WOWOWの「エキサイトマッチ30周年記念SP 鉄人マイク・タイソン特集PART2」をやっと見ました。

那須川天心がぁ〜あああ、ゲストぉぉおぉぉ〜〜〜〜〜。あると思いますッ!(天津木村)。

アイアン・マイクのキャリアをおさらいしてくれる、貴重なプログラムでした。

ただ、ゲストにジョー小泉が座ってるなら「リネラル王者」「リング誌王者」についての説明もして欲しかった!

それ以前に、ジョー小泉までもが「ドン・キングとタイソンの出会った時期」を誤解されるような表現をしていたのも気になりました。

男性アナの「スピンクスの方が強いという見方もあった」というのも、戦前予想やオッズが圧倒的にタイソンだったのに違和感ありまくりです。

当時のスピンクスは「正統の王座を継ぐリネラル王者」だったということです。

ジョーの「スピンクスもチャンピオン」という言葉も、リネラル王者を知らない人にはよくわからなかったでしょう。

その意味で、あの試合は統一戦だったのです。
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「誰がどう考えても、アルファベットよりもリング誌王者の方が上でしょう」「王者を倒した者しか王者になれない、それが当たり前、それがリネラルチャンピオンなんです」という正論は、口にできないのかもしれません。

そういえば「リネラル王者」はもちろん「リング誌王者」も、WOWOWはほとんど触れないです。

昨年のタイソン・フューリーとデオンティ・ワイルダーの対談で「そんなベルトがどこにある?どこにも実体がないじゃないか?」と嘲笑したワイルダーに、フューリーが「形は無いけど、それが一番価値があるということを、知ってる人は知っている」と答えていましたが、あの場面ももう少し突っ込んで欲しかったです。

そんなこと、言い出しても仕方ないですが。

もちろん、リネラルチャンピオンなんて「王者を倒せば王者」ですから「ペーパー王者に勝っても〝狭義〟のリネラル王者」です。

欧米でもまともに取り上げられるリネラル王者はヘビー級だけ。

これだけ「世界王者」が大量生産される時代、実はリネラルやリング誌王者ですら穴王者であり得ることは、この場末の落書き板をお読みなら、ご存じでしょう。

現在のプロボクシングにおいて、王者の肩書きは限りなく軽くなっています。

今、ヘビー級最強と目されるのはアルファベット一つしか持たないフューリー。

マニー・パッキャオ8階級制覇で最も価値が高いのは主要アルファベットが一つもステイクされなかったフェザーとジュニアウェルターです。

ノニト・ドネアが支配的だったジュニアバンタムは暫定王者に過ぎませんでしたが、ジュニアバンタム暫定王者が「バンタムでも最強」と考えられていました。

リネラル王者に勝たなければ王者ではない…。そんな時代はとうの昔に終わっています。

空位の王座を争って玉座に就いた王者も、この複数階級制覇の大安売り時代では当たり前。

どのタイトルが尊くて、どのタイトルが卑しいなんてことはありません。どのタイトルも怪しい妖気を放っているだけです。

那須川がどこまで行けるのか、全くわかりません。

しかし、欧米の縄張りから外れるジュニアフェザー以下なら簡単に獲れると思います。

わずか数戦のムエタイ方式で世界ランキング入り、穴王者や不可解な決定戦で田中恒成の最短記録を更新しても大きな驚きはありません。

「必ず世界チャンピオンになれると思います」。そこだけはWOWOWのアナウンサーに賛成です。