2019年02月

今現在の軽量級(ジュニアフェザー級以下)には「アスリートの高額報酬」の目安になる〝最低賃金〟100万ドルを超えるボクサーは存在しません。

ノニト・ドネアは100万ドルの報酬を手にしたことがありましたが、それはゴールデン・ボーイ・プロモーションズの引き抜き工作から、トップランクがなりふり構わず取り戻した〝契約上の出来事〟です。

フェルナンド・モンティエルとの一戦で初めてHBOデビューしたフィリピンの閃光が、ウェルター級やヘビー級のビッグネームと同じ人気を勝ち得ていたからではありません。

そして、そんな特殊事情が絡んでも100万ドルです。

現在進行中のWBSSにしても〝高額賞金〟トーナメントという謳い文句「優勝賞金1000万ドル、賞金総額5000万ドル」というのは詐欺的なまでのハッタリです。

先日内定?した井上尚弥vsエマニュエル・ロドリゲスも、その舞台はスコットランド、ポジションは前座です。マイナー階級の外国人である井上とロドリゲスの報酬は、日本円で500万円もないでしょう。

今ではさすがに「決勝はMGMグランドアリーナのような大会場でやってほしい」なんて妄想を巡らす人は少ないでしょう。

フェザー級まで目を向けると、MGMグランドアリーナで堂々メインで100万ドルを軽く超えるメガファイトを繰り広げたボクサーもいますが、それはアントニオ・マルコ・バレラやエリック・モラレスです。

テテやロドリゲスは論外、100万ドルがやっとのレオ・サンタクルスやカール・フランプトンですら次元の違うグレートです。

 WBSS主催者側は「決勝まで日本でやりたい」 というのが本音でした。

しかし、日本のファンは「高額報酬」「井上の世界進出」と信じ込んでいました。

ボクシングには胡散臭い話が多いとはいえ、まともなファンなら誰でもわかる「バンタムで高額賞金」に騙される方も悪いのです。

よく「ミドル級やウェルター級、フェザー級でもWBSSを開催して欲しい」という意見を目にしますが、それはありえません。逆説的に言えば「米国の人気階級ではないからWBSSが出来る」のです。

実際に、カレ・ザウアーランドは「ジュニアフライやフライ、ジュニアフェザーでやりたい」とまたまたマイナー階級を口にしています。

欧米での軽量級は歴史的に人気が低く、彼らにとってそれは、日本におけるスーパーミドルやライトヘビー、クルーザー級と同じ「シンパシーを全く感じない」階級なのです。
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※「画像が荒くて読めない」とご指摘いただいたので、分割して大きくしてみました。

前置きが長くなりましたが、欧米における軽量級で「高い実力評価(リング誌のBEST FIGHTER POLL )と報酬(100万ドル)」を両立させたボクサーは過去に存在したのでしょうか?

1980年からスタートした BEST FIGHTER POLL の約40年から、高い実力評価を得ていたボクサーを抽出し、その報酬も検証していきます。

まだボクシング人気の残り火がチロチロしていた1980年代の軽量級は、欧米(中米)に大きく偏っていました。

インターネットなど言葉もなかった時代、アジアの軽量級はそのレベルの高さが全く評価されていませんでした。

80年代にトップ10にランクされた軽量級は張正九、カオサイ・ギャラクシー、ウィルフレド・ゴメス、ジェフ・チャンドラー、サルバドール・サンチェス(フェザー級)、エウセビオ・ペドラサ(フェザー級)、アントニオ・エスパラゴサ(フェザー級)で、最高位はサンチェスの4位(1982年)。

サンチェスは1981年の年間最高選手ですから、4位でも過小評価な気もします。
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リオスがウェルター級契約を守れず、またしても体重超過。ソト陣営に罰金を支払う形で実施された、ジュニアミドル級12回戦。

オフィシャルは119−111/118−112*2。
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このスコアだけを見るとウンベルト・ソトの準完封勝利ですが、接戦でした。

いつものようにクルーザー級に膨れ上がったリオスはいたずらに突進、ソトはバックペダルを踏んで、長い時間をロープを背負って過ごしました。

しかし、スピードとテクニックでは10㎏以上は軽いと見られるソトが上回り、クロスレンジで正確なアッパーを決めてリオスの突貫を遮断します。

ラウンド終了間際にまとめる速いコンビネーションもジャッジの心象を良くしました。

それにしても、リオス。147ポンド契約で約5ポンドもオーバーしてたとは。

空手で黒帯を目指す愛娘ミアと交わした「世界王者に返り咲く」という約束が美談化されて、試合中も「ミナが見てるぞ」と解説席でも励ましていましたが、娘にいいところを見せたいとかいう以前の問題です。

何度、体重超過を繰り返せば気が済むのか?バカなのか、リオス?

自分がやってることがどれほど卑劣で愚かな行為なのか、少しでもわかっているのか?そんなことも理解できないのか?

きっとリオスの知能はクワガタ程度なのでしょう。

クワガタさん、ごめんなさい。



ルールを破って平気な顔をしてるなんて、正真正銘のバカです。アスリートの資格がありません。

次は体重超過の心配がないクルーザー級で戦って、木っ端微塵に粉砕されて下さい。

それでようやく自分がやってきたことがどれほど卑劣で危険なことかが、バカでもわかるはずです。

とっとと引退すべきですね。 
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先日、ハッサン・バイサングロフを11ラウンドで仕留めて初防衛に成功したロブ・ブラント

村田諒太からWBAミドル級のセカンドタイトルを奪ったミネソタのテクニシャンの次の試合は「豪州でジェフ・ホーン」が最有力のようです。

村田に勝利したことでトップランクとも契約「カネロ・アルバレスと戦いたい」と一年前なら誰も相手にしない言葉まで口に出来るようになったブラボー。

メインのプロモーターであるグレグ・コーエンが「トップランクとの話し合いが大詰めを迎えている。最も現実的なラインはホーンとの防衛戦」とESPNに語りました。

コーエンは「会場はサンコープスタジアム。5月末から6月中旬までの間で日程を調整したい」と日時と場所についても言及しています。

ブリベーン、サンコープスタジアム。

2017年7月2日にホーンが「地元判定の許容範囲を超えている」という摩訶不思議なジャッジでマニー・パッキャオからWBOウェルター級王座を奪った舞台です。
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パッキャオvsホーン戦では5万人近い大観衆が詰めかけたサンコープスタジアム。

ホーンは昨年6月9日、テレンス・クロフォードに惨敗するも、11月30日には同胞のアンソニー・ムンディンとWBAオセアニア/WBOオリエンタルのミドル級王座を争い、1ラウンドKOで勝利を収めています。

ムンディンは43歳、ホーン戦を迎える前の直近5試合は2勝3敗。とっくに峠を越えたロートルでした。

そんな相手にミドル級転向第1戦を戦い、次の試合でセカンド王座とはいえ世界挑戦。

試合が決まればホーンもWBAランキングに入ってくるんでしょうが、何なんでしょうね、ボクシングの世界ランキングって。明らかに強さを示す順番や数字ではありません。

村田とパッキャオを同列に語るのは憚られますが、ブラボーもホーネットも圧倒的不利予想をひっくり返したジャイアントキラー(ブラボーは文句無しの完勝、ホーンは実際には敗北、内容は違いますが)。

ビッグネームとは呼べない二人ですが、巨大スタジアムでのビッグファイトです。興行規模はそこそこ大きくなるのは間違いありません。

ファイトマネーに準じて課金される承認料目当ての腐敗団体にとっては是非とも実現して欲しい試合でしょう。
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日本を主戦場にして戦う軽量級の井上尚弥が、欧米と中重量級に大きく偏重していたリング誌の表紙を単独でカバーしたことは、大きなニュースとして報じられました。

そして昨日は、バスケットボール日本代表が21年ぶりの自力でのW杯出場に王手をかけました。これは絶対に行かねばなりません!!!
しぶや

渋谷センター街には「センター街はバスケットボールを応援しています」の横断幕が(横っちょのラグビーW杯のフラッグの方がわかりやすいですね、すみません)。応援しましょう!!!明日の夜、決戦です!!!!!



さらに、イチローと菊池雄星を擁するシアトル、マリナーズのスコット・サービス監督は「KAIZEN(改善)」をスローガンに指揮を執ります。

サービスは、1988年ソウル五輪決勝で野茂英雄や古田敦也を擁する〝史上最強の〟日本代表を破り、金メダルを米国にもたらした英雄でもあります。

何かと日本に縁を感じているでしょうね。

日本でオープニングゲームを迎えるシアトルが、優秀な日本の製造業の哲学をチームスローガンに掲げるのは不思議なことではありません。

その改善の哲学をどんなに成功しても常に貫き通しているのがイチローです。

彼の中には「成功体験」なんて言葉はないのでしょう。我々凡人からは輝く成功に見えても、彼にとって成功とは「来シーズンには研究・対策を練られる失敗の種」でしかない、さらなる改善を繰り返す動機付けでしかないのでしょう。

「マリナーズが日本で開幕戦を迎えるための客寄せパンダ」だなんて批判が日米でありますが、この45歳のフィールドプレイヤーはチームのフィジカルチェックの多くの項目でチーム最高をマーク、特に体脂肪率はわずか7%。

診察したドクターは「MLB選手は一人残らず調整能力が優れているが、ここまで完璧に仕上げてくる選手を私は知らない」と感服しています。

MLB進出は、日本で9年間プレーし1278本の安打を重ねてからのことでした。

それでも、彼はMLBで3089本もの安打を打ちまくったのです。

もはや偉人です。

そんな偉大なアスリートがチームドクターを驚かすほど肉体を研ぎ澄ませて、開幕戦を睨んでいるのです。

東京ドームで紹介アナウンスを受けたイチローが外野に駆け出す姿に、いつものルーティンで打席に入るときに、日本のスポーツファンが出来ることは精いっぱいの拍手と喝采だけです。

そして、開幕戦の相手オークランド・アスレチックスのボブ・メルビン監督は、2003-2004年シーズンでシアトルでも指揮を執っていました。

その当時はまさにイチローのプライムタイム。2004年には3割7分2厘というハイアベレージで自身二度目のメジャー首位打者を獲得しています。

その姿を目の当たりにしているメルビン監督は「イチローに(ブランク)は関係ない。彼は完璧な準備をして試合に臨む、相手にとってはフィールドでも打席でも非常に危険なプレイヤーだ。彼が(1試合で)4本も5本も安打を打つのを何度見たことか。彼を45歳だとは誰も思っていない」と最大限の警戒を示しています。

メルビンの警戒は的を得ています。しかし、それは無駄に終わるでしょう。

イチローはチャンスで必ず打ちます。そして、素晴らしい守りでチームのピンチを救うでしょう。


偉人が口にした「50歳までは現役」。

そのときまで、あと何百本のヒットを積み重ねるのでしょうか。
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2月23日(土)=現地時間=メキシコ、ティファナ・バハカリフォルニア。

ブランドン〝バンバン〟リオスvsウンベルト〝クラフティ・リトル・フォックス〟ソト。


元世界ライト級王者のバンバン・リオス(35勝26KO4敗1分)は数度の引退宣言を経て「どうしてももう一度世界チャンピオンのベルトを巻かなければならない理由がある」と、リングへの情熱を再び燃やし始めています。

4月に33歳と、もう一花咲かせてもおかしくない年齢ですが、激闘型のリオスの肉体は芯から劣化が進んでいるのは間違いありません。4つの敗北は直近8試合に喫したものです。

一方の〝クラフティ・リトル・フォックス〟(狡猾な小さな狐)ソトは、は68勝37KO9敗2分と、79試合を戦ってきました。

フェザー、ジュニアライト、ライトと三階級にわたってトップ選手としてリングに上がり続けていますが(ジュニアライトとライトの二階級制覇:フェザーは暫定なので世界的にはカウントしません)、この5月で39歳を迎えます。

この歴戦の〝狐〟もまた、そのキャリアの幕が下りようとしているところです。

戦い続けて消耗・劣化した二人が明日、ティファナのリングに上がるのです。

しかも契約体重は147ポンド、ウェルター級。(BoxRecではウェルター級ですがESPNではジュニアウェルター級契約と報じられています※)

この試合の勝者が、全17階級で最もレベルの高い147ポンドのトップ戦線に名乗りを上げることなどできるわけもなく、ボクシングというスポーツにとっては重要性の低い試合です。

それでも、彼らには需要があります。だから、メインイベントに起用され、DAZNが世界にライブ配信するのです。


リオスは最新試合で昨年11月17日、ジュニアミドル級のリカルド・アルバレス(カネロのお兄さん)を9ラウンドでストップしていますが、その9か月前にはダニー・ガルシアの拳にTKOで散らされています。

リオスは2015年11月にティモシー・ブラッドリーに惨敗したことで、ロベルト・ガルシアとのトレーナー契約を解消していましたが、ガルシア戦から再びその指導を仰いでいます。

今回の相手ソトは、リオスの映し鏡のようなファイターです。

135ポンド近辺で世界のトップに立ち、一発のパンチはないものの、好戦的なスタイルと手数で対戦相手を追い込んでゆく。

リオスは「ソトを甘く見てはいない。年老いた元王者ではない。練習にも生涯最高の集中力で取り組んでいる。エディー・ハーンが3試合契約を結んでくれたことで、多くの可能性が広がった」と、再び世界を掴むことを夢見ています。

この興行は、ザンファ―プロモーションズと業務提携したマッチルームのメキシコ進出第一段となる記念すべきイベントです。

そして、リオスには娘のミアの存在も大きなモチベーションになっています。

And then there was promise to his daughter.

「ミアは空手に夢中なんだ。黒帯を取りたいって毎日練習してる。だから、約束したんだよ。ミアが黒帯を取ったら、お父さんも必ず世界王者に返り咲くって。そのときはチャンピオンベルトをプレゼントするよって」。



※先ほど前日計量が終わりました。ジュニアウェルター級契約でしたね。

リオスは151ポンド3/4。ソトは、なんと5ポンド以上も軽い146ポンド1/4、ウェルター級リミットも下回っています。

これは、リオスのための舞台設定ですね。ソトがジュニアミドル級契約でまともな体は作れないと踏んだか。

典型的なリバウンダ―、リオスは20ポンド前後増量してスーパーミドル級(168ポンド)を軽く上回る体重で明日のリングに上がることになるでしょう。


オッズはリオス勝利1.10倍、ソト6.5倍とリオスに大きく傾いていますが、この勝負はわかりませんね。

人気者リオスは負けっぷりもいいし、ハーンの目にはまだまだ使える駒に映るのでしょうが、試合はどう転ぶかわかりません。

叩き上げの狡猾な狐が、規律を喪失したリバウンダーの弛んだボディを抉れば番狂わせは簡単に起きるはずです。

願わくば、そうなって欲しいですね。

ハーンの浅はかな皮算用を、狡猾な狐に噛みちぎっていただきたいものです。
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今や生きる伝説となった余市に続く、ニッカ第二のウィスキー蒸留所として建設されたのが「宮城峡」です。

竣工は1969年5月ですから、この5月で50歳の誕生日を迎えることになります。

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晴天に恵まれた2月16日、気温は7℃と東京よりも暖かいくらいでした。

もともともの名称は「仙台工場」。作られる銘柄も「仙台」でしたが、ウィスキーが生まれる場所には都会的な華やかさは不要です。

その誕生の挿話からして、樽に密造酒を隠すことで驚くべき熟成を見せたというウィスキーです。

ひなびた田舎こそが、その出生地としてふさわしいのは言うまでもありません。実際の住所は「仙台市青葉区」であっても「宮城峡」がよろしい。

宮城峡建設に陣頭指揮を執った竹鶴正孝は「電柱、電線の類は全て地下に埋めよ」「木の伐採は最小限にとどめよ、自然のスロープをなるべく生かせ」「建物は全て赤煉瓦を積み上げるべし」と命じたといいます。

スコットランドで多く見られる蒸留所のように「200年前の人がタイムスリップしてここに迷い込んでも、未来だとは気づかない」、そんな風景を作りたかったのでしょう。

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大麦麦芽を乾燥させていたキルン塔。現在は使われていませんが、宮城峡のシンボルとして残されています…象徴的な建物を遺すことは重要ですが、この蒸留所の赤煉瓦は継ぎ目が真っすぐになる直列積みで、本来はタブーとされる積み方です。

煉瓦の積み方にはフランス式やイギリス式など複数ありますが、耐久・耐震のため継ぎ目が一直線にならないように積み上げるのが常識です。

50年前竣工という新しい蒸留所だけに、煉瓦は鉄筋コンクリートの内部を覆う装飾の役割を果たしているだけなのでしょう。とはいえ、見た目はフランス式やイギリス式が美しいですね。
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2019年2月16日。宮城峡の最寄り駅「作並」から仙台方向に延びる線路。普段の行いが良いので快晴に恵まれました。

モルトウィスキーの歴史はブレンデッドよりも確実に古いのですが、それが広く世界に紹介されたのは20世紀もあと10年という、つい最近の出来事です。

村上春樹の「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」(平凡社)は、1997年12月15日に初版が発行されていますから、今から20年と少し前のことでした。

お酒というのは、私が成人して(?)それを口にするようになってからだけでもバーボン~ワイン~地酒~乙類焼酎~モルトウィスキーといくつかのブームをくぐってきました。

2014年にスタートしたNHK朝ドラ「マッサン」によってモルトウィスキーのブームは国産銘柄でも火を噴き、「余市」や「山崎」「宮城峡」「白州」といったメジャーブランドの年代物はソールドアウト。

今では年代無呈示の製品しか一般に流通していません。

私事ですが、2015年の春に「余市12年」を半ダース(6本)3万円ちょっと、「余市20年」を1万2000円で購入していますから、その時点ではまだ在庫に余裕がありました。

高価な酒をまとめて買ったのは、観戦するつもりのパッキャオvsメイウェザーがスポーツ観戦の席料としては明らかにおかしな価格まで高騰してしまい、ラスベガス行きをあきらめたため、使途が宙に浮いたお金が出来、そこから捻出したものです。

「余市20年」を大切にすすりながら、パックメイはWOWOWで観戦。

歴史の残る名勝負になったらラスベガスに行かなかったことを一生後悔するかも…と不安な気持ちでしたが…。

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終わったときには「ああ!行かなくて良かった!」と本当に心の底から思いました。


ボクシングの試合がどんな試合になるのか神様でもわからない〝ギャンブル〟であるのに対して、酒蔵や蒸留所を訪ねる旅はローリスク・ハイリターンが約束された鉄板のお楽しみです(もちろん酔っ払いにとっては、ですが)。

先週、初めて訪れた宮城峡も素晴らしい蒸留所でした。

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東京2020。

東京オリンピックの開会式、7月24日まで、あと1年ちょっと。

「東京1964」のときには、東京の街は劇的に改造されました。


半世紀前とは比べるべくもありませんが、東京の街も少しずつ変わりつつあります。

通勤先の地下鉄銀座駅の構内は、大掛かりな工事中です。
ぎんざ

        2019.2.22.21.02

ホームに降りても〝衣替え〟に向けて広告は引きはがされて、コンクリートが剥き出し。

いつも猥雑な駅ですが、殺風景で廃墟の趣です。


銀座は日本の中心街の一つですが、その駅構造はずっと古いままでした。

「1964」のように、この国の外観を根本から変革させることはなくとも、東京はきっと美しく変わるのでしょう。


「この老成した国に五輪なんて必要ない」。

「1964」は国民が諸手を挙げて歓迎した五輪でしたが、「2020」には不要論が根強くあります。


確かに、現時点の日本には、五輪という国威発揚のための仕掛けなど、税金の無駄遣いに過ぎないのかもしれません。

そもそも、今のこの国には発揚すべき国威などありません。もちろん、それは悪い意味だけではありません。


「1964」は敗戦で打ちひしがれたこの国を、下を向いていた国民を発揚する重大な使命がありました。


坂の上の雲を目指す旗印となった「1964」は、奇跡的な経済成長のエンジンになりました。

そして、日本人はあのときに目指した坂の上の雲を見事に、確かにつかみ取りました。


しかし。

おカネやモノ、目に見える豊かさを力強く握りしめた、その指の隙間から、何かが零れ落ちたことも事実です。



60年代。全階級を通じて世界最高のボクサーと評価されたエデル・ジョフレを大番狂わせで破ったファイティング原田に日本列島は沸騰しました。

21世紀の今も、大谷翔平や大坂なおみのような世界を驚愕させるアスリートが出現していますが、彼らが原田や長嶋茂雄を超えることはありません。


現在の私たちの脳内に張り巡らされた「価値観の多様化」という名のバリアは、あまりに分厚くなり過ぎたのです。

私たちには、1億人が熱狂的に声援を送る「長嶋茂雄」はいません。

老若男女が笑って口ずさんだ「泳げ!たいやきくん」のような唄も歌えません。


それでも、「1964」の指の間から零れ落ちた何かを、「2020」だからこそつかみ取ることが出来る、「2020」だからこそ「1964」の落とし物を拾うことが出来る・・・そんな気もしてなりません。


「1964」は東京の、日本の外観を大きく変えました。

「2020」が「1964」の落とし物を拾い上げて、日本の内面を磨いてくれるとしたら・・・。

東京オリンピックは、やはり価値のある大会になると思います。

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なにを今更ですが、私の日本語、英語は相当に怪しいレベルです。

通訳が必要とされる仕事で「一人で大丈夫」と言っても「通訳は要らなくても、一人だと面倒なこともあるからアシスタントを」と、強引にペアにされて送り出されてしまいます。

そして、そのアシスタントなる若造はほぼ間違いなくTOEIC満点の、明らかな「通訳」なのです。

「TOEIC満点なんて大してことないです、ゴロゴロいますよ」と笑う若造に、「じゃあ500点もない私なんて希少動物やな」と意地悪く切り返すと、笑いがひきつる子もいれば、面白い返しをする子もいます。

シャイな子も大胆な子も、みんな才能ある未来を背負う若者と一緒に仕事をするのは楽しく、貴重な経験です。仕事を離れると(仕事でも)、教えられることの方が多いですし。


なんて綺麗事を並べつつも、やっぱり出張は一人が好きです。

しかし「一人で問題ない」と伝えても、同期なのに上司(悲しいけど現実ってこんなもんじゃ)には「お前の英語力が不安で通訳をつけるのは当たり前だけど、それよりも監視役。一人で行かせたらどこに行くかわからんし、ホテルの朝帰りとかありえないし」と、大昔の話を蒸し返されるのでした。

そんな、英語力(その他もろもろも)の欠如に関しては議論する余地のない私です。

人の名前という、そもそも語学力以前の問題でもいつも悩みます。

ボクシングは地球規模のスポーツ、同じ綴りでも読み方が違うことは当たり前で、その辺りの匙加減?でもさらに恥の上塗りしています。

最近でも「ハイメ」・ムングイアを「ジェイミー」・ムングイアと書いたり(言い訳:ムングイアがリング誌新人王に輝き、GGGの対戦相手に浮上したことを紹介とき、同じ綴りのジェイミー・マクドネルが井上尚弥と対決することが取りざたされておりついジェイミーにしてしまいました)、ケイレブ・プラントを「カレブ」プラントとしたり(言い訳:ローマ字読みなら「カレブ」だし、ボクシング・ビート誌でも「カレブ」だ!)などなど……。

絶対的な間違いではないとはいえ、ムングイアはジェイミー、プラントはケイレブが〝正解〟です。

人の名前をどう表記するか?

これが友人知人や仕事関係の相手なら、なんて呼ぶか(呼ばれたいか)どう表記するかを本人に確認できますが、ボクシングのスター選手であるムングイアやプラントに聞く機会などありえません。

錦織圭が惜敗した豪州のビッグサーバーはワウリンカなのか、バブリンカなのか?

ジェイミーよりもハイメ、カレブよりもケイレブ。綴りは同じでも、その方が実際の発音に近いだけでなく、耳障りも良いので、私のジェイミーとカレブには分がありません。
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今から38年前のボクシングマガジン1981年3月号。マービン・ハグラーは「ヘイグラー」でした。本来の発音に忠実にカタカナを当てるなら「ヘイグラー」ですが、「ハグラー」の方が強く聞こえます。つまりハグラーが正解なのです。

ヘイグラーから昇華したマービン・ハグラーのような例は、シュガー・レイ・レオナルド(⇒レナード)やエクトール(⇒ヘクター)・カマチョ、マニー・パッキーロ(⇒パッキャオ)などスーパースターでも珍しくありません。

スーパースターでも、米国でアナウンスされるときにドナイレとドネアが混在しているノニト・ドネアなんて例もあります。

スーパースターではありませんが、日本人が発音しやすいようにハッサン・ヌダム・ヌジカムからアッサン・エンダムに簡略化された例もあります。

テニスのスタン・ワウリンカはバブリンカと表記されることも多く、この種の〝ドネア型〟は「同一人物?」と混乱してしまうかもしれません。

ややこしいですね。

母国語のまま表記するのが、一番良いと思うのですが、そうもいきませんからね。
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英国ボクシングニューズ誌から「The ‘Monster’ Naoya Inoue is coming to Glasgow」です。

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井上尚弥vsエマニュエル・ロドリゲス 。

凄いカードがスコットランドにやって来る。
Naoya-Inoue
井上(17戦全勝15KO)は10月10日のオープニングゲームで、ファン・カルロス・パヤノをelectrifying jab-cross (電光石火のジャブ–クロス)で背中からカンバスに落下させた。

わずか70秒の出来事だった。

その10日後の10月20日。ロドリゲス(19戦全勝12KO)は無敗のジェイソン・マロニーと開幕戦。

プエルトリコのテクニシャンは拳を負傷、タフなオージーに苦しめられながらもスプリットデジションをものにした。

WBSSを主宰するコモサグループのカレ・ザウアランドは「この試合こそがWBSSのハイライトだ。二人ともに無敗の世界チャンピオンで、高等技術を駆使するアスリート。その二人が決勝への1枠を賭けて激突するんだ。これ以上の組み合わせは考えられない」と語っています。

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今となっては、ザウアランドの吐く言葉なんて全てが嘘に聞こえちゃいますね…。

>この試合こそがWBSSのハイライトだ➡︎だったら、どうして前座なの?



この記事はアップされて四日も経っていますが、まだコメントは二つ。

そりゃそうです、日本人とプエルトリコ人の試合です。よっぽどのマニアでないと関心は持てません。


そのうちのお一人は米国人で Hoping for American tv here, but a lot of good UK cards don't make it across the pond ........(米国でもTV放映してくれよ。英国でやる面白そうなカードはまず大西洋を越えてくれないんだよなあ)と嘆いています。

マニアからすると、そうですよね。

試合は日本時間早朝ですが、フジテレビは生中継するでしょう!

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