家にいる時間が長くなって、あちこち整理しています。

特に雑誌も含めた書籍関係は、断捨離の重点項目。

しかし、パラパラ読み始めると、読書タイムにどっぷり浸かって何も整理整頓されずに午前様、なんてことが頻発しています。

「この機会に断捨離」なんて思い立っても、これまでの人生でその機会がなかったわけではありません。

今まで全く出来ていない整理整頓が急にできるわけもなく、今週は吉川英治の「宮本武蔵」と「三国志」を一気に読み返す1週間となりました。

そんな合間にも、いろんな本や雑誌を読み返していましたが、ボクシング関係で目に止まったのは読者からの意見を掲載したページです。

当時の〝世論〟みたいなのが、雑誌記事よりも鮮明に浮かび上がっていて非常に興味深いのです。

今夜、ご紹介するのは40年前、1980年のボクシングマガジン8月号の「読者のリング Readers corner」で「残念な具志堅用高の国民栄誉賞見送り」です。
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雨のモントリオール、五輪スタジアムで行われたメガファイトから届いたのは「シュガー・レイ・レナード敗れる!」「敗者でもモハメド・アリを凌ぐ史上最高報酬17億円!」というビッグニュースでした。

ちなみに、ボクマガでは現在も「読者のリング」のタイトルのまま、超長寿コーナーです(サブタイトルは「For Readers」ですが)。 

内容は、具志堅の国民栄誉賞見送りについて政府が「ボクシングは国民の支持が薄く、特に青少年の支持が希薄」とその理由を発表したことについての読者投稿です。

「確かに王貞治と比べたら具志堅はスポーツマン二番手かもしれないが、二人目の受賞者である古賀政男は国民と青少年の支持が厚かったとでもいうのだろうか?」と至極真っ当な意見が展開されています。

そして「具志堅内定のニュースを聞いたときは、これがボクシング復活のきっかけになると期待したのに」という声も。

ここから読み取れるのは、①当時も今も政府は行き当たりばったりの低脳 、②40年前でもボクシングは落ち目でファンは危機を感じていた、という二点です。

まー、国民栄誉賞なんて政府の人気取り策の典型ですからね。そもそも賞なんて、ノーベル賞でも人が決めるいやらしいもので「スタンドに放り込めば本塁打」「世界王者に勝てば世界王者」というわかりやすい世界じゃありません。 

その意味ではイチローやボブ・ディランは最高に格好良いです。 ディランは結局もらっちゃったのはいただけませんでしたが。