現在のミドル級シーンはどうなっておるのか?!

リング誌とESPNのランキングを見ると…。

【リング誌】王者:カネロ・アルバレス ①ゲンナディ・ゴロフキン ②デメトリアス・アンドラーデ ③ジャーモル・チャーロ ④セルゲイ・デレビャンチェンコ ⑤村田諒太 ⑥カミル・シェルメタ ⑦クリス・ユーバンクJr. ⑧マチェイ・スレッキ ⑨ロブ・ブラント ⑩リーアム・ウィリアムス

※リング誌はチャンピオン制度を採用しているので王者も含めて11人。

【ESPN】①カネロ・アルバレス ②ゲンナディ・ゴロフキン ③デメトリアス・アンドラーデ ④ジャーモル・チャーロ ⑤セルゲイ・デレビャンチェンコ ⑥村田諒太 ⑦ロブ・ブラント ⑧クリス・ユーバンクJr. ⑨マット・コロボフ ⑩ハイメ・ムングイア
IMG_3874
2大メディアのランキングは村田を6位とするトップ6までが完全一致。

それ以下ではブラントとユーバンクJr.が共通してランクインしているものの、順位は食い違っています。

またリング誌はスレッキとウィリアムス、ESPNはコロボフとムングイアを10位内に数えており、ここでも相違が見られます。

リング誌とESPNのセレクトから漏れてしまった強豪となると、エスキバ・ファルカンくらいで、そのファルカンも人気が上がらず、対戦相手のあまりの低さとトップ戦線に乗り出せないジレンマに悩んでいます。

リング誌とESPNでともにミドル級6番目評価の村田ですが、上位評価の選手と戦うとなるとデレビャンチェンコ以外は不利のオッズが立つでしょう。

では、下克上を起こされるとしたら?明らかに不利のオッズが立つ相手は下位に見当たりません。無敗のムングイアの評価が高いものの、ゲイリー・オサリバン戦を見るとミドル級へのアジャストは時間がかかりそう。

昨年も井上岳史を仕留めることが出来ず、デニス・ホーガンを持て余し、今年はオサリバンに押されたムングイアは現時点ではメキシカンの恩恵に浴した過大評価の23歳です。



前回で取り上げさせていただいた「ななし」さんの〝4軍構想〟は3つのリーグにカネロ、ゴロフキン、チャーロ兄、アンドラーテ、デレビャンチェンコ、ユーバンクジュニア、コロボフのわずか7人がまたがる考え方が誤解を生むのであって、実態はリング誌やESPNと大きな齟齬はありません。
 
つまり、どう自虐的に見ても、現在の村田の実力がミドル級トップ10からこぼれることはないでしょう。

もちろん、カネロと戦うとなると不利予想は免れませんが、そもそもカネロと五分の評価を受けているなら、ボクシングファンもここまで大騒ぎはしません。

ラグビーでいうとスーパーラグビーにおけるサンウルブスみたいなもんですが、村田の場合はカネとヒトのかけ方が半端ないです。

カネロも同じプロテクトされまくりのキャリアを歩んでいます。

ただ、村田の場合はプロで世界王者になるよりも遥かに難関の五輪で優勝しているわけですから、カネロが享受している脈絡のないプロテクトとは色彩が違います。