2015年から崩壊した月刊体制でしたが、実業家ステファン・フリードマン氏の出資で2月は欠号したものの、6月号と10月号は発行、2018年は11回発行となりました。

2018年はカネロ・アルバレスとゲンナディ・ゴロフキンの再戦が5月5日に一旦はセットされたものの、カネロの検体からグテンブレロールが陽性反応を示し、試合は破談。

リング誌6月号は「ROUND13」と世紀の再戦を特集する予定で表紙まで決定していましたが、もちろんこのカバーも取り下げ↓。
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急遽の〝代打〟カバーはロマチェンコvsホルヘ・リナレスのライト級のリング誌+2団体統一戦に。

この試合は「人気階級と言えるかどうか微妙なラインのライト級」「北米から見て外国人対決」でしたが、5月12日にマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)のスポーツアリーナで開催されました。

トップランクとゴールデンボーイ・プロモーションズの「挑戦的な実験」でしたが、2万人収容のアリーナ上階席は白いカーテンが下ろされて封鎖、1万429人の動員にとどまり、ESPNの生中継も伸び悩みました。

世界評価が高いロマチェンコですが、人気面では落第点しか挙げられず、次戦からは5000人キャパのMSGのシアターなど、中有規模会場に〝格下げ〟。

ESPNの解説は「ロマチェンコは人気の高いウェルター級はおろかジュニアウェルター級への進出も逡巡している。ボクサーの生き方は十人十色、本人の自由だが、ロマとマニー・パッキャオを重ねていた私は間違っていた」とレベルの高い激戦区への進出を避けるウクライナ人の発言に失望をあらわにしました。

歴史的にはリカルド・ロペス、現在ならロマに井上尚弥もそうですがボクサーとしてどこに価値観を見い出すかは自由です。

ただ、不人気階級に留まるという選択は理解を得られにくいのは仕方がありません。
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1月号:ついにこれが読み納めとなった「BEST FIGHTERS IN THE WORLD100」からカネロ、ゴロフキン、テレンス・クロフォード、ロマ、ギレルモ・リゴンドーの上位選手が集合。

2月は欠号。3月号:PFPトップに就いたゴロフキンを中心に、過去の代表的なPFPキングが集合。

4月号:前年のFighter of The Year ワシル・ロマチェンコ。

5月号:ヘビー級特集。アンソニー・ジョシュア、デオンティ・ワイルダー、ジョセフ・パーカーのアルファベット王者にLineal Championのタイソン・フューリーの四天王。

この5月号から98ページから64ページへ、さらにページ数が削られてしまいます。単価は8ドル95セントから6ドル95セントに。月刊崩壊の年と同様に、定期購読の差額分が返金されました。

また「廃刊」の不安に苛まれそうになりましたが、ページ減とはいえ、月刊復活を宣言してくれていたので最悪の事態(廃刊)はないと思うようにつとめました。

ただ、64ページとなると手に取っても明らかに薄くて頼りなく、もはや約50ページの週刊ボクシングニューズ(BN)誌と変わりません。

ここまで薄くなると背表紙の無理やり感がみっともなく、BN誌のように潔く中綴じにした方がいいと感じていました。

3年ぶりに復活の6月号:〝代打〟カバーのリナレスvsロマ。7月号:ワイルダーとジョシュアのイラスト。8月号:マニー・パッキャオ。9月号:シュガー・レイ・レナードvsフロイド・メイウェザーの仮想対決。

3年ぶりに復活の10月号:カネロ・アルバレスとゴロフキン。小窓にバーナード・ホプキンス。11月号:エディ・ハーン。12月号:カネロvsゴロフキン特集。

2018年は11回発行。幻の6月号表紙も数えると、表紙は12揃いました。

この年のカバーから、カネロがボクシング界の中心になったことが鮮やかに読み取ることができます。

そして、いよいよ2019年。リング誌はさらに冒険的な表紙を作ります。