遅配気味だった英国ボクシングニューズ誌がようやく元のペースで届けられた一方で、リング誌7月号の到着が遅れていました。

さらに、ウチにはアベノマスクも届いていませんでした。

東京在住の友人知人らから「届いた」という声を随分前に聞いていましたが、ようやく今日届きました。
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気になるかもしれませんが、リング誌とマスクを乗せてるのはサイとカバの背中です。このブログでは初登場です。

3月にこのパンデミックで米国に帰ることになってしまった私の会社にインターン的に働いてくれていた女子大生が、その後連絡を取り合う中で「アベノマスクが欲しい」とリクエストされていたのです。

家族も「いらん、いらん。フォーチュンに送ってあげて」と快諾してくれてたのですが、肝心のマスクがなかなか届きませんでした。

やっと届いてホッとしています。サイがマスクをくわえた写真撮って送ったら喜んでくれました。

さて、リング誌に試合結果・分析が全く載らないことにも慣れてしまった7月号。
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「各階級ランキング」では、井上尚弥とファン・フランシスコ・エストラーダを並んで紹介。

ジュニアライト級以下の8階級で、リング誌王者はこの2人とジュニアフライ級の京口紘人の3人だけです。

そして、世界の情報を集めた「WORLD BEAT」の日本コーナーでは宮田有理子が、このパンデミックで日本のボクシング界も危機的状況に陥っていることに加えて、志村けんの悲報を伝えました。

彼女のセンス、バランス感覚は素晴らしいです。
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そして「ジョンリール・カシメロやジェルウィン・アンカハスらチャンピオンも他のボクサーと(収入を絶たれた)状況は同じだ」とヘッドラインされたフィリピンコーナー。

「ボクシングビジネスが完全に停止した中で、プロモーターやマネージャーはなんとか選手やスタッフに生活費を補填している」「マグロの缶詰事業も手がけているソンマン・プロモーションズのジム・クラウデ・マナグクイル代表などは私費でサポートしている」と懸命に選手・スタッフを繋ぎ止めているそうです。

この窮状に、フィリピン関係省庁は1000人以上のボクサーや総合格闘家、そのトレーナーらに対して月5000〜8000ペソ(約1万円〜1万6000万円)を2ヶ月間〝休業補償〟しました。

しかし、フィリピンの10回戦ボクサーの平均報酬は2万ペソ(約4万円)で、生活レベルを維持できる保障にはなっていません。

ジェルウィン・アンカハスのマネージャー、ヤヴェン・ジメネスは「それでも補助はありがたい。ボクサーには扶養家族もいる、何も補償しなければ一家で路頭に迷うしかない」と公的な補助を歓迎しています。

IBFジュニアバンタム級王座の9度目の防衛戦(4月11日:ジョナサン・ロドリゲス戦)が無期限延期になったアンカハスは、野菜栽培・養鶏・養豚を手掛ける自身の所有する農園で働いているそうです。

IBFストロー級王者ペドロ・タドランも故郷の稲作の仕事に精を出し、朝5時起きのハードな田植えを続けています。「子供の頃からやってたことだけどキツイね。練習のほうが楽かも」と笑いますが、ボクシングのトレーニングは全く出来ていないそうです。

それでも、合間を見つけてはジョギングしているタドランは「WBA王者ノックアウトCPフレッシュマートとの統一戦がしたい」と前を向いています。

マナグクイルは「ゲート収入の依存度が高いボクシングで無観客は辛い。それでも、何もしないよりはずっとマシ。選手の報酬が少なくなるのは本当に申し訳ないが、今は我慢して欲しい」と泣きます。

「ライブの入場者を入れるときには、以前よりも多くのファンが詰めかけてくれるはずだ。今はファンの姿も見えない、声も聞こえないかもしれないが、彼らは必ず待ってくれている。彼らのためにトレーニングして準備するのが私たちの義務だ」。

当たり前ですが、日本も苦しいけど、貧しい国はもっと苦しい…。

フィリピンもがんばれーー!