フォーブス電子版が日本時間24日、大坂なおみの年収が女子スポーツ史上最高となる3740万ドル(約40億円)に達したと発表しました。

Osaka’s record $37.4 million in earnings surpasses Serena Williams, who, with $36 million in earnings, previously held the title as the world’s highest-earning female athlete.

日本人が世界アスリート長者番付で、トップに立つのは男女通じて史上初の快挙です。

大坂、半端ねぇーッ!!!
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大坂なおみ、セリーナをかわして史上最高(報酬)の女子アスリートに!過去10年の女子最高はシャラポワとセリーナが分け合ってきました。そして大坂登場、新時代の幕開けです!

2位のセリーナ・ウィリアムズは3600万ドル。従来の最高年収額は、2015年にマリア・シャラポワの2970万ドルで、大坂は5年ぶりに女子最高記録を更新しました。

大坂は昨年、ナイキとの大型契約で1000万ドル以上を獲得、日本代表として出場を予定していた東京五輪に関連し、P&Gや全日空、日産自動車などの企業と大型のスポンサー契約を締結していました。

フォーブスが毎年発表する男子も含めた「世界で最も稼ぐスポーツ選手」ランキングでは、ウィリアムズが過去4年連続で女子1位。

そして〝男女総合〟では大坂が29位、ウィリアムズが33位でした。

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She has achieved endorsement stardom.(大坂はスポンサー女王だ)。

フォーブスの記事は「巨大市場を抱える日本では世界的にメジャーなスポーツ分野で活躍するアスリートが出現すると、考えられないほど高い評価と人気を得る。あっという間に有力企業がスポンサーに名乗りを挙げるのだ。男子では野球やサッカー、テニスでそれが証明されてきた」としていますが、嫌味ではありません。

テニスは、もともとがスポンサー収入が多いスポーツです。

大坂については「チャーミングな性格と金メダルが有力視される東京五輪なども背景に、世界で最も市場性のある女子アスリートになった」とも。 

ただ、大坂の現在の世界ランキングは10位。「史上最高報酬」 が実力ではなく、ジャパンマネーがバックにあることは明らかです。
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このジャパンマネー効果は、男子の錦織圭にはもっと色濃くにじみ出ています。 

もちろん、プロスポーツである限り実力よりも人気が報酬に反映されるのは当たり前です。

人気、すなわち生まれた国の豊かさです。全く理不尽な話ですが、テニス界で最も報酬が大きいのはノバク・ジョコビッチであるべきですが、現実は違います。

実力評価なら9番目の大阪なおみが、2位に140万ドルもの差をつけて史上最高額の報酬を獲得するーーそれが現実の世界です。

また、ナイキが純粋な実力ではなく、その選手の市場性を冷静に分析して超大型契約を結ぶのも今に始まったことではありません。

実際に、大坂だけでなく中国の李娜とも大きな契約を交わしています。
李娜との契約に何を期待しているのかは誰の目にも明らかです。

ボクシングでも村田諒太が巨額の報酬を得ているのは「世界的にメジャーなスポーツ分野で活躍するアスリートが出現すると、考えられないほど高い評価を得る」という日本市場の性格からです。

単純な実力評価では井上尚弥や山中慎介、内山高志らPFPファイターの方が上です。しかし、軽量級をリスペクトしている日本でも「ミドル級は次元が全く違うクラス」ということをよく理解しているのです。

大坂なおみが途轍も無い素質と、すでに素晴らしい実績を持つトップアスリートであることは間違いありません。

しかし、ランキング10位で「世界史上最も稼ぐ女子アスリート」では、世界のテニスファンから辛辣なコメントを集めてしまうのも仕方がありません。

もう1回、世界1位を獲って、女王の座を何年もキープして外野のうるさい声を黙らせましょう。

まだ22歳、あと何回グランドスラムを達成できるでしょうか。

大坂は自身が更新したこの「女子記録」をこれからも塗り替えていくはずです。

近い将来、私たちに「こんな金額、安すぎる。もっともらっていい」と思わせてくれるはずです。