カネロ・アルバレスの顧問弁護士グレッグ・スミスは「DAZNとの交渉がまとまらなければ9月12日の試合は流れる」と明言しました。

ESPNがつかんだ複数の情報筋によると「DAZNは(カラム・スミスと大筋合意している)次戦に大幅な報酬カットをカネロに申し出ているが、色良い返事は得ていない」ということです。

スミスは「カネロは9月12日に向けて順調に練習を消化している。もし、彼だけの問題なら今すぐ対戦相手を発表できるが、我々だけではコントロールできない問題が発生している。カネロは自分がコントロールできることに集中して、試合に向けて完璧な準備を進めているが…」と、DAZNが受け入れがたい報酬カットを提示していると示唆しています。
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I am aware of no other sticking points.

「カネロ陣営はDAZNが約束した義務を履行することだけを待っている。顧問弁護士の私が把握している障害は、それ以外にない」。

ESPNはDAZNに質問をメールしたそうですが、7月25日現在で何の回答もないそうです。

「カネロとゴールデンボーイ・プロモーションズは9月12日のメキシコ独立記念日での試合に向けて着々と準備を整えている。DAZNは契約書に書いてある内容・義務をしっかり果たして、世界中のボクシングファンに世界一の人気選手の試合を配信することを名誉と思わなければならない」。

このパンデミックに直撃されて、DAZNの米国戦略は大きな変転を強いられています。

その一方で、独ブンデスリーガの放映権を40億ドルで買収するなど、黒字のコンテンツには莫大な投資を続けており、投資家も「サッカーに使うなら」と資金提供しているのは間違いありません。

しかし、スミスからしたら「コロナの影響で財政的余裕がないから報酬カット」というのは、簡単に飲み込めないでしょう。

DAZNのボクシングビジネスは、欧州目線での取り組みがことごとく裏目に出て、踏んだり蹴ったり。

2018年にカネロと11戦3億6500万ドルの当時のアスリート史上最高額で契約を締結したDAZNは「米国マーケットでの成功を約束してくれる」と発表しましたが…。

2月から米国でボクシングを配信していなかったDAZNは、7月24日にようやくカリフォルニア州インディオで再開(バージル・オルティスvsサミュエル・バルガス他)。8月28日にも同所でホルヘ・リナレスとハビエル・フォルトゥナの12回戦を配信する予定ですが、決まっているのはそこまで。

ネットストリームのライバル、ESPNの記事とはいえ「いまやDAZNに加入するボクシングファンはいない」というのも、あながち的外れではありません。

一方でDAZNは「ゲンナディ・ゴロフキンとのスクエアな条件での第3戦」をずっと計画していましたが、カネロ陣営とGBPは卑劣な下拵えで相手を弱らせるAサイドの手法に固執、セルゲイ・コバレフ戦を選ぶなど、両者の溝は深まっています。

DAZNからしたら「卑怯な手を使わずに、ボクシングファンが目を向けるちゃんとした試合をしましょう」ということなんでしょうが、それだとことごとく苦戦・凡戦、商品価値が落ちるリスクがあります。

いずれにしてもDAZNは、ボクシングという「素人が手を出したら痛い目にあうだけ」(ボブ・アラム)という禁断の果実を口にしてしまいました。

私の場合は単純に時代に追いついていないだけですが、  DAZNってもう一つ好きになれないというか…なんて言いつつも他のスポーツも充実しているので、ずっと加入してますが、割高な気はしています。

HBOのときの衝撃と悼みとは比較になりませんが、DAZNも撤退してしまうとボクシングファンとしてはやはり悲しい。

DAZNもがんばれ、カネロは早く惨敗しろ、デラホーヤは復帰を考え直せ。この3本柱で話はまだまだ続きます。