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現在のボクシングシーンの中心は、カネロ・アルバレスです。

マニー・パッキャオやフロイド・メイウェザーが悪戦苦闘しながら登り詰めたスターダムの頂点を、赤毛のメキシカンは20代で易々と極めました。

しかし、実力と華を兼備するライバルに恵まれたパックマンと、マネーへのキャラクター変換で大きな成功を収めた二人に対して、カネロは真のライバルに恵まれず、セルフプロデュースを手がける才覚もありません。

5月のシンコデマヨ週間に企画されているメガファイトも、対戦相手は未定のまま。

カネロのライバルとしてすぐに思い浮かぶゲンナディ・ゴロフキンは4月で38歳。時計との戦いは押されっぱなしの状況で、IBF王座の防衛戦にはカミル・シェルメタという無名のポーランド人が内定していましたが、DAZNが最低ラインに置くビジネスが期待できる開催地は見当たらず。

日程も会場もコロコロ変わるWBSSも真っ青の破綻状態です。 

当初2月に計画されていた「シェルメタ戦は3月に米国西海岸」 が「4月にカザフスタン」に伸び、今日は「場所未定ながら5月」と発表されるなど迷走しています。

30歳のシェルメタは21戦21勝無敗の欧州ミドル級王者ながら、このクラスではまさかの5KO。村田が粉砕したエマヌエル・ブランダムラやスティーブン・バトラーと同じ、2部リーグのプレイヤーです。

ただでさえ、人気も時間もないGGGが38歳になって戦う相手ではありません。 

この試合が発表されてからもポーランドのメディアは歓迎していますが、世界的には Fans not interested in Golovkin vs. Szeremeta fight.(こんな試合、誰も興味ない)と非難轟々。

HBOが「PPVでは売れない。ファイトマネー100万ドルでも大きな負担」と嘆いていたゴロフキンを、3年6試合で1億ドルで契約したDAZNはカネロとの激闘シリーズを期待していましたが、カネロ戦は全く見通しが立たず、シェルメタなんてとんでもないドツボにはまっているのです。

現在のミドル級シーンはカネロの輝きに隠れていますが、どいつもこいつも人気階級としては華のないファイターばかり。

ビジネス視点で見れば「東京でカネロvs村田」 以上のメガファイトは見当たりません。

カネロ主導の条件交渉に嫌気がさしているGGGにしても、カネロ戦を本気で敬遠するなら「村田」以外にビッグマネーは期待できません。

ジャーモル・チャーロやデメトリアス・アンドラーデが商業的価値が低いカードであることは明白、DAZNにとって「東京での村田戦」は最後の希望でしょう。 

村田と日本のボクシングファンはカネロやGGGへのラブコールを隠しきれませんが、これは横恋慕なんかじゃありません。彼らは経済的に行き詰まっているのです。

早く見たい!

GGGを倒して、次はカネロ。なんて贅沢なシナリオも十分考えられます。

現PFPキングと、元PFPキングが路頭に迷いそうなんですから、手を差し伸べてあげましょうか。

。。。まあ、でも慎重に交渉を続けて欲しいですね。日本でやるんです。特にカネロ戦では、村田に過剰に不利なキャッチウェイトなんかは飲んで欲しくないです。