スポーツにおける過大評価と過小評価は、なぜ引き起こされるのでしょうか?

これはスポーツに限らず、どんな世界でも起きている事象です。

入社にまつわる裏口入学、就職でもコネ入社、芸能界や政界では七光が眩し過ぎて目も開けてられません。

スポーツで起きる過大評価と過小評価の原因も、これらと同根のバイアスによって引き起こされています。

白鵬が日本人だったなら、歴代PFPキングと祭られ、物議を醸す言動にはもっと多くの共感が集まっていたかもしれません。

稀勢の里がモンゴル人だったなら、あれほどの人気を博すわけがなく、今では多くの人がその名前を忘れているでしょう。

落合博満やイチローが甲子園の大ヒーローからドラ1なら、はるかに多くのチャンスが与えられ、もっと早くスターダムに駆け上がっていたかもしれません。

そして、人々が落合とイチローを見る目にはもっと親しみが込められ、応援のボリュームも現実より大きくなっていただろうことは想像に難くありません。
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甲子園で大活躍するかどうか?それは、プロでの人気や報酬を決める内申書です。斎藤佑樹などは、本来なら何年も前に戦力外のはずですが、内申点で残留し続けています。

もちろん、ビッグイフは妄想に過ぎません。

稀勢の里がモンゴル人なら、もっと頑健な心身を築き上げて、今も土俵に君臨していたかもしれません。

落合やイチローがドラ1なら、管理の果てに反骨と矜持の牙を抜かれて凡庸なプレイヤーで終わっていたかもしれません。

桑田真澄と山本昌のパラドクスは、甲子園と、まだ残り香のあるジャイアンツのバイアスによって引き起こされた典型的な事象です。

通算173勝、最優秀防御率2回の桑田に対して、山本昌は219勝、最多勝3回・最優秀防御率1回と実績的には明らかに山本昌が上ですが、両者のネームバリューには巨大な格差が生じています。

もし、2人の高校時代と入団チームが入れ替わっていたなら〝マット〟はこの世に存在していませんでした。

私たちは、歪んだプリズムを通してでしか物事を見ることが出来ません。

この忌々しいプリズムをぶっ壊して、過小評価されたグレートの実態に迫ります。

第一弾はファン・マヌエル・マルケス。

エリック・モラレスとアントニオ・マルコ・バレラという一早く世界で名声を轟かせたライバルの後塵を拝した反骨のカウンターパンチャー。

メキシコやフィリピンでビールのCMスポンサーが付くライバルたちを「俺もビールを飲むのにオファーが来ない」と妬んだひねくれ者。

オファーが来ないのは、飲尿健康法を実践する動画をアップしたことが、ビール会社の拒否反応を招いたとも考えられます。

「マルケスをCMに起用したらビールに見えない!」ということです。

もちろん、飲尿健康法をしていなくてもオファーが来なかった可能性大ですが…。

欺瞞のプリズムを外したとき、メキシコのダイナマイトはどう見えるのか?

…続きます。