new! フューリーvsワイルダーだけを見て体重差が全てと言い出すのは明らかな間違いです 
事実として、ワイルダーの対戦相手の中にはフューリーの体重を超えるボクサーも居た筈ですが、そういう重量級ボクサーもワイルダーは問題なくKOしています 

というか、現時点で既にクルーザー級が人気の無い隙間階級と化しているのに、更に間に階級を挟んでどうするのでしょう?グダグダになる未来しか見えません 

いや、そもそもヤードポンド法がウザったいですね・・・ 
クルーザー級を人間の境界、才能が無ければ越えられない壁と言われる100キロで区切れば良いんじゃないかと
 
2020-08-30 02:06:24 返信編集 暇つぶしの名無しさん 126.179.34.210

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このイラストで例えると、一番右側のヘビー級の巨大化がもはや許容範囲を超えているということ、それに反して超軽量級では意味のない階級細分化が進みすぎている。ーーそれが欧米の意見です。


「ヘビー級の大型化」は少なくとも1915年にジャック・ジョンソン(身長184㎝/リーチ188㎝/体重93.2㎏)がジェス・ウィラード(199㎝/211㎝/104.3㎏)に倒された頃から指摘されていました。

その後、ウィラードを粉砕したジャック・デンプシー(185㎝/189㎝/84.8㎏)や、50年代を席巻したロッキー・マルシアノ(179㎝/173㎝/83.5㎏)ら〝クルーザー級未満〟の世界王者が出現していますが、フロイド・パターソン(183㎝/180㎝/86.1㎏)がソニー・リストン(185㎝/213㎝/96.6㎏)にノックアウトされタイトルを奪われた1962年を最後に〝クルーザー級未満〟のまともな世界ヘビー級王者は、出現していません。

2003年のジョン・ルイス一点狙い1試合限定のロイ・ジョーンズJr.(87.5㎏)をまともな世界ヘビー級王者と考えるなら、2003年が最も最近となりますが…。

デオンティ・ワイルダー(201㎝/211㎝/99.3㎞)は2メートル超えの大巨人で、タイソン・フューリーとの再戦では104.8㎏で秤に乗りましたが、フューリー(273ポンド=123.8㎏)との差は甚大でした。

※スペックはいずれもタイトル奪取時。

「どんなに優れたライトヘビー級でもヘビー級王者にはなれない」。この有名なジンクスが破られるには、1985年にマイケル・スピンクスがラリー・ホームズを破るまで待たねばなりませんでした。

ヘビー級、すなわち無差別級は「17の階級で最も重い階級」ではなく「自分で自由に体重をデザインできる世界」という見方は確かにできます。
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アントニオ・マルガリート戦の前日計量で、秤に乗ったマニー・パッキャオ。151ポンドのキャッチウェイトでしたが、秤の針が示したのは144。154のジュニアミドル級から10ポンドも軽い目盛りでした。

ウェルター級のリミットも大きく下回る144ポンド=65.3㎏で、ジュニアミドル級154ポンド=65.9㎏のタイトルマッチで圧勝したマニー・パッキャオや、「140ポンドがベスト」と本人も自覚しながらウェルターやジュニアミドルでマネーを追求し続けたフロイド・メイウェザーは非ヘビー級でありながら「自分で自由に体重をデザインする」非凡なボクサーです。

しかし、彼らは変態で非常識な存在です。

階級制は、常識の枠組みの中から生まれたルールですから、当然常識的に考えるべきです。

190ポンド=86.2㎏で新設され、その後200ポンド=90.7㎏に引き上げられたクルーザー級は、ヘビー級の大型化に追いつけないサイズのボクサーが活躍する場所を創るという意味では、オリジナル8から水増しされた9つの「水増し階級」の中で最も納得出来るものでした。

そして、ヘビー級大型化の議論は今なお続き、WBCが「具体的に検討している」と公表した〝225〟ポンド級。

8月30日現在の競技人口を見てもクルーザー級は1211人、ヘビー級は1355人を数え、合計2566人。

105ポンドのストロー級(260人)からジュニアフライ(458人)、フライ(722人)、ジュニアバンタム(794人)、118ポンドのバンタム(1028人)の超軽量級は5階級にも細分化されているにもかかわらず3262人の競技人口にとどまっています。

「この5階級をフライとバンタムの2階級に集約すべき」「超軽量級でいたずらに3階級制覇や4階級制覇が続出している理由は明らか」という欧米ファンの意見に全面的に賛成は出来かねますが、その言い分は理解できます。

ワイルダーは世界王者になる前に352.5ポンド=159.9㎏のリチャード・グリーネJr.を、王者になってからも250ポンド=113.4㎏を超えるバーメイン・スティバーンやドミニク・ブルージールをKOしているから「ヘビー級とクルーザー級の間に体重問題は存在しない」というのは全く論点がずれた見方です。

また、競技人口こそクルーザー級はバンタム級の1.2倍に過ぎないとはいえ、選手報酬は5倍ではきかないでしょう。欧米での注目度という点でも比較になりません。

クルーザー級、200ポンド=90.7㎏は作れない「210=95.3㎏〜220ポンド=102㎏」で最高のパフォーマンスを発揮出来るボクサーの活躍の場を創る意味は、ボクサーの安全面を考えても十分にあります。

クルーザー級の誕生時と同様に「WBCの225ポンド構想」が、ESPNなど多くのメディアで肯定的な意見が多く見られることからも、他の水増し階級とは事情が違うことが窺えます。

「3ポンド=1.36㎏刻み(ジュニアフライ112〜フライ112は4ポンド差)の超軽量級で水増しクラスを廃級すべき」というのは、この5階級で偉大なボクサーが素晴らしいパフォーマンスを見せ続けていることを知らない欧米目線の意見とはいえ、日本のボクシングファンからしたら耳が痛い指摘です。

「17階級は多すぎる」というのは世界の共通意見でしょう。そして〝スーパークルーザー級〟の誕生で18階級に増殖することは、確かに「グダグダになる未来しか見えません 」

それなら、明らかに不条理に細分化された超軽量級5クラスを2階級に統合することで15階級に〝前進する〟という見方の方が、「スーパークルーザーなんて要らない」という拒否反応よりも理屈は揃っています。

承認団体が廃級を実施するわけがなく、WBCが〝スーパークルーザー級〟の新設を決定したなら、間違いなく他の団体も続き、18階級時代が幕を明けるでしょう。

当たり前ですが、現行17階級で唯一大型化するのがヘビー級ですから、ここを起点として「時代に合わせた新設階級を作るべき。問題は同級王座の乱立」という姿勢はWBCにしては真っ当です。

そして、遠くない将来、クルーザーとスーパークルーザー、ライトヘビーとクルーザーの間に横たわる全階級通じて最も大きな25ポンド=11.3㎏の溝を埋める「ジュニアスーパークルーザー級」や「スーパーライトヘビー級」の創設で、スライマン3世の時代にはめでたくキリの良い20階級時代を迎えているかもしれません。 

現在よりもさらにグダグダの未来がもうすぐやって来そうです。