明日は健康診断というのに、朝から「宮城峡」を開けてしまいました。

今は蒸留所まで行っても年代物が手に入らない、とんでもない時代になってしまいましたが、仕方ありません…。需要と供給のバランスが完全に崩れちゃってます。…世も末じゃ〜。
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ファン・カルロス・パヤノを沈めた右もコンパクトでしたが、今朝の左も最短距離でプエルトリカンの顎を捉えました。 

井上の拳に倒れた対戦相手リストと、当時と現在の私の感想・寸評です。

▶︎2014年12月30日:オマール・ナルバエス=【当時】雑魚相手にした2階級制覇と二桁防衛に意味はない。PFP評価など全く縁がない数字だけの王者。井上が開始ゴングから仕掛けてくることはないと余裕をかましていたのが、2ラウンドで粉砕された最大の原因。戦前のオッズも専門家予想も井上有利だった。

【現在】ナルバエスが「伝説の名王者」などであるわけはないが、ジュニアバンタムでは間違いなく強豪の1人。2階級下の井上の入りを見誤ったにせよ、ナルバエスを2ラウンドで倒せるボクサーが何人いるか?

※ナルバエスは今日、IBFラテンバンタム級ベルトをかけて同胞のカルロス・ホルへ・サルディネスと10回戦を戦っている。



▶︎2017年5月25日:ジェイミー・マクドネル=【当時】誰もが認める階級最弱王者が減量に大失敗、重病患者状態でリングに上がる。

【現在】あの日のマクドネルは最弱王者がさらに疲弊した雑魚以下だが、井上には1ミリの責任もない。あんな状態でリングに上がったマクドネルはプロアスリート失格、井上に対して本当に失礼な侮辱だった。


▶︎2018年10月7日:ファン・カルロス・パヤノ=【当時】バンタム級の強豪の1人だが、経年劣化が否定できない35歳。キャリア最高のアンセルモ・モレノ戦も「パヤノが素晴らしかったんじゃない。モレノが酷すぎた」(リング誌)と酷評された、決定力のないボクサー。

【現在】やりにくいパヤノが慎重にスタートしたにもかかわらず、一瞬の隙をついてジャブクロスを一閃。井上だから厳しい見方になるが、あれをエマヌエル・ロドリゲスがやってのけていたら、私は絶賛しながら戦慄していたはず。


▶︎2019年5月19日:エマヌエル・ロドリゲス=【当時】ジェイソン・マロニーに実質敗北、ガードの甘さも目に付いたロドリゲスは無敗の王者であっても強豪王者ではない。決定力もスタミナもない。

【現在】相手が慣れていない序盤は危険なロドリゲス。今朝もその兆候はあったが、ポール・バトラーを除くと見事に雑魚ばかりと戦ってきたロドリゲスは、井上を前にしてボクシングは一気に雑になった。最初のダウンからも時間稼ぎが出来ない様は、経験不足にもほどがある。過大評価だった。

しかし、未熟とはいえ序盤危険なロドリゲスの前進をきっちり跳ね返したのは流石。



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プロ18戦で13試合が世界戦。そのうち、ロドリゲスを含めて7人の「リング誌ランカー」「ESPNランカー」に勝利を収めています。

しかし、超強豪と呼べる相手との対戦は一度もありません。

軽量級で超強豪と呼べるボクサーはほとんどいないだけに、シーサケットやエストラーダ、ニエテスとPFPファイターがひしめくジュニアバンタム級を減量苦で去ったことが悔やまれますが、終わったことは仕方がありません。

前を向くだけです。

気が早いと言われるかもしれませんが、早くはありません。

井上は誰に負けるのか?

この問いの正解の一つは、時間です。

26歳の井上は、これから長くても5年がプライムタイムでしょう。

何と比べるんだ!?とお叱りを受けるかもしれませんが、井上と同じ20代半ばから29歳までのマニー・パッキャオの主な戦績です。
年齢対戦相手リング誌PFP階級結果
24歳マルコ・アントニオ・バレラ3位フェザー11回TKO
25歳ファン・マヌエル・マルケス9位フェザードロー
26歳エリック・モラレス6位ジュニアライト0−3判定負け
27歳エリック・モラレス5位ジュニアライト10回KO
29歳ファン・マヌエル・マルケス7位ジュニアライト2−1判定勝ち
29歳デビッド・ディアス論外ライト9回TKO
確かに、フェザーまで上げてもレオ・サンタクルスごときしかいない現状と、メキシコ史上10指に数えられる3人と総当たりで戦えたパックマンの運の強さ、巡り合わせの良さを比較するのは不公平です。

それでも、穴階級と化しているバンタムよりはジュニアフェザー、ジュニアフェザーよりもフェザーの方が遥かにタレントが揃っています。

とりあえずはノニト・ドネア。キャリア晩年も晩年、死に場所を探しているレジェンドを気持ち良く介錯してあげましょう。

モハメド・アリ杯をいただいたら、ゾラニ・テテは放っておいて122£に上げるべきです。今となっては、傷物のテテに勝って得るものはありません。テテはまたポートピアホテルのリングにでも呼んであげましょう。

先日、リング誌のダグ・フィッシャー編集長が「エストラーダvs井上なら、僅差でエストラーダ」と書いていたのは癪に障ります。PFP8位のエストラーダとは是非やって欲しいですが、時間がありません。

ああ、しかしPFP対決となるとエストラーダかニエテス(10位)に上がって来てもらうしかないという、この貧相さが現実です。
対戦相手リング誌PFP現在の階級
ノニト・ドネア論外バンタム
ドネアとはWBSS決勝で対決。速やかに実施されることを切に願います。
ファン・フランシスコ・エストラーダ8位ジュニアバンタム
ダニエル・ローマンジュニアフェザー
レオ・サンタクルスフェザー
ジョシュ・ウォリントンフェザー
オスカー・バルデスフェザー
ゲイリー・ラッセルフェザー
シュ・チャンフェザー
アブネル・マレスフェザー
カール・フランプトンフェザー

階級統一の機運が一気に高まっているジュニアフェザーではダニー・ローマンがWBAスーパー/IBFの二つの王座を掌握、井上が WBSS優勝でやっと手に入れるベルトをすでに掌握しています。

122£のローマン相手に、パワーボクシングは通用しないかもしれませんが、普通に負ける相手じゃないでしょう。

ジュニアフェザーには亀田和毅を迎え撃つレイ・バルガスや、伝説的エリートアマのギレルモ・リゴンドーもいますが、勝って評価が上がる相手は見当たりません。

そんな殺伐とした風景がフェザーになると一変します。

パッキャオ時代は望むべくもありませんが、レオにジョシュ、オスカーはもし戦うとなればオッズは井上不利でしょう。

「やっぱり井上は強い」ではなく「えーー?!ここまで強かったのか!!!」と世界を驚かせることが出来る注目度レベルも高いクラスです。

井上と同じ異名「Monster」を持つ中国のシュ・チャンとの日中対決は「軽量級では破格の興行になる」(フィッシャー編集長)のは間違いありません。

今日、キコ・マルチネスを血祭りにしたゲイリー・ラッセルJr.も井上不利のフラグが立ちますが、勝てばとんでもないことです。

ジュニアフェザーに戻ることを示唆しているカール・フランプトン、ジュニアライト進出を眼疾で頓挫したアブネル・マレスという人気者からも美味しそうな匂いが漂っています。

それにしても、よくやってくれました。

英国、欧州に日本人が呼ばれるケースは咬ませ犬と相場が決まっており、今回は会場に日本人も多数駆けつけてくれてアウェーはロドリゲスの方でしたから単純な物言いは出来ませんが、欧州で世界タイトル奪取&防衛は史上初だそうです。

個人的にはそんなことより、対立王者をしっかり斬り落としてくれたことが嬉しくてなりません。夜9時からのフジテレビも楽しみです。

ありがとう!井上尚弥!