ラップアップです!

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◉MGMグランドガーデンアリーナのシートはソールドアウト、1万5816人が詰めかけました。


◉ゲート収入は1700万ドル(約19億円)を超え、ネバダ州で開催されたヘビー級の記録を更新(「ヘビー級」の但し書きが付いてしまうのが悲しいところですが…)。


◉シュガー・ヒルは対戦が決まるや、フューリーに増量とフリッカージャブを起点にしたパワーボクシングを指示。極めて早い段階で試合展開をグランドデザインしていました。


◉試合終了は7ラウンド1分39秒。ケニー・ベイレスは大きな目をまん丸い見開き、ワイルダーの表情を凝視するだけでなく、コーナーも見ながら無言でタオル投入のサインを送る最高のレフェリングを見せました。


◉もし、ベイレスがワイルダーだけを見ていたら、ブリーランドがタオルを投げるのが遅れたでしょう。いいえ、それ以前の問題として、タオルを投げてもすぐに気づくことが出来なかったはずです。

ベイレスは好きなレフではありませんでしたが、今日は本当に素晴らしかった!


◉そして、共同トレーナーのジェイズ・ディースの反対に、耳も貸さずタオルを投げたマーク・ブリーランドも素晴らしかった!

「トレーナーの最も大切な仕事は選手を勝たせることではない。選手を守ることだ」。エマニュエル・スュチュワードの教えが骨まで叩き込まれていたのです。


◉6ラウンドまでの採点はデイブ・モレッティとスティーブ・ウェスフェルドが59−52で全てのラウンドでフューリー(60−52でないのは減点1のため)。もう1人のグレン・フェルドマンは58−53、第2ラウンドをワイルダーに与えました。

リング誌とESPNは59−52。私のフシ穴スコアは58−53。
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◉自己顕示欲の塊に見えるフューリーが最初に口にしたのは対戦相手のことでした。

「ワイルダーはチャンピオンだ。何発も最高のパンチをお見舞いしたが、ものすごい根性で立ち上がってきた。私が戦っているのが本物の戦士であることが嬉しくて、誇りだった。やつは必ずまたチャンピオンになるだろう」。


◉ストップされた瞬間はベイレスに殴りかからんばかりに怒り心頭だったワイルダーは、ブリーランドから諭されるとブリーランドに「ありがとう」と感謝すると、ベイレスにも同じ言葉をかけました。

そして「今夜は強い奴が勝った。何の言い訳もない。フューリーに負けたんだ、恥ずかしいことじゃない。そして私はこの敗北でもっと強くなって戻って来る」と潔く結果を受け入れました。


◉ワイルダーは耳からの出血が止まらず、すぐに縫合手術のために病院に急行しなければなりませんでしたが、VADAの検査員に尿サンプルの提出を求められ足止めされてしまいます。

しかし、ワイルダーは「なかなか(尿が)出なくて待たせてすまないね」と検査員を労い、文句の一つも言いませんでした。


◉フューリーはパッツィー・クラインの「クレイジー」をバックに神輿の上の玉座に乗って登場。

ドン・マクリーンの懐メロ「アメリカンパイ」(というよりマドンナがカバーした曲と言った方が通りが良いでしょうか)を歌いながらリングを去りました。

生粋のエンターテイナーです。アメリカへのサービスを徹頭徹尾、貫いてみせました。


◉しかし、リングで歌ったアカペラは3箇所で音程を外してしまったのを、私は見逃していません。今日のジプシーキングは、3つだけミスを犯したのです。


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両者の入場が長すぎて、最初はどうなることかと思いましたが、素晴らしい試合でした。