久しぶりに東京駅で地方のお客様をお迎え。

新幹線は結構混んでいたと聞き、来月に予定されている〝GO to 〟東京解禁では、かなりの人出が戻りそうです。
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といっても、今日はガラガラの東京駅前。以前と比べて人の数もそうですが、外国の方の姿が全く見られないのが特徴的です。 

さて、東京駅の赤煉瓦。1914年(大正3年)竣工の当時は、1909年創刊の英国ボクシングニューズ暦では〝紀元後〟ですが、リング誌(創刊1922年)暦ではまだ紀元前です。
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1945年の東京大空襲で甚大な被害を受け、当時のレンガは展示用に一部残されるのみ現在の美しい外観は、化粧レンガです。

それでも往時を偲ばせてくれるたたずまい、戦後に急ごしらえした昭和バージョンとは別格の荘厳さです。
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今日は屋根部分の飾りについて。

屋根は基本的に木の下地に0.4㎜厚の銅板をはぜ組みして葺いています(Copper roofing)。

残念ながら、地上から屋根はほとんど確認できず、Copper roofingを拝むことは叶いません。

地上から見える屋根、パラペットには、徳利のような装飾が並んでいるのがわかります。
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これは銅板に熱を加え、まなしながら打ち出し成型する「へら絞り」という現代の技術を応用して1914年の東京駅と同じパラペットの装飾を復原しているそうです。

銅製装飾によく見られる緑青塗装のような人工的なエイジングは行わず、銅板素地の仕上げとし、経年による自然な風合いの変化を図っているようです。

大正時代の建築物を現代に復原するのは、当然ながら相当なご苦労があったようです。

そして、創建時は木製であった窓枠もアルミサッシに。東京駅駅に内包された東京ステーションホテル客室の窓ガラスなどは遮音や断熱のため、二重にしているそうです。

この風格、高円寺の駅ホテルとはえらい違いじゃ。
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アルミの窓枠ということですが、見た目は柔らかい感じが出ていて木製と言われても「そうか」と納得しちゃいます。