米国東西海岸部の大都市でメガファイトを繰り広げるーー。
最近だとヘビー級のタイソン・フューリーやアンソニー・ジョシュア、デオンティ・ワイルダー。ウェルター級のマニー・パッキャオやエロール・スペンスJr.、マイキー・ガルシアらPPV興行で大きな数字を残しています。
もちろん、DAZNと超大型契約を結び「1000万ドル単位の報酬を稼ぐ」カネロ・アルバレスもメガファイトの主役です。
このメガファイトの舞台では、軽量級は完全に蚊帳の外です。歴史的にも軽量級ボクサーが1000万ドル以上を稼いだことは一度もありません。
しかし、バンタム級の井上尚弥が「パッキャオが見た風景」と憧憬するのは、おそらくこの舞台です。
彼は、そこに辿り着くには「最低でもフェザー」と口にもしています。
「最低でもフェザー」は、アントニオ・マルコ・バレラとの決戦でフェザー級にもかかわらずPPVイベントのリングにメインで上がり、軽量級史上最高の850万ドルの報酬を獲得したナジーム・ハメドを意識してのことでしょう。
ただ、現実的にはハメドですらPPVはこの1試合だけ、しかもイエメンやサウジアラビアがHBOに巨額の放映権料を支払った〝マッチポンプ〟でした。
ハメドがニューヨークとラスベガスの大会場のリングに上がったのは、たった2試合でした。
これをもって「最低でもフェザー」というには、あまりにも心細すぎます。
トップランクと業務提携するESPNに、ハメドのアラブマネーに匹敵する5000万ドルレベルの放映権料を支払えば、彼らはハメドのときのように喜んでプロモーショナルビデオを制作したり、全米宣伝ツアーも企画するでしょうが、いくら日本が富裕国といっても回収の見込みゼロで5000万ドル投資はありえません。
巨額の投資で成立したハメドというメガファイターですら、バレラという超ビッグネームとの対戦でやっとPPVと850万ドルを手に入れることができたのです。
しかも現状では、井上の周辺階級で名前のあるメキシカンはファン・フランシスコ・エストラーダかレイ・バルガス、エマヌエル・ナバレッテという絶望的なまでの貧弱さです。
「フェザー級はビッグネームが少なく報酬が低い」とレオ・サンタクルスやオスカル・バルガス、カール・フランプトン、アブネル・マレスがジャンプしたジュニアライト級ですら、歴史的にPPVスターと呼べるのはマニー・パッキャオとエリック・モラレスだけです。
そして、ライト級になってようやくワシル・ロマチェンコやテオフィモ・ロペスら、安定した100万ドルファイターが現れてきます。
ライト級では11月に予定されている「レオ・サンタクルスvsガーボンタ・デービス」(サンタクルスのジュニアライト級タイトルもステイク)がPPVで予定されていますが、これもゲート収入が期待できないコロナ下で集金する苦肉の策で、PPVデビューの彼らが大きな人気を持っているわけではありません。
「最低でもフェザー」は、奇跡的な巡り合わせでビッグネームと戦うチャンスをモノにするしかありえません。
それでも「とりあえずライト」とは言えるかもしれません。メガファイトの足がかりは「とりあえずライト、話はそれから」ということです。
とはいえ、ライト級の実力No.1と見られるロマチェンコでもラスベガスやニューヨークの大会場でメインを張ったのはマディソン・スクエア・ガーデンの1試合だけ(ホルヘ・リナレス戦)。それも、チケット販売が芳しくなく、中上階席を封鎖する有様でした。
ロマチェンコは他の試合でもMSGのシアターでメインを張っていますが、あそこは5000人キャパ。ここでの「大会場」の定義にはとてもあてはまりません。
ロマチェンコは「とりあえずのライト級」で「外国人」。
外国人がメガファイトを戦うには、ウェルター級に乗り込んで大暴れするしかありませんが、ロマチェンコは「ジュニアウェルターでも重すぎる。ジュニアライトに戻ることも考えている」ということですから「パッキャオの風景」を拝むことは一生ないでしょう。
27歳の井上にしても「バンタム級の完全統一」が最優先で、そのあとジュニアフェザー進出を見通している模様ですから「パッキャオの風景」を見るには、完全にタイムアウトです。
このまま、Many fight fans have never heard of Inoue.〜ESPN~米国のボクシングファンの多くは井上の名前も聞いたことがない、という状況のまま終わるのでしょう。
井上は、すでに米国で1試合戦っています。しかもHBOの全米生中継の番組枠で。
それでも、いまもって全く無名のままなのは「軽量級」の「外国人」という重い十字架を背負っているからに他なりません。
どこの国でも異邦人は人気面でハンデを背負います。そして米国の場合、軽量級への興味はありません。彼らにとって軽量級とは文字どおりライト級まで、それ以下は超軽量級の世界、興味関心の届きようのない暗い海の底です。
「外国人」であることは、今更どうすることもできません。
出来るとしたら「軽量級」の十字架を叩き捨てることしかありません。
そうです、憧れのパッキャオがやってのけたように。
最近だとヘビー級のタイソン・フューリーやアンソニー・ジョシュア、デオンティ・ワイルダー。ウェルター級のマニー・パッキャオやエロール・スペンスJr.、マイキー・ガルシアらPPV興行で大きな数字を残しています。
もちろん、DAZNと超大型契約を結び「1000万ドル単位の報酬を稼ぐ」カネロ・アルバレスもメガファイトの主役です。
このメガファイトの舞台では、軽量級は完全に蚊帳の外です。歴史的にも軽量級ボクサーが1000万ドル以上を稼いだことは一度もありません。
しかし、バンタム級の井上尚弥が「パッキャオが見た風景」と憧憬するのは、おそらくこの舞台です。
彼は、そこに辿り着くには「最低でもフェザー」と口にもしています。
「最低でもフェザー」は、アントニオ・マルコ・バレラとの決戦でフェザー級にもかかわらずPPVイベントのリングにメインで上がり、軽量級史上最高の850万ドルの報酬を獲得したナジーム・ハメドを意識してのことでしょう。
ただ、現実的にはハメドですらPPVはこの1試合だけ、しかもイエメンやサウジアラビアがHBOに巨額の放映権料を支払った〝マッチポンプ〟でした。
ハメドがニューヨークとラスベガスの大会場のリングに上がったのは、たった2試合でした。
これをもって「最低でもフェザー」というには、あまりにも心細すぎます。
トップランクと業務提携するESPNに、ハメドのアラブマネーに匹敵する5000万ドルレベルの放映権料を支払えば、彼らはハメドのときのように喜んでプロモーショナルビデオを制作したり、全米宣伝ツアーも企画するでしょうが、いくら日本が富裕国といっても回収の見込みゼロで5000万ドル投資はありえません。
巨額の投資で成立したハメドというメガファイターですら、バレラという超ビッグネームとの対戦でやっとPPVと850万ドルを手に入れることができたのです。
しかも現状では、井上の周辺階級で名前のあるメキシカンはファン・フランシスコ・エストラーダかレイ・バルガス、エマヌエル・ナバレッテという絶望的なまでの貧弱さです。
「フェザー級はビッグネームが少なく報酬が低い」とレオ・サンタクルスやオスカル・バルガス、カール・フランプトン、アブネル・マレスがジャンプしたジュニアライト級ですら、歴史的にPPVスターと呼べるのはマニー・パッキャオとエリック・モラレスだけです。
そして、ライト級になってようやくワシル・ロマチェンコやテオフィモ・ロペスら、安定した100万ドルファイターが現れてきます。
ライト級では11月に予定されている「レオ・サンタクルスvsガーボンタ・デービス」(サンタクルスのジュニアライト級タイトルもステイク)がPPVで予定されていますが、これもゲート収入が期待できないコロナ下で集金する苦肉の策で、PPVデビューの彼らが大きな人気を持っているわけではありません。
「最低でもフェザー」は、奇跡的な巡り合わせでビッグネームと戦うチャンスをモノにするしかありえません。
それでも「とりあえずライト」とは言えるかもしれません。メガファイトの足がかりは「とりあえずライト、話はそれから」ということです。
とはいえ、ライト級の実力No.1と見られるロマチェンコでもラスベガスやニューヨークの大会場でメインを張ったのはマディソン・スクエア・ガーデンの1試合だけ(ホルヘ・リナレス戦)。それも、チケット販売が芳しくなく、中上階席を封鎖する有様でした。
ロマチェンコは他の試合でもMSGのシアターでメインを張っていますが、あそこは5000人キャパ。ここでの「大会場」の定義にはとてもあてはまりません。
ロマチェンコは「とりあえずのライト級」で「外国人」。
外国人がメガファイトを戦うには、ウェルター級に乗り込んで大暴れするしかありませんが、ロマチェンコは「ジュニアウェルターでも重すぎる。ジュニアライトに戻ることも考えている」ということですから「パッキャオの風景」を拝むことは一生ないでしょう。
27歳の井上にしても「バンタム級の完全統一」が最優先で、そのあとジュニアフェザー進出を見通している模様ですから「パッキャオの風景」を見るには、完全にタイムアウトです。
このまま、Many fight fans have never heard of Inoue.〜ESPN~米国のボクシングファンの多くは井上の名前も聞いたことがない、という状況のまま終わるのでしょう。
井上は、すでに米国で1試合戦っています。しかもHBOの全米生中継の番組枠で。
それでも、いまもって全く無名のままなのは「軽量級」の「外国人」という重い十字架を背負っているからに他なりません。
どこの国でも異邦人は人気面でハンデを背負います。そして米国の場合、軽量級への興味はありません。彼らにとって軽量級とは文字どおりライト級まで、それ以下は超軽量級の世界、興味関心の届きようのない暗い海の底です。
「外国人」であることは、今更どうすることもできません。
出来るとしたら「軽量級」の十字架を叩き捨てることしかありません。
そうです、憧れのパッキャオがやってのけたように。
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