最近、気になったこと。



「新型コロナウイルスの感染が1日も早く終息しますように」。同じ音で収束という漢字が当てられるケースもよく目にします。

これはほぼ、同じ意味ですが「終息」は〝わる〟といニュアンスが強く、今回の新型コロナ問題で「収束」と使い分けるとしたら、最段階の「完全制圧」に当てはまります。

一方、「収束」は「最終段階(完全制圧)ではないが、それに向かってめてねて落ち着かせる状態」です。

「終息」と「収束」。意味はほとんど同じですが、使用するケースによっては、表しているのは「段階」です。

このブログで「終息」を主に使っているのは、その段階を強調したいからです。

なんて、固い話(堅い?硬い?)は置いておいて…と書いたところで「かたい」話の「かたい」はどの漢字が適切かこれは難しい。「正解を一つだけ選べ」というなら悪問ですが「使い分けて説明しなさい」なら良い問題です。
20191114

◉井上尚弥とノニト・ドネアの一戦。モハメド・アリ杯は賭けられたのか?それとも、懸けられたのか

英語だとstakeの一言で済む話ですが、さすが日本語は奥が深い。26文字しかない貧弱な毛唐言葉とは次元が違うのである!

前者の方が失うものが大きいという解釈で、ビッグファイトではプライドを「賭ける」を使い、ダイアモンドベルトのような意味不明のタイトルは「懸ける」でしょうか。

 

◉パンチは打つのか?それとも撃つのか?

これはどちらでも構いませんが「終息」「収束」と同じ〝段階〟として捉えることも出来ます。

「激しい打ち合い」「打たれたら打ち返せ」。「フィニッシュブローを撃った」。試合を決定づける一は文字どおり撃つですが、ジャブは撃ちません、ジャブは打つか突くか差すか、です。

もちろん、ミゲール・コットのような絶妙のタイミングで放たれる鋭利なジャブは、カウンターになってダウンを奪うこともありますから、ジャブでも例外的に撃つことがあります。



◉「かたい」話と同様に難問です。パンチは効くのか、利くのか?

多く使われるのは「効く」ですが使い分けもありかもしれません。「ロドリゲス、効いてますよ」。「右で利かせたいところです」。


◉ビクトル・ラバナレスの猛攻で、辰吉丈一郎のが止まったのか?それともが止まったのか?

国語辞典的には「足」は「足首から下の部分」で「脚」は「胴体から下の部分」です。しかし、その解釈だと「を組んで座る」なんてことは不可能になってしまいます。

の裏」はあっても「の裏」はありませんし、美しいラインは「」であっても「」はありません。ただ、辰吉が止まったのは「」でも「」でもどちらでもOKです。



◉浜田剛史は拳を傷めたのか?それとも痛めたのか?

これもどちらでも良い例ですが、無難なのは前者です。



◉ 承認団体の腐敗がボクシング界に落としているのはどちらでしょうか?
「人影」と「人陰」なら前者が(ほぼ)正解。「木影」はありませんが「木陰」はあります。

この例題の答えは難しいです。「どちらか答えを出せ」なら悪い問題ですが「のそれぞれが正しいとして二つを説明しなさい」なら良問です。


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◉計量では体重計るのか?測るのか?それとも量るのか?

計量」というくらいうですから「計る」と「量る」の二つが正解に思えます。

しかし「測る」は不正解なのか?となると…。これは正解の順位の問題です。「計る」「量る」が同点1位正解、「測る」は2位正解。

「身体定」では体重を測りますが、ここも「計る」か「量る」の方がしっくりきます。

「測る」は距離や温度、深さ、血圧、体脂肪率などから、相手の真意までを測ることは出来ますが、重さは少し違うんですね。



◉さいたまスーパーアリーナを埋め尽くした2万2000人の大観衆は沸き立ったのか?それとも湧き立ったのか

正解は「沸き立った」です。

マニー・パッキャオは勇気を湧かせますが、勇気は沸かせません。

温度が高まって沸くのです。秘めていたものを吹き出すのが湧くです。

「マグマは超高温だけど湧くぞ」なんて言ってはいけません。マグマは元から温度が高いのです。水は騰してお湯になりますが、温泉のお湯はきます。



、ワシル・ロマチェンコはどちらを駆使するのか?

ハイテクは高等術ですから、を駆使します。しかし、ロマチェンコの身のこなしは神です。

キレがあるを磨くことはあっても、人間とは思えないのは技ではなくです。至難のはありますが、至難のはありません。