マニー・パッキャオvsエイドリアン・ブローナーの前座にセットされたWBCバージョンのバンタム級王者決定戦。

ノルディン・オーバアリが、ラウシー・ウォーレンを押し切る形で3−0判定を勝ち取りました。
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2012年ロンドン五輪でオーバアリが19−18と、わずか1ポイントで米国代表のウォーレンを競り落としていましたが、プロでの実績は元WBAスーパー王者のウォーレンが上回る形で〝再戦〟を迎えました。

WOWOWの解説陣でも指摘していたように、三角筋から広背筋、いわゆるヒットマッスルが見事に発達してますね、オーバアリ。

このオーバアリが前進、ウォーレンがいなすという展開が続きます。

決定打がないまま前半6ラウンドを消化、両コーナーにとってポイント計算が難しい試合に見えました。

WOWOWの採点と同様、私もウォーレンのボクシングを評価しましたが、当のウォーレンコーナーはそうは見ていなかったようで、インタバルで「負けてる、前に出ろ」と発破をかけていました。

一方のオーバアリ陣営は、採点でリードしていると確信「このまま押していけ」。

戦術に迷いがあったスピードと正確さが武器の元米国代表オリンピアンは後半、逆転を狙い徐々に雑なボクシングに陥ってしまいます。

明白なラウンドは、オーバアリの手数とパワーパンチがウォーレンの動きを止めた第7ラウンドのみ。

12ラウンド終了ゴングを聞いて抱き合った両者の表情は、どちらも不安げでした。

117−111/116−112/115−113。

ラウンド採点に〝翻訳〟すると9−1/8−4/7−5で1ラウンドの誤差で三者のスコアが分布する形でした。

確かに117−111もあり、115−113もありですが、ウォーレンに転がっていてもおかしくない内容、ドローもありうる展開だったと思います。

モロッコ系フレンチのオーバアリはこれが初戴冠。15戦全勝11KOに無敗レコードを伸ばしました。

「彼はいつも通り力強かった」と潔く敗北を認めたウォーレンは、僅差で敗れたファン・カルロス・パヤノ、ザナト・ザキヤノフ戦に続き3敗目。16勝4KO3敗。巧いボクサーなんですが…。中盤からブンブン振り回したのは作戦ミスじゃないかな…。

いずれにせよ、これでドーピング・ネリの愚行で長らく空位だったWBCの王位が埋まりました。
バンタム級トップ戦線
リング誌WBAWBCIBFWBO
空位ノニト・ドネアノルディン・オーバアリマニー・ロドリゲスゾラニ・テテ
セカンドタイトル暫定王者  
井上尚弥井上拓真

WBC暫定のピースを持つ23歳の井上拓真は、32歳のモロッコ系フランス人と早ければ4月にも激突する見通しです。というか、4月にはやって欲しいですね。

オーバアリのマネジメントをしてるのがリチャード・シェーファー、WBSSの発起人の一人というのも不安です。

もう、ズルズルなのはやめてほしいです。

まず、大前提としてオーバアリのホーム、フランス・パリはボクシング不毛の地です。

特に軽量級は誰も関心がありません。本来なら昨年パリで行われる予定だった決定戦もスポンサーが集まらなくて中止に追いやられた〝前科〟もあります。

東京か横浜でやりましょう。

正直、手強い相手ですね、オーバアリ。

それでも、勝たねばなりません。意外と打たれ弱かったりしてくれたら、いいのですが…なんて弱気なこと言ってちゃいけません!

オーバアリ!拓真戦では絶好調でリングに上がって来い!

拓真!山中慎介が不本意な形で奪われたベルトをスカッと取り戻して下さい!!!