ボクシング160年の歴史の中で、大番狂わせは何度も起きてきました。


大試合で何度も番狂わせを演じたマニー・パッキャオは、そのものズバリのパックマン(大物喰い)を名乗りますが〝番狂わせを何度も起こす〟って「そんなもん、それそもそもが番狂わせとちゃうやろがぁああああッ!!!」(おいでやす小田)って話でもあります。
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先日の「オスカル・バルデスvsミゲール・ベルチェルト」のオッズはアバウト4-1。

圧倒的に王者を支持していた専門家予想も含めて大番狂わせと呼んでも差し支えない状況が整っていましたが、試合後のメディアやファンの空気は大番狂わせへの興奮はそこまで感じられませんでした。

これは、過大評価と過小評価、という見謝りを同時に起こしてしまった〝心当たり〟があるからかもしれません。

古今東西、ファンの度肝を抜いてきた番狂わせを独断と偏見で振り返ってゆきます。

今週末にカネロ・アルバレスに挑戦するアブニ・イルディリムのオッズが40-1とめったにみれない数字が出たことに、ESPNは「マイク・タイソンはバスター・ダグラスに42−1で圧倒的有利と見られ、アンソニー・ジョシュアとアンディ・ルイスJr.は24-1だった」と報じています。

boxingscene.comでは「50-1」というオッズを紹介しています。


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オッズが目まぐるしく変わるのはご存知の通り。

同じくESPNが2019年に「過去45年でのヘビー級大番狂わせ」ではジョシュアvsルイスは「11-1」でしたから、いつの間にか2倍以上に膨らませた数字を使ってることになります。

「42−1」のタイトルでドキュメンタリーも制作された「タイソンvsダグラス」ですが、当時は「200−1」なんてフェイクニュースもまことしやかに流されていました。 

いずれにしても、週末のメガファイトが近年稀に見るオッズのまま試合開始ゴングが鳴ることは間違いありません。

「軽量級上がりのアジア人」という表層だけから過小評価され続けた結果、いくつもの番狂わせを起こしてきた「パッキャオ型」や、 過大評価バブルが弾けた「ファンマ型」…などなどの類型から大番狂わせを振り返ってゆきます。