CBCは前日計量も生中継してたそうですね。

試合開始ゴングまであと3時間を切りました。
 オッズは田中恒成の勝利が1.67倍、木村翔は2.25倍。
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ゾウ・シミンから王座を強奪、2度の防衛戦をいずれもノックアウトで飾っているチャンピオン木村ですが、12戦目で三階級制覇を狙う名古屋の星がオッズ上は有利と出ています。 

29歳の王者は20戦17勝10KO1敗2分。唯一の黒星はデビュー戦、二つのドローもデビューから8戦目までに付いたもので、現在12連勝中でその内8つがノックアウト勝利です。

無尽蔵のスタミナと、暴風雨のような喧嘩ファイトは誰にとってもやりやすいものではありません。

対する田中は23歳、11戦全勝7KOでそのうちの6戦、つまりキャリアの半分以上が世界戦という早熟の天才です。
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対照的な二人に見えますが、叩き上げの木村はボディと顔面を機を見て打ち分けるスマートさを、エリート田中は真っ向からの打撃戦も厭わない勝負根性と、両者ともに〝裏の顔〟を持ち合わせています。

「KOなら木村、判定なら田中」なんて単純な予想が当てはまらないのが、両者の激突です。

中京地区はいざ知らず、他エリアのボクシングファンはチャイニーズドリームを手にした木村に肩入れしがちですが、エリートの脆弱さを全く見せない田中のど根性ファイトは、安易な判官贔屓を躊躇する魅力を放っています。

田中が、16戦全KOのアンヘル・アコスタとのどつき合いを制したWBOジュニアフライ級の防衛戦は出色の出来でした。

両者の報酬は日本の慣習から明らかにされていませんが、合計3500万円超と見られています。田中が2500万円前後、木村が1000万円超といった取り分けでしょうか。

いずれにしても両者ともにキャリア最高、米国で戦う軽量級のトップボクサーからは羨望の眼差しで見るしかない金額です。

実は、現在のフライ級は結構な熱量を孕んだ階級なんです。

 WBA王者はアルテム・ダラキアン、17戦全勝12KOのスタイリッシュなウクライナ人です。WBCは比嘉大吾がご迷惑おかけしたニカラグアのクリストファー・ロサレス(28勝19KO3敗)、IBFがゾラニ・テテをKOするなど実力十分ながら紆余曲折の末に王座に辿り着いた南アの強豪モルティ・ムサタネ(36勝24KO2敗)。

そして、英国軽量級のホープ、アンドリュー〝スーパースター〟セルビー(10戦全勝5KO)、ゾウ・シミンの後継者グ・ウェンヘン(11戦全勝6KO)、欧州に覇権を打ち立てたビンセント・レグラントも27戦全勝16KOで世界を窺っています。

A・セルビーとウェンヘンは日本に呼ぶにはコストが高そうですが、他のメンツは簡単に呼べるでしょう。

いずれも紛うことなき強豪ですが、木村vs田中の勝者が戦うとなれば、オッズも予想も日本人に偏るはずです。

木村が紡ぐシンデレラストーリーの続きを見たい気持ちと、田中がエリートの道を極めて行く姿も、どちらも捨て難い、贅沢な悩みに悶々とするしかない至高の日本人対決です。

それだけに生中継で見れないのが恨めしい!!!