイヤモンド社
2015-07-03

 
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箱根駅伝往路、青学大まさかまさかの4、5区でブレーキ。

往路優勝の東洋大から5分30秒遅れ、約2㎞も離されました。

まさか、まさかの展開に最後まで観てしまい、鶴見川源流への出発が遅れてしまいました。

車で降ろしてもらったポイントが 「河口まで24.0㎞、源流まで18.5㎞」のポイント。
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 ん???

先日見たポイントでは「全長42㎞」と書いてあったはずですが…これでは全長42.5㎞となり、私の42.195 ㎞説はあっさり覆されてしまいます。

見なかったことにして、横浜市青葉区市ヶ尾町から出発。 

源流まで18.5㎞とはいえ、河川敷を走るともう少し距離は伸びるはずです。おそらく22〜23㎞になるのでは。

予想以上に体が軽く、リズムも良い感じで快調。

キロ6分かかるとしても、25㎞で2時間30分。そんなにかかるわけないから、2時間後には源流が拝めているはず!

…那須川天心ではありませんが、やる前というのは誰しも「最善」を考えがちです。

「源流まで18.5km」で河川敷を走るから22〜23kmくらいだろう…なんという甘い見通しでしょうか。

上流に登るにつれ、川幅は狭くなり、河川敷などなくなります。川沿いを走れないエリアは、川から離れて大きく迂回するはめに。

なんとか、川を見つけて走っているとイメージと違う街並みに戸惑います。

…犬の美容室やらオシャレなカフェがあちこちに…後ろから抜かれたバスの行先は「新百合ケ丘」。

やっぱり!妙に民度の高い街並みになって居心地が悪いと思ったら、やっぱり道を間違っていました。

鶴見川の支流、麻生川に迷い込んでいたようです。

なんとか鶴見川に戻ると、どんどん川幅が狭くなったり、暗渠に入ったり、行き止まりで迂回を余儀なくされたり…。
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そして、どんどん日が暮れていきます。

最初はあんなに軽かった体も、重く、だるく、精神的にも走るのに飽き飽きしてきました。

イヤ倒れ寸前のボクサーの心境です。

走ったり、歩いたり…。

このまま、源泉まで辿り着いたとして、帰りはどうなる?

もう自力では帰れない、帰る気力もない。

バスはあるのか?タクシーはつかまるのか?

妻に車で迎えに来てとお願いしたら「面倒なこと言うな、嫌じゃ。なんで一人で帰ってこれないとこまで走るかなあ!」と怒られるのは目に見えてるので、それは最後の手段に。

大きな不安がムクムクと湧き上がる中、惰性で源流を目指します。

しかし、そもそも源流、最初に水が湧く場所なんてあるのか?

そもそもな、大きな疑問まで湧いてきます。

あらかじめネットで調べたりすると興味が削がれるので、丸腰で川を遡って来ましたが、推定あと2㎞くらいでも周囲は東京都は思えない田舎農家の家並みになったとはいえ、源流の気配はありません。

それでも川幅は狭く、流れは急に、耳を澄まさなくてもせせらぎが聞こえるようになります。

とはいえ、もっと傾斜が急な深い山中に入ると思ってましたが…本当にあるのか?源流?
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こんなポスト、観光地以外で久しぶりに見ました。

川幅は狭くなってきたとはいえ、このすぐ先に源流の泉があるとは思えません。
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川幅は30㎝程度まで狭まり、距離的にはもう源流に辿り着いてもいいはずです。


…ありました。

深い山を分け入ると、岩場の間からちろちろ噴き出す清水が…そんな源流のイメージでしたが、全く違いました。

小さな公園のような〝そこ〟には「鶴見川 源流の泉」という寂れた看板が…。
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すぐ前はアスファルトの車道ですが、車も人通りもありません。私しかいません。

寂寥感しかありません。

おお、しかし、何やら泉が湧き出てるような池が。

よく見ると、たしかに水面が一箇所、ぽこぽこしてます。泉が湧いているようです。
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しかし、近寄って見てみると池の底はコンクリート、泉が湧き出ているのは鉄製の排水溝からでした。

泉は本物だと思いますが…。

「走ったら22〜23km、2時間もあれば辿り着ける」なんて甘い考えでした。

ナイキのランニングアプリでは31km走ったことになってますが、間違ってますね。そんなに走ってるわけがありません。それでも25kmは走ったでしょう。

運動不足のメタボオヤジにとっては、オーバーワークです。完全に足にキてます。

出発からすでに3時間。もう日が暮れます。

とぼとぼ歩いて、なんとかバス停を見つけて、なかなか来ないバスにようやく乗って、町田駅へ。
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箱根駅伝の横断幕が貼られていました。

「青山学院大学」「法政大学」「国士舘大学」。

青学は相模原で練習してるからわかるのですが、国士舘も近くなのでしょうか?

そして、法政に至っては昔むかしに、記録会で何度か走ったことがありましたが、八王子だったはず。

まあ、西東京という大きなくくりでは一緒なのかもしれませんが。




なんて、箱根見ながら、つらつら書いてると東海大学が見事優勝しました。

しかし、みんな速い!

私は予選会にしか出場出来ない弱小大学の三流ランナーでしたが、当時は20㎞67分程度で走れば予選会100位以内、本戦でも自分より遅いランナーも走っていたものです。

しかし、当時の私が今の出場選手と1万メートルを走れば、全員に周回遅れです。

最近は1万メートル28分台なんて当たり前ですもんね。

私たちの時代は「28分台=大砲」と呼ばれてましたが、もう死語です。隔世の感があります。

日本全国で注目され、テレビ視聴率が日本シリーズを凌ぎ、大学が予算を投下すると、ここまでレベルが上がるのですね。

しかし、28分台人口は爆発しているのに、27分台は今も昔もトップ中のトップというのが、いい意味でも悪い意味でも今の箱根駅伝の実像を正確に物語っています。

ああ、でもやっぱり、いいなあ、箱根駅伝。

来る東京2020で、箱根ランナーが栄光を掴むことがあれば、こんなに嬉しいことはありません。  
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