三日前予備検診が終わりました。

挑戦者、井上尚弥は身長165.2㎝、リーチ170.6㎝。王者ジェイミー・マクドネルは175.5㎝、リーチ182.0㎝。

BoxRecでは178㎝のマクドネル、実際には2.5㎝低かったことになりますが、それでも異形のバンタムであることは変わりません。

その長身で水をがぶ飲みする姿から「意図的に体重超過するつもりでは?」 と疑いたくなるのは、忌々しい事故が続いている日本のファン心理から仕方がありません。

しかし、今の段階では信じるしかありません。というか、信じるも信じないも、プロの世界戦が階級リミットを守って行われるのは、至極当たり前のことのはずです。 

それにしても、ボクサーの身長リーチというのは、いい加減なものです。マイクタイソンは、日本で行った2度の防衛戦での検診では180㎝でしたが、BoxRecでは今でも178㎝ですし、「175㎝説」も根強くあります。

さて、 3月18日時点のオッズ(マクドネル勝利が5倍、井上勝利が1.11倍)から、マクドネル4倍、井上1.17倍と、やや接近してきました(英国ウォリアムヒル)。
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グループラウンドの内訳をみると、井上の4−6ラウンドKOが4.33倍で最も倍率が低く、マクドネルが1−3ラウンドで井上をKOする倍率は33倍と最も高くなっています。

ラウンドごとに見ても、マクドネルの1ラウンドKOは100倍、井上の1ラウンドKOは22倍、最も倍率が低いのは井上の6〜8、各ラウンドのKOで10倍です。

ウィリアムヒルの見立てでは「井上の中盤までのKO必至」です。

欧米では注目度の低い軽量級の試合だけに、現時点で結果予想はBOXINGNEWS24のスコット・ギルフォイドの記事しか見当たりませんが「Inoue will win the fight by a 5th round knockout after hitting McDonnell with a powerful left-hand liver shot. (井上が強烈な左のレバーブローを打ち込み5ラウンドで勝利する)」とかなり具体的に井上圧勝を推しています。

マクドネルは10年無敗とはいえ、亀田和毅やリボリオ・ソリスとの、どっちが勝ったのかわからない拙戦を見るまでもなく、特別やりにくい長身タイプではありません。むしろ、中に入りやすい長身ボクサーです。

体格のアドバンテージを活かす術を知らない、無駄に背が高く無駄にリーチが長いボクサーの典型です。

さらにスピード、テクニック、パワーの全てが世界基準にありません。バンタム級王者の中で、マクドネルは誰もが太鼓判を押す最弱王者です。

そもそもスーパー王者の存在するWBAタイトルはセカンド王者、WBCのシルバー王者と同列の扱いでリング誌などは王者とは認めていません(村田諒太のベルトもセカンドです)。

井上が苦戦するとしたら、コンディショニングの失敗などのアクシデント的な要素を除外すると、よほど相性が悪いということくらいしか思い浮かびません。

万一の苦戦もありえますが、それでもマクドネルが勝つ姿はどう考えても思い浮かびません。

もちろん、どんなことが起きても不思議は無いのがリングの上です。

井上尚弥が初めてその細い顎を叩かれた時に何が起きるか?凡庸な英国人が井上の顎にピンポイントパンチを打ち込めるとは考えられませんが、ラッキーパンチの悪魔はどのリングにも跳梁しています。

常識的に考えれば、マクドネルは階級最弱王者というだけではなく、パンチ力も無く、危険な武器は何一つ持ち合わせていません。井上の圧勝は鉄板です。

ここは、豪快にマクドネルを粉砕して、WBSSに宣戦布告しましょう!