昨日のラグビーW杯、ブレイブ・ブロッサムズは悔しい結果に終わりました。

それでも、一次リーグではラグビーの面白さを十二分に教えてくれました。そして、準々決勝の南アフリカ戦ではラグビーの難しさと厳しさを、痛いほど伝えてくれました。

陸上競技や柔道、バレーボール、卓球、バドミントン…五輪だけでなく世界選手権は多くのスポーツで開催されています。

しかし、サッカーW杯を例外にするとここまで日本列島を熱狂の渦に巻き込んだ大会は、史上初めてでしょう。

四年後の舞台はフランス。

今回のベスト8進出は「許容範囲だが、日本びいきの判定もありホームの追い風が吹いた」(英国BBC)という悔しい見方もされています。

2023フランス大会で「勇敢な桜」が本物の強豪かどうかが試されます。もちろん、私たちはわかっています。どう考えても本物です。

これから始まるリーグ戦でラグビー熱が盛り上がって、フランスに繋げることが出来たら、個人的には100%優勝できると確信しています。

サッカーはJリーグの創設で野球一辺倒だった日本のプロスポーツ界に革命を起こし、その勢いのままW杯出場を叶えました。

ラグビーは逆にW杯が先に盛り上がる形で受け入れられました。そして、ラグビーのリーグ戦はサッカーと違い悲しい状況が続いています。

ラグビーのリーグ戦は企業名を前面に出している、旧態然の「実業団」スタイルです。これがスムーズに受け入れられない理由の一つであるのは明らかです。

もうさすがに誰もがわかってるはずです!やめましょう!

五輪では柔道や水泳、スキーやスケート…多くの競技が4年に一度だけ、異様な期待を選手に背負わせています。選手もそこに乾坤一擲の情熱を集中させ、それゆえに大きな果実をもぎ取ってきたとも言えるかもしれません(個人的にはそうは思いません、絶対)。

しかし、ラグビーがもっともっと逞しく強くなるためには、リーグ戦の盛り上がりは不可欠です。これは確信を持って言えます。

というわけで、ラグビーをこれからも応援します!




前置きが長くなってしまいました。

そのラグビーW杯、昨夜の南アフリカ戦。平均視聴率は関東地区で41.6%でした。メディアの大々的な報道に、個人的な熱狂も含めて「60%近くいくんじゃないか」とも思いましたが、すっかり忘れていました、プロ野球日本シリーズ。

ホークスを擁する北部九州地区でのラグビー視聴率が28.6%にとどまったのは、日本シリーズにチャンネルが流れた結果でしょう。

「日本シリーズとのカニバリ」は、北部九州だけでなく、関東をはじめ全国的な傾向だったはずです。それがなければ、もう少し視聴率が伸びたことは間違いありません。

とはいえ、結果は41.6%です。

つまり、あれほど日本列島を揺るがしたブレイブ・ジャパンよりも、内藤大助vs亀田興毅のWBCフライ級タイトルマッチ(視聴率43.1%)の方が上だったのです。

「視聴率は同じレベルでも内容が違う」「老若男女を感動させたラグビーと亀田は品格が違う」「亀田のボクシングは野次馬が一時的に騒いでいただけ」「日本シリーズなどとブツかってたらもっと低かった」…いろんな反論があるでしょう。

しかし、視聴率という瑣末な一点で、ラグビーはボクシングに負けたのです。

「テレビ観戦のスポーツとして、ボクシングに優るものはない」。

半世紀以上も前に米国で断言されていた真実です。もちろん、画面が小さく、カメラアングルも限られていた時代です。

野球を例にとると、投手の微妙な表情や守備位置の俯瞰などカメラの高性能化はもちろん、投球や打球の速度や角度、回転数まで瞬時に伝えることが出来る現代と、テレビが白黒画面の小さな箱だった半世紀以上前とは比較などできません。

技術革新によって、わかりにくい見にくいスポーツもルールを熟知したファンにとってはテレビ観戦のメリットは大きくなりました。

それでも、サッカーや野球、ラグビーは「わかり易さ」の一点でボクシングに大きく劣っています。

あれほど日本中を感動させたラグビーで、日本代表の敗北に美しい涙を流した多くの人がそのルールをわかっていません…私のことです。

南アの選手が、倒れてもボールを離さず立ち上がり、ゴールラインを乗り越えたとき、有楽町のパブリックビューイングは悲鳴に包まれました。が、あれは完全な反則です。

しかし、ボクシングにおいては、マニアもファン初心者も歓声を雄叫び、悲鳴をあげる場面はほとんど同じです。

採点に至っては、プロよりもファンのジャッジの方が納得出来るケースが珍しくありません。

ボクシングの採点はニワカファンでも出来ても、ラグビーのジャッジは素人では不可能です。

「ボクシングはルールが単純明快だから発展途上国で人気があるけど、先進国では衰退している」と長らく言われてきましたが、それが当てはまるのは米国だけです。

英国は重量級を中心に空前の盛り上がりを見せていますし、日本でも10年前とはいえ視聴率40%を超える結果を出しているのです。

おそらくは、これからもラグビーやサッカーの重要な国際試合の視聴率を超えるボクシングのメガファイトが、日本で勃発するでしょう。

井上尚弥vsノニト・ドネアも、ラグビーをはじめ多くの世界大会が一段落して空腹気味のスポーツファンにとってはご馳走です。20%、つまり南ア戦の半分をマークしても不思議ではありません。

失礼な物言いになりますが、ボクシングのメガファイトは陸上競技や柔道、卓球などの世界大会を簡単に凌駕する刺激を、今も日本列島にもたらすことが出来ます。

村田諒太が東京ドームでカネロ・アルバレスと拳を交えることになれば「亀田」を超える熱狂が渦巻くことは疑いようもありません。
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もし、それが実現したら、今は、誰も知らないカネロでもそれがオマール・ナルバエスやエマヌエル・ロドリゲスはもちろん、ノニト・ドネアも比較対象にすらならない正真正銘の世界最高の人気ボクサーであること、世界屈指の報酬を稼ぐアスリートであることが、これでもかと喧伝されます。

WBCは「サムライベルト」とかを作って売りつけて来るでしょうね。いいじゃないですか。そうなったら、何でも買ってあげましょう、どうせ10万ドルもしないんです。村田vsカネロの興行の中では瑣末に過ぎる金額で、経費で落とせます。

あ、話が脱線してしまいました。

ライトウェイト・ブルース、軽量級の話です。

日本では、米国では到底真似できない規模の軽量級のメガファイトが立ち上げることが出来ます。

ラスベガスのT-MobileアリーナとMGMグランドガーデンアリーナ、ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンとバークレイズセンターで軽量級の選手がメインに立つなんてありえません(例外はありましたが、あくまで例外です)。

さらには、ベガスやNYCの大会場よりもさいたまスーパーアリーナの方がキャパは上です。

そして、テレビ観戦の話に戻すと非常に強力なコンテンツのボクシングの中でも、歴史的にもヘビーウェイト(重量級)よりも、ミドルウェイト(中量級)とライトウェイト(軽量級)は明らかにテレビ向きでした。

ライトウェイトを愛する元リング誌編集長のナイジェル・コリンズは「テレビだけで見るなら面白いのは軽量級」と断言しています。

自らが企画したイバン・カルデロンとオスカー・デラホーヤとのスパーリングを見たフレディ・ローチは「ライトウェイトへの偏見が完全に氷解した」と告白しました。

日本発でボクシング・ライトウェイトの魅力を発信する。

かつてのキック(K1)や、総合(プライド)のような世界の競技者が惹き付けられるような磁場に、日本がなる…もうすでにある程度はなっていますが、メキシコや英国の軽量級スター選手も日本の報酬に眩暈を覚えるような、そんなマーケットを構築できた素晴らしい、そう思います。

アジアの富裕層が集まるであろう、カジノはその第一歩になりえます。

米国が軽視し続けている、ライトウェイトがブルースであり続けなければいけない理由はどこにもありません、

歌いましょう!ポップスを!叫びましょう!ロッケンロールを!

11月7日、MSGよりでかいさいたまスーパーアリーナで井上尚弥が、そのタクトを振ります!

行けないのが残念でなりませぬ。。。。。!