2019年11月

有楽町は駅近のホテルなどで人と会ったりする仕事があり、ちょくちょく足を伸ばす街です。

「有楽町で会いましょう」なんて時代は知る由もありませんが、私が知ってる有楽町は近代的なガラス張りの東京国際フォーラムのすぐ目の前を時代の忘れ物のような飲食店がガード下に軒を連ねる昭和と平成のハイブリッド?な街です。

そんな時代の忘れ物を具現化した建物が交通会館です。

昭和40年、1965年竣工ということですから来年で55歳になります。

見た目は、ホテルニューオータニの小型版のようで、やはり円盤状の「回転レストラン」を〝麦わら帽子〟のごとくかぶっています。

当時は百貨店でもどこでもレストランは最上階にあって、360度見渡せる回転レストランはトレンドの最先端だったのかもしれません。
 

母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね …」。
 

「人間の証明」は小説や映画が大ヒットした頃からずっと後になって、いろんな本を乱読しまくった高校時代に読んだ記憶がありますが、あの〝麦わら帽子〟の弟分みたいなのを乗っけてるのが交通会館です。

回転レストランに行ったことはありませんが、おそらく今は回転しないはずです。

1階に入っている三省堂書店もよく利用してます。以前は会社近くのギンザコアビルにブックファーストが入ってたのですが、なくなってしまい銀座界隈の大型書店は三省堂だけになりました。

そういえば、大型書店ではありませんが、銀座には改造社書店の本店があります。 改造社の話になるとまた脇道にそれまくりそうなので、交通会館に話を戻して…。

そして、交通会館の特徴的なもう一つの施設が屋上庭園です。屋上といっても三階の一部を解放した庭園で、夏の暑い日にここでソフトクリームをナメるのが至福のひとときなのです。

もちろん、人混みが大嫌いな私のお気に入りなので、ここも空いててゆっくりできます。昼時はお弁当食べてるOLが数人いたりもしますが、基本的に過疎空間です。 
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このビルには地方のアンテナショップがたくさん入っているのですが、ああいうご当地プラザはどこもかしこもなぜかソフトクリームを売っています。

オススメはやはり「どさんこプラザ」ですが、ミルク390円、夕張メロン400円と強気の価格設定。

この季節になると、屋外でソフトクリームはさすがに敬遠してしまいますが、先日、ポカポカ陽気の昼下がりに「今年はこれでナメ納めかな」と高架を往来する新幹線を眺めなていました。
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30日(日本時間12月1日)に予定されていたWBCスーパーフェザー級の指名挑戦者決定戦でオスカル・バルデスと対戦予定だったアンドレ・グティエレス(ジョニー・ゴンザレスを破ったトマス・ロハスに勝利して今回の世界挑戦者決定戦に進出)が前日計量で、なんと11ポンドもオーバーしました。

11ポンドの超過。もはや減量失敗とかいうレベルではありません。


「彼のウエイトが141と聞いたときは何かの間違いだと思った。間違いでないとわかっても私は戦うつもりだった。この3ヶ月間、この日のためにあらゆることを犠牲にして全身全霊で練習してきた。それが全部無駄になってしまうなんて耐えられない」。

あの屈強顔つきのバルデスが泣きそうになって訴えかけています。

「やる、絶対に戦う」と主張したバルデスは当初、ボブ・アラムとチームの反対にも耳を貸そうとしなかったそうです。

バルデスのキャリアでは、去年3月10日にスコット・クイグも3ポンド体重超過されています。

このときは負ければWBO王座を失うリスクを恐れず、リングに上がり判定勝ちを収めました。しかし、リングインウェイトで142.2ポンド、ウェルター級まで膨張していたクイグの重い攻撃に顎を割られてしまい、治療のためにブランクを余儀なくされてしました。

今回のグティエレスは前日計量で141ポンド、明日のリングインはどこまで増量しているか未知数です。しかも、バルデスは130ポンドのデビュー戦。

「奴はプロじゃない。奴が140だろうが150だろうが戦う」と信念を曲げないバルデスにエディ・レイノソ(カネロ・アルバレスの長年のトレーナー)が「私の一生のお願いだ。一緒に厳しいキャンプを過ごしてきた私はお前の気持ちが一番よくわかっている。私だって、明日のリングでグティエレスを叩きのめしたい、その気持ちは一緒だ。でも今は代役のアダム・ロペスに集中してくれ」と何とか説き伏せました。

 
アラムは「こんな馬鹿げた話はない。少なくともトップランクはグティエレスとは今後一切永久に関係を持つことはない」と激昂。

それにしても、酷い。あまりにも酷い。 
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代役のロペスは前戦でプエルトリコのホープ、ジャン・カルロス・リベラと空位の北米ジュニアフェザー級王座を争い、逆転の7回 TKO勝ちを収めたラッキーボーイ。

ロペスは「人生が変わる大チャンスだ。実は10年前に父親がこんなことを言ったんだ。バルデスはいい選手だ、世界王者になるだろう、でもお前が彼を倒すことになる」と父親の予言が現実になったと、いきなり舞い込んだビッグネームとの対戦にやる気満々です。

バルデスはしっかり勝って、ミゲール・ベルチェルトの王座に挑んでもらいたいです。
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カネロvsコバレフにワイルダー vsオルティスと世界的に大注目のメガファイト。

そして日本のファンにはたまらない井上vsドネアの死闘。

今年の11月はボクシングファンにとって熱い季節になりました。

そして、その締めくくりはカール・フランプトンとオスカー・バルデス、フェザー級の人気者がジュニアライト級デビューを果たす11月30日。

で・す・が!…バンタム級から目が離せない日本のファンにとっては英国バーミンガム・アリーナで行われるWBOタイトルマッチこそが大トリです!

王者は南アフリカのゾラニ・テテ。挑戦者は暫定王者のジョンリール・カシメロ

英国でこのマッチアップ…。今から会場の盛り上がりが心配になりますが、軽量級ファンにとっては面白い試合になりそうな予感にゾクゾクします…。

先日のロドリゲスvsネリでも同じとこ書いてたので不吉な予感もしますが、今回は大丈夫でしょう、テテの右肩が急に痛くなるとかもないはずです。

31歳のテテは世界戦経験は6試合(4勝2KO1敗)ながら、ポール・バルターとオマール・ナルバエスという微妙な強豪に完勝。

その一方でモルティ・ムザラネにKO負け。さらにファン・ロサス、そして井岡一翔に敗れたドミンゴ・ソーサに僅差とはいえ判定負けと、打たれ弱さと限界がはっきりしているボクサーです。

神戸ポートピアホテルで帝里木下を準完封した試合も印象に残らない試合でした。

もちろん、身長175㎝/リーチ183㎝の異形のサウスポーが118ポンドで戦う誰にとっても極めてやりにくい相手であることは間違いありません。

ただ、その実力とスタイルの輪郭は誰の目にも明らかになった、31歳のバンタム級です。

アンソニー・ジョシュアを叩き潰したアンディ・ルイスJr.のような「え?こんなに強かったの?」という気付きはテテには期待できません。
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「カシメロは私よりも遥かに強い」(パッキャオ)。

一方の、カシメロ(28勝19KO4敗)はテテ(28勝21KO3敗)より1歳年下だけの30歳で、4つの黒星の中で唯一のノックアウト負けはやはりムザラネ。テテと非常に近似したキャリアです。

ムザラネが一番強い?多分そういうことです。

ウィリアムヒルのオッズはテテ4/11(1.36倍)、カシメロ12/5(3.4倍)と明白に南アのサウスポーを支持しています。

しかし、番狂わせの匂いもしますね。

テテがWBSSトーナメントを離脱したのが〝仮病〟だったのかどうかは謎のままですが、ビッグマネーへの最短距離があの「貧困トーナメント」ではなく「井上尚弥との日本での決戦」であることをはっきりと理解したことは間違いありません。

バンタム級の31歳、南アフリカ人…現在のテテの属性を考えると、人生ゲームの最後のサイコロをどこで転がすかを考えるのは当然です。

一方のカシメロは、純粋にファイトに飢えています。

「この試合には3階級制覇がかかっている。(フィリピン人では)ノニト・ドネアとドニー・ニエテスに続く偉業だ」。

MPプロモーションズのマッチメーカー、シーン・ギボンズは「カシメロは世界史上で二番目に過小評価されたボクサー」と宣伝しています。「セサール・キャンシラ、チャールズ・エドワーズ、アムナット・ルエンロン、世界的な強豪を敵地でKOしているんだ」。

敵地で強豪を番狂わせでノックアウトするボクサーはどこの国でも人気を集めるはずですが、フィリピンの場合は特殊でパッキャオによってそのハードルが引き上げられてしまったといいます。

「アラモドームでバレラを完膚なきままに叩きのめすとか、MGMグランドガーデンアリーナでデラホーヤを八つ裂きにするとか…そんなのと比べてはいけない。カシメロはこれからその道を歩むのだ」(ギボンズ)。

もちろん、世界史上一番目はMPプロモーションズの総裁です。

テテは確かにやりにくい、しかし3つの黒星以外にも、これまでのキャリアで何度も危険な場面に遭遇している穴の多いボクサーでもあります。

「あの超長距離のジャブが機能しないと、テテは途端に弱気になる。プレッシャーをかけられても弱気になる。」(ギボンズ)。

「テテが逃げるのはわかってる。もし打ち合ってくれたら?試合はすぐ終わる。ナルバエス相手でも攻め込まなかったテテは間違いなく逃げる。追い回す展開になるだろうけど、どこかで捕まえることができる」(カシメロ)というのは半分挑発でしょう。

テテが「日本で井上と戦いたい」と盛んにアピールしていることについてギボンスは「井上は我々がもらう」と断言。

「井上の防御が隙だらけで、打たれ弱いと以前から指摘してたのに誰も耳を貸さなかった。彼は弱い相手を圧倒することでその欠点を隠してきただけ。テテをKOしたら日本で井上と戦う」。

先日のドネア戦は井上のvulnerability(打たれやすさ・弱さ)を露呈したことよりも「100ドル以上のチケットを買った2万人以上の観客が詰めかけた」ことが世界に衝撃を与えました。

欧米では、軽量級のイベントに高額チケットを買った2万人が集まるなんて常識では考えられないのです。

もし米国で同じことが起きれば、間違いなく両者のファイトマネーは100万ドルを超えます。

「2階級制覇したのにフィリピンでも人気がない」と自覚するカシメロが「日本で戦いたくても誰も返事してくれない」という状況を脱するにはテテをノックアウトしてリング上で「次は井上だ!」とコールするのが近道です。 

オッズほどの実力差はないにしても、テテ有利は間違いありません。

ドネア戦がギボンズの予言通りになっただけに、カシメロが勝った方が興味は増しますが…果たして?

まー、しかし、どっちが勝っても「次は日本で井上!」とリングで叫ぶでしょう。

正直、常識的なボクシングをするテテの方がやりやすいです。何より、テテは井上と日本で戦うことがゴールと思ってるかもしれません。

とはいえ、どっちも嫌な相手です。

こっちは「ちょっとボワイヨみたいなのと1試合挟ませてくれるか?」という心境です…。 
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映画「ミッシング」(1982年)の原作者として知られる…なんて書くのはこのブログにはふさわしくありませんね。

「Muhammad Ali: His Life and Times」などモハメド・アリに関するノンフィクションを数え切れないほど手掛け、ボクシングに関する著作が多いトマス・ハウザーがリング誌に連載している「JABS STRAIGHT WRITES」、これが毎号、非常に秀悦なのです。

もうすぐ2020年1月号が届くというのに、12月号の JABS STRAIGHT WRITES から拙訳です。


******残念ながらボクシングと犯罪は隣り合わせの競技かもしれない。

ボクシングは極貧から脱出する有効な手段だが、それは元の環境のしがらみを完全に断ち切る手段ではない。

その〝しがらみ〟は悪い友人知人だけではない。彼の心の中に巣食った闇の方が一生憑いて回る厄介な〝しがらみ〟であることが多いだろう。

そんな哀しい性を背負ったボクサーたち、それも最も眩い栄光を掴んだはずのヘビー級チャンピオンに限定してみると、その影の暗さと哀しさは一層際立つ。

ジョン・L・サリバンはあちこちで暴力沙汰を起こして牢屋の中に放り込まれた。しかし、サリバンには哀愁はない。

マイケル・モーラーやオリバー・マッコール、ハシム・ラクマンも法を犯して留置された。しかし、彼らの罪状は喜劇だ。そもそも彼らの場合は「世界チャンピオン」であったかどうかも怪しい。

💧JACK JOHNSON💧
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ジョンソンは白人女性をこよなく愛し、それを豪語しました。20世紀初頭の実話です。人種差別が認められていた時代、どうして暗殺されたり、酷いリンチに遭わなかったのでしょうか?

理由は簡単です。彼が世界ヘビー級チャンピオンだったからです。


偉大なジャック・ジョンソンは「不純な目的で異性を州境を超えて連れ出した」という意味不明のマン法違反で逮捕され1年と1日の禁固刑を受けた。

しかし、ジョンソンは保釈中にパリへ高飛び、バトリング・ジム・ジョンソンと防衛戦を行う。なんという痛快な話だろうか。

7年後、ジョンソンは帰国、自首。10ヶ月の懲役刑を受け入れた。

2018年5月24日、ドナルド・トランプ大統領は1913年の有罪判決が間違いであったことを遺族に謝罪。死後恩赦が与えられ、偉大なチャンピオンは完全な名誉を回復した。

これは、今のところトランプ大統領が行った唯一の善行である。


💧ROCKY MARCIANO💧


💧SONNY LISTON💧


💧MICHAEL DOKES💧


💧TREVOR BERBICK💧


💧MIKE TYSON💧


💧RIDDICK BOWE💧
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「世界最古のスポーツ専門誌にして、世界唯一のボクシング週刊誌」英国ボクシングニューズ誌の特集から。

THE 10 pound-for-pound Hardest Punchers in Boxing Today  現代最強のパンチャーは誰だ!?

当然、先日のワイルダーの一撃にインスパイアされた企画です。つまり、あれがなければ井上が1位でした。
あるいは井上がドネアを一発で沈めていたなら…。


第1位:デオンティ・ワイルダー
2019年11月26日のベストパンチャー、そりゃそうです。まだ生々しいです。

第2位:井上尚弥
ドネア戦こそKOは逃しましたが、軽量級では異例のパンチャーです。
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第3位:アルツール・ベテルビエフ
15戦全勝15KO。数字に意味はなくとも、数字がフェロモンを発することがあります。ベテルビエフもそんな魅惑的なパンチャーです。

第4位:ゲンナディ・ゴロフキン
パンチャーランキングに10年在籍する本物中の本物。

第5位:ジャーボンテイ・デービス
ジャッジの手を煩わせたのは1試合だけのパンチャーですが、ライト級では凡人化しそうです。

第6位:ミゲール・ベルチェルト
おー、ベルチェルトをランクしますか。一発強打のガンスリンガーではありませんが、確かにKO率は高い。

第7位:ルイス・ネリ
むむむ…これを入れるかな?パンチャーじゃないでしょう。

第8位:ムラット・ガシエフ
強打者ですがウシクに封じられた〝不発弾〟の印象が強くて…。

第9位:ユニエル・ドルティコス
重量級を推してくるのはさすが英国ボクシングニューズ誌。

第10位:アンソニー・ジョシュア
これぞ英国ボクシングニューズ誌。
 
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いつ減量するのが選手にとってベストなのか。


当日か?前日か?それともその両方か?

このプログでも語り尽くした問題です。

ただ、昨日のフリオ・セハとルイス・ネリは減量とは関係のない ルールの問題でした。

フォックスかPPVで全米生中継したデオンティ・ワイルダー とルイス・オルティスのメガファイトのアンダーガード。

セハはジュニアフェザー級リミットを4.5ポンドもオーバーする126.5ポンド、ネリはバンタム級リミットを1ポンドはみ出す119ポンドと体重超過の失態を犯しました。

WBAジュニアフェザー級王者プランドン・フィゲロアはジュニアライト級の体重で秤に乗ったセハの報酬の一部をペナルティとして受け取ることで対戦を選択。

かつて体重超過のポール・バトラーを受け入れたマニー・ロドリゲスもネリ陣営から金銭的な提案を受けたはずですが、対戦を拒否(バトラーは当時世界王者)。

最近、当たり前のように見られる軽量オーバーの風景ですが、今回はセハが4.5ポンドもオーバー、ネリは「常習犯」ということで、特に悪質な腐臭が漂っていました。

「体重超過」が階級制を大前提としたスポーツにおいて重大な犯罪行為であるということに、誰も異論はないでしょう。

しかし、これは柔道のような清廉潔白の五輪競技ではありません。妖魔が跳梁跋扈するプロボクシングの話です。

「世界的な統括団体があれば…」「せめて承認団体が一つだけなら…」。そんな正義の願望を語ることも恥ずかしくなるような魔宮の中にプロボクシングのリングは設営されているのです。

ドーピングにも体重超過にも厳罰は下されない、悪魔が野放しの世界。

今夜は、そんな極悪世界を圧倒的に支配した2匹の魔王の罪状をご覧になって、貴方の裁定を下して下さい。
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Guilty or Not Guilty?


【Judge① マニー・パッキャオ】

1997年9月17日。チャチャイ・ダッチボーイジムを大番狂わせの逆転KOで下してWBCフライ級王者となったパッキャオが2度目の防衛戦で迎えたのはメッドグン3Kバッテリー。

前日計量で112ポンドのフライ級リミットを1.5ポンドオーバー。2時間の猶予が与えられますが、それでも200gを絞り出すのが精一杯。1ポンドオーバーで、秤の上でタイトルを失います。

「1カ月前から練習を始めて135ポンドもある自分の体重に戸惑った。バンタム級に上げてウィラポンに挑戦したい」。

はぁ?1ヶ月前から練習始めた?そのときに135ポンドあるのに気づいた?

ジョー小泉が言っていた通り「練習嫌いでボクシングを舐めてる」「才能はあるが大成はしない」。当時の私も確信しましたが…フシ穴でした。

▶︎▶︎▶︎よくある自堕落ボクサーの自滅パターン。「ネリ型」でもあり「マクドネル型」でもあります。ネリのように体重超過で強大化するのではなく、パックやマクドのように弱体化・重病人状態でリングに上がるのならNot Guilty?それとも、そもそもがルール違反で、強大化と弱体化の基準もあいまいだから、体重超過の時点で試合中止で、Guilty?


【Judge② フロイド・メイウェザーJr.】

2009年9月19日。引退宣言から1年10ヶ月、ファン・マヌエル・マルケスと対戦。ESPNのダン・ラファエルが「退屈極まる試合。途中で席を立つ観客が羨ましかった」という〝メイ・ワールド〟のクライマックスは前日計量でした。

メイウェザーは契約体重144ポンドを2ポンド超過。「1ポンドにつき30万ドル」の契約に従って60万ドルのペナルティを支払って試合は成立しました。

試合後に「メイウェザーは私のキャリアで最強だった」と称賛したマルケスでしたが、引退後は「全てが仕組まれていた。体格が全く違った。体格差で負けた。バレラやパッキャオの方が断然強い」と告白します。

メイ戦の高額報酬+60万ドルは未公開の部分があまりに多い契約で、その中には時限付きの「口止料」もあったのかもしれません。

このパターンは明らかに「強大化」を狙った確信犯です。ネリもこのパターンの典型ですが…。

▶︎▶︎▶︎両者合意の上ならNot Guilty?それとも、そもそもがAサイドのパワハラなので契約そのものがGuilty?


*****結局、腐敗を極めたボクシング界で世界統一の罰則などありえません。

「カネロ・ウェイト 」なんてある意味、ネリよりもはるかに始末の悪い犯罪行為です。それがまかり通るのがプロボクシング界です。

パックメイやカネロがそもそも規範を示せない世界に、規律ある未来など期待できるわけもありません。

日本を統括するJBCの「ネリ永久追放」は英断です。もっと踏み込んで、WBCの軟弱な姿勢に抗議して「向こう3年間、新規のWBC承認試合の停止(現王者の防衛戦は認める)」などの処分を科しても良かったはずです。

JBCは日本唯一の統括団体、WBCは数多くのアルファベット団体の一つで承認料を生業とする下劣な団体。どちらの立場が上かは明らかです。WBCのオープンスコアリングも興味をそがれる発想です。米国でもほとんどやってませんから、日本でもやめればいいんです。

ファンもそろそろ承認団体の正体を識るときです。

 
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プロボクシングWBC世界ライトフライ級王者・拳四朗(27)=BMB=が22日、リングネームを本名の寺地拳四朗に変更すると発表した。

現役王者の改名は異例で、拳四朗は「もっと“世界”で認知してもらえるように向上心を高めていきたい」と将来の海外進出を見越しての改名だったと説明。=報知新聞社=


このブログでも指摘していましたが、リング誌をはじめ海外メディアは勘違いをしています。

拳四朗を「Ken Shiro」だと思い込んでいるのです。

何度、指摘しても理解できないのは文化の違いなのかもしれません。 

「イチロー」と同じ理屈だ、と投稿しても「イチローは『イチロー・スズキ』と場内でもアナウンスされている。拳四朗が『ケン・シロウ』でないならファミリーネームを教えてくれ」となるんです。

「現役世界王者の改名」は異例ですが、ユーリ・アルバチャコフらのケースとは違い、嫌な背景がない前向きな改名です。

甘いマスクとは懸け離れた好戦的な「笑顔の暗殺者」をこれからも応援していきます!

お父さんの寺地永も好きな選手で、竹原慎二戦は仕事終わりに観戦しました。あれは1992年でしたか…もっと最近かと思ってましたが、もう27年も前とは。

ナザロフも寺地も竹原も、みんな大好きなファイターでした。

私は当時、社会人なりたてで、当日券を買って後楽園ホールに入りました。

メインはオルズベック・ナザロフvs中野猛仁 。そういえば当時は、ナザロフも「グッシー・ナザロフ」でした。ダメダメな時代でしたね…。

それにしても、ダメといえば、やっぱり会場で見なけりゃダメですね。

「テレビで見た方が試合展開も細かくよくわかる」というのは嘘です。

テレビでは決定的な瞬間がスローモーションで何度も繰り返されようが、選手の表情がアップになろうが 、それはモニターを介した「嘘」です。

この2年は一度も生観戦してません…ボクシングファン失格です。

例え何十メートルも離れていようが、肉眼で見る、今そこで行なわれている試合こそが「真実」です。

ああ、後楽園ホールに行きたくなりました。調べてみると、今でも週イチは興行してるんですね。

井上や村田、井岡のような人気興行じゃなく、昔は夜中にテレビでやってた日本タイトルマッチがメインの興行とか、久しぶりに見に行きたいですね。  
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ボクシングの階級には貴賎があります。

ヘビー級やウェルター級のメガファイトは、ニューヨークやラスベガスの大会場で大きな注目を浴びて挙行されますが、軽量級ではそんなイベントは逆立ちしても打てません。

日本では軽量級が評価されています。

しかし、村田諒太をみるまでもなく、もしウェルター級やヘビー級で世界に通用するボクサーが現れたら話は別です。

身も蓋もない言い方ですが、日本で軽量級が人気なのは「それしかない」からというのが最大の理由かもしれません。

それでも、欧米で関心の低いフェザー級以下の軽量級はメキシコや英国のスーパースター、レオ・サンタクルスやカール・フランプトン、アブネル・マレスの3人が絡まなければ、日本で戦うしかビッグマネーを手にすることが難しい階級なのです。

その日本でも、報酬とリスクが高い王者や挑戦者は呼ばれません。

軽量級でいうビッグマネーはせいぜい30〜50万ドル。その金額を安定して手に出来るのは日本のスター選手に限られます。

バンタム級以下ではPFPファイターでマニアから圧倒的に支持されているファン・フランシスコ・エストラーダですら、20万ドルがキャリアハイというのが現実です。

井上尚弥が戦ったバンタム級トーナメント出場選手のファイトマネーは、さらに悲惨を極めます。

ノニト・ドネアでさえ報酬が明らかにされていません。エマヌエル・ロドリゲスやゾラニ・テテは10万ドルに遠く及ばない、発表するとファンが引いてしまうレベルの金額であることは間違いありません。

井上が「米国で大きな舞台に立つにはバンタムでは無理。最低でもフェザー」と冷静に語っていましたが、サンタクルスやアブネル・マレス、カール・フランプトンが去った現状のフェザーではまず不可能です。

フェザーのその上、ジュニアライトも欧米目線では軽量級。しかし、この130ポンドを橋頭堡にしてオスカー・デラホーヤやフロイド・メイウェザーが正真正銘のメジャー、ウェルター級へ向かいました。

内山高志がスターが踏み台にして去ってゆく背中を虚しく見送ったジュニアライト級でしたが、ここにきて状況が激変しています。

瞬間的な盛り上がりに終わるでしょうが、それでもスターダムへの通過階級ではなく、下の階級から上がってきたスターが最終決着をつける舞台という意味合いを帯びてきたのです。

今日、130ポンドのデビュー戦でいきなりWBA王座に就いたレオ・サンタクルスはジュニアライト級以下で最も集客力のある人気者。

さらに、サンタクルスと100万$ファイトを展開したカール・フランプトンとアブネル・マレスもすでに130ポンド進出を表明。

この潮流は130ポンドが体格的・慣習的に上限階級とみられる日本人ボクサーにとって、明らかに僥倖です。

日本人でも前WBO王者の伊藤雅雪尾川堅一西谷和宏末吉大らが世界ランキングに名前を連ね、ビッグネームとの対戦は夢物語ではないのです。

現在の世界地図を俯瞰すると、まずWBAはスーパー王者がレオ・サンタクルス。この階級でどこまで実力があるかは疑問ですが、最も人気があります。つまり、一番美味しい相手です。

日本人の130パウンダーは伊藤と尾川は手強い、西谷と末吉は未知数の怖さがあり、サンタクルスにとってはハイリスク・ローリターン。相手にしてもらうには世界タイトルを獲るのが最低条件です。

セカンド王者はアンドリュー・カンシオ。アルベルト・マチャドを番狂わせで沈めたカリフォルニアをベースに戦う31歳は階級最強候補と目されていたものの、2015年に8ラウンドKO勝ちしているレネ・アルバラードとの再戦でまさかの7ラウンドストップ負け。

30歳のニカラグア人とIBFジュニアフライ級王者フェリックス・アルバラードは双子の兄弟(フェリックスと拳四朗の統一戦が流れてしまったのは残念でした)。
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今日はアレクシス・アルゲリョがルーベン・オリバレスを13ラウンドKOしてフェザー級王座を獲得した記念日で、ニカラグアのボクシングファンは久しぶりの明るい話題に沸き立っているはずです。

WBCのストラップはミゲール・ベルチェルトが持っています。

三浦隆司のボンバーも空転させ、フランシスコ・バルガスを2度に渡って撃退。ミゲール・ローマン、ジェイソン・ソーサといった130ポンドの番人を難なく倒して6連続防衛中。

まだ、本物の強豪とは拳を交えていないとはいえ28歳のEl Alacran(サソリ)は大きな欠点が見当たらない万能型です。

天下を取る器には見えませんが、ベルチェルトを粉砕するボクサーがこのクラスの王者でしょう。

ベルチェルトに勝てると見られていたジャーボンテイ・デービスがライト級へ戦場を移したことで、このクラスの陰が色濃くなってしまいそうなところでしたが…。


IBF王者はテビン・ファーマー

アメリカン・アイドルという渾名がかなり違和感のある地味なサウスポーです。

自慢のスピードがたいしたことないことは尾川が証明済み。小さくまとまった決定力のない王者ですが、穴王者とは言い切れないしぶとさ、勝負根性は持ち合わせています。

その尾川は12月7日にWBOアジア・パシフィック王者ジョー・ノイナイに挑戦。IBFから路線変更しそうです。

24歳の〝Jaw Breaker〟が見掛け倒しでないことは清水聡戦で証明済み。危険な橋を渡りきれるか?


尾川が目指すWBOは伊藤から番狂わせでタイトルを奪ったジャメル・ヘリング

イラクの激戦区に2度も出征した海兵隊員で、そこで負ったPTSDに悩むサウスポー。

リング誌が「一方のボクサーを応援することはジャーナリズムに反するが、私たちは米国人。ヘリングの生き様と米国への忠誠心を考えたとき、彼を応援しない選択肢はない」と表明したアメリカンヒーロー。

11月7日に無敗のラモント・ローチを3−0で破り初防衛に成功。34歳という年齢からも、これから大きな上積みが期待出来るわけもなく、付け入る隙の多い王者ですが、日本に呼ぶのは難しいだけにぶっ倒すしかありません。



*****主要団体に絶対的な王者はいません。今日、WBAスーパー王者になったサンタクルスを例外にすると、130ポンドの王座には地味な風景が広がっています。

しかし、例外はサンタクルスだけで終わりません。

2016年のリング誌 Fighter Of The Year、2階級制覇を制覇したカール・フランプトンは11月30日にラスベガス・コスモポリタンでタイラー・マクリアリーを相手に130ポンドデビュー。

マクリアリーは無敗のホープとはいえ、誰に勝ったわけでもない26歳。ここで躓くようならフランプトン本人が覚悟しているように「引退するしかない」。

ビッグネームのフランプトンには是が非でも鮮やかに勝っていただき、その先に日本人との対決も期待しています。

そして、フランプトンと同じイベントに登場するのが今がプライムタイムの前WBOフェザー級王者オスカー・バルデス

ノニト・ドネアが対戦を突きつけられ「バルデスとは戦えない(勝てるわけがない)」と弱音を吐いてしまい、トップランクを去ったフェザー級の強豪王者。

ジャーボンテイ・デービスへの挑戦が眼疾でキャンセルになったアブネル・マレスも2020年にリングに復帰すると表明しています。

サンタクルス、フランプトン、バルデス、マレス。4団体の世界王者を遥かに上回るビッグネームの参戦で130ポンドは一気にスポットライトが当たる階級になりました。


さらに、日本でもお馴染みの名前も130ポンドの第二戦線でトップを窺っています。

次がプロ80戦目となるジョニー・ゴンザレス、そのゴンザレスを下したトマス・ロハスも130ポンドで頑張っているのです。

西岡利晃に大番狂わせでKOされたジョニゴンは、現在38歳。

山中慎介に糸の切れた操り人形のように斬り落とされたロハスは、山中より2歳年上の39歳。2連敗中ですが「もう一度世界王者になる」と現役続行を明らかにしています。


タレントが揃いました。誰と絡んでも、面白い試合が期待できそうです。

言っても切ないだけですが、内山高志や三浦隆司がいたらなあ…。 
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日本時間11月24日 ネバダ州ラスベガス MGMグランドガーデンアリーナ

WBA世界ジュニアライト級スーパー王者決定戦 レオ・サンタクルスvsミゲール・フローレス 

3−0(117−110*2/115−112)でサンタクルスがメキシコ史上5人目の4階級制覇に成功。

内容的には単調で見るべきもののない試合でした。

「これからは130ポンドで戦う。2020年はビッグファイトのリングに上がりたい。ゲイリー・ラッセルと戦う。ジャーボンティ・デービスでもいい。私は誰も恐れない」。

サンタクルス、この階級ではチャンピオンクラスとやったら負けます。是非、日本人ボクサーと絡んでもらいたいとことですが…。

サンタクルスの報酬は200万ドル、フローレスは10万ドル。

今日はアンドリュー・カンシオが大番狂わせで沈み、WBAセカンドタイトルが移動。

WBCのミゲール・ベルチェルトにIBFテビン・ファーマー、WBOジャーメル・ヘリング…どのタイトルでもチャンスがあります。
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WBC世界ヘビー級 王者デオンティ・ワイルダー vsルイス・オルティス 

WOW! ONE SHOT!  One shot is all it takes.  ワオ!一発だ!たった一発で全てを決めてしまった。

ジス・イズ・ワイルダーという試合でした。

6ラウンドまでのオフィシャルは59−55*2/58−56でしたが、西岡利晃のスコアのようにフルマークでオルティスでもおかしくない展開を、右一発で精算。 
Punch Stats
PUNCHESWILDERORTIZ
Total landed3435
Total thrown184179
Percent19%20%
Jabs landed177
Jabs thrown13077
Percent13%9%
Power landed1728
Power thrown54102
Percent32%28%
-- Courtesy of CompuBox

パンチの総数はほとんど変わりませんでしたが、ジャブ(ワイルダー:130発中17発着弾/オルティス:77発中7発着弾)とパワーパンチ(54発中17発/102発中28発)の数字は対照的でした。


試合前のプロモーションでワイルダーが何度も叫んだ言葉は、単なる宣伝文句ではありませんでした。

「トイレに行ったりスナックを取りにキッチンに行ったり、携帯に目をやってチェックするのも厳禁だ。お前らが油断した瞬間に試合が終わるからな!」。 

And it sure did.  全くもっておっしゃる通りでした。

しかし、面白い選手です。1発で全部精算。

「これがボクシング」。オルティスが絞り出した言葉が全てです。
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いよいよゴングが迫ってきました。

日本時間11月24日 ネバダ州ラスベガス MGMグランドガーデンアリーナ

WBA世界ジュニアライト級スーパー王者決定戦 レオ・サンタクルスvsミゲール・フローレス

ジャーボンティ・デービスがライト級転向を表明して空位となった王座の決定戦。

WBAによると、スーパー王座は「連続防衛や他団体との統一戦に勝利した卓越した実績を挙げた王者」ですから、それを王者でない二人が争うのは理不尽な話です。

承認を生業とする彼らにとっては、当たり前の商業活動に文句をいうのもどうかもしれません。

試合前のオッズはサンタ1/100(1.01倍)、フローレス16/1(17倍)。誰もがため息をつくミスマッチです。

27歳のフローレスは24勝12KO2敗。二つの敗北はいずれもKO負けでこの2年間で喫したものです。そのうちの一つがクリス・アバロス戦(2017年7月18日)でポイントでリードしながらも5ラウンドTKO負け。

その3ヶ月後10月14日にアバロスを8ラウンドで倒したのがサンタクルス。

「アバロス指標」で見なくとも、リング誌やESPNはもちろん、他のアルファベット団体も世界ランカーと認めていないフローレスが、4階級制覇を狙う31歳のサンタクルスに勝っているのは若さだけ。

スターが雑魚相手に世界王者決定戦。よくある構図です。

それでも、軽量級では飛び抜けたビッグネーム、サンタクルスの130ポンド参戦は伊藤雅雪らこのクラスに豊富なタレントを抱える日本にとって朗報です。

「ラスベガスやニューヨークに軽量級需要はない」のは確固たる事実ですが、MGMグランドガーデンアリーナやバークレイズセンターでメイン(級)でリングに上がるサンタクルスは例外。

日本人ボクサーがラスベガスやニューヨークの大会場でメインイベントに登場してもおかしくありません。

メジャーへの通過点、踏み台階級だったジュニアライトですが、サンタクルスやオスカー・バルデス、カール・フランプトンの参戦で一気にカラフルな色彩を帯びてきました。

日本人が絡める上限階級だけに、これはチャンスです。


 

WBC世界ヘビー級 王者デオンティ・ワイルダー vsルイス・オルティス

激闘となった初戦を経て、注目の再戦。

オッズはこの3日間でワイルダー1/6(1.16倍)、オルティス9/2(5.5倍)からキューバのキングコングに揺れながら、現在は1/5(1.2倍)、4/1(5倍)へ。

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