フシ穴の眼 〜スポーツ疾風怒濤編〜

                                2018.12.18 日比谷公園もクリスマス仕様の出店で賑わっていました。

引っ越してからちゃんと整理整頓もせず、ちらかりまくりですが、よろしくお願いします。

以前の投稿は画像の引っ越しが出来ず、駄文に加えてさらに読みにくくなっており、重ねて申し訳ございません。〔2018年2月1日〕

一昨日、12月17日はマニー・パッキャオ、40歳の誕生日。

極貧の少年時代を過ごした〝Tuna City〟(マグロの街)ジェネラル・サントスにフィリピン中のセレブが集まり、盛大なパーティが開催されました。

「私とフィリピンはマニーと共にある」と祝辞を述べたのはロドリゴ・デュアルテ大統領。
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パッキャオ一家とデュアルテ大統領。末っ子はまだ小さいですね。同じ政治家でも、大国ロシアを向こうに回し勇敢に戦うビタリ・クリチコとは違い、どんどんブルジョワ化してゆくパックマンです…。


会場には約1000名ものゲストが招かれ、場外にはなんと1万人が詰めかけ、国民的英雄の誕生日に熱狂しました。

豪華な懸賞も用意され高級車4台、高級バイク58台、40インチのLEDテレビ40台などが引き当てられたそうです。
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かつてはトヨタがスポンサードしていましたが、今はフォードなのですね。

年明け1月20日には、3年ぶりに米国に帰ってWBAウェルター級のセカンドタイトルの防衛戦を行う「フィリピンの誇り」ですが、調整は順調なのでしょうか。

お騒がせのエイドリアン・ブローナーとの一戦は、パッキャオ勝利が1.5倍、ブローナー2.6倍と、おおよそ5−3で有利とオッズが出ていますが「楽な試合にはならない」と見られています。

ブローナーはダニエル・ポンセ・デレオンを、マイルドアップセットで破って名を挙げ、一気にスターになりましが、熱望するメガファイトにはあと一歩届かないもどかしいキャリアを重ねてきました。

まあ、本人のボクシングへの取り組み姿勢、何よりも人間としての素行に〝大問題〟があったのですから、完全な自己責任ですが。

それだけに、この試合に賭ける思いは尋常ではありません。

「この試合を待っていた。PPVイベントの、どでかい報酬が入る。それに何よりも、あのマニー・パッキャオを倒すことが出来るんだ。俺は、マニー・パッキャオを引退させたグレートとして永遠に記憶され続けることになる」。
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「俺のベルトは今のところコレだけど、試合後にはパッキャオのベルトと交換してやるぜ!」。ブローナー、嬉しすぎて会見でも大はしゃぎです。

ルーカス・マティセとの前戦では、フレディー・ローチを〝解雇〟したパッキャオですが、今回は元師匠を呼び寄せました。

チーフセコンドはあくまで幼馴染のブボイ・フェルナンデスで、ローチの役割は「スーパーバイザー」としています。

マティセ戦では自らバンテージを巻くパッキャオの姿に驚かされました。

拳が人一倍敏感なフロイド・メイウェザーにとってのラファエル・ガルシアほどではないにせよ、バンテージを解いては何度も巻き直すパッキャオの姿からは「ローチがいたら…」という呟きが聞こえてきそうでした。

来月20日にはローチが巻くのでしょうか?

少なくとも、フェルナンデスが巻くことはなさそうです。



パックマニアとしては、もういつ終わってもいいという覚悟のモードに入っています。

今まで、いっぱい夢を見させて頂きました。

このスポーツの醍醐味を思う存分、堪能させて頂きました。

シュガー・レイ・レナードやマイク・タイソンら、最初から作られた「アメリカンボクシング」をアジアの大砲がことごとく打ち砕いてゆく様は、震えるほどの快感でした。

それでも、もう一度夢を見せてもらえるなら、この試合をクリアして、同じアル・ヘイモンがマネジメントするエロール・スペンスJr.と戦って欲しいですね。

もう一度、不利予想のリングに上がるパックマンを見てみたいです。

…でも、ブローナーに勝てば、次戦はやはりヘイモン傘下のメイウェザーとのメガファイトになるんでしょうね…。
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気になるニュースを見つけてしまいました。
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ニューヨーク・ヤンキースがCC・サバシア投手に50万ドル(約5600万円)の出来高報酬を与えた。ベテラン左腕は今季最終登板で報復死球を当て、退場処分となったため、出来高が行使される155投球回にわずか2回足らず。自身の報酬を省みず、チームプレーに徹した姿に「男気」と称賛の声が挙がっていた。


おそらく日本のスポーツファン10人に聞いたら、10人ともが「MLBの報復死球は絶対におかしい」と言うでしょう。

MLBにはルールブックに書かれていない「不文律」がいくつもあります。


【死者にムチ打つような行為は卑劣だ!】大量の点差で試合が決した場面で、勝っているチームが「盗塁を試みること」「0ストライク3ボールに追い詰められた投手の次の球を打つこと※」。

※メッツ時代の新庄剛志が、この場面でフルスイングの空振りをして大ブーイングを浴び「何を考えているんだ?」と解説を怒らせたたことがありました。


【チームは軍隊、試合は戦争だ!】乱闘になったら「必ずベンチを出て(乱闘に加わらなければならないこと)※」。「味方の選手が(故意に思われる)死球を当てられたり、危険なスライディングを仕掛けられたら必ずやり返すこと」。

※ヤンキース時代の松井秀喜は乱闘になると加わることはありませんでしたが、渋々ベンチからは出てきました。


こうした「不文律」は公式ルールではありません。

報復死球は多くの場合〝報復の連鎖〟を生み出すことから、最初に「報復」と思われる死球があった時点で審判が両チームに「次にやったら退場」と警告します。

つまり、報復死球は厳しく禁止されているのです。

今回のサバジアのケースもこれでした。

MLBには、公式ルール上は「退場に値する危険な行為」であっても「チームの掟」が優先されるケースがあるということです。

MLBを見ていれば、試合前のセレモニーからして軍隊式です。国技のベースボールは、そのスピリットの発露なのです。

あの国と日本では物の考え方に大きな乖離が生まれることは度々ありますが、戦争や軍隊に対しても対照的です。

日本では「生きて虜囚の辱めを受けず」ですが、米国では真逆です。

あの国では「必ず味方が助けに行く」と教えられます。プライベートライアンの世界ですね。

大日本帝國は、捕虜になって秘密をバラしたり、寝返ることを恐れました。しかし、それは米国でも同じです。それらを防ぐための対処法が真逆だったのです。

日本では「捕虜になったら死ね」と教えました。死んでくれたら秘密は漏れませんし、寝返ることもありません。

しかし、米国は「必ず助けに行く」と叩き込みます。これはある意味「秘密を漏らすな」というのに、最高の脅迫かもしれません。


昔、仕事上でお付き合いのあったお偉いさんで戦時中に潜水艦に乗っておられた方がいました。

「鬼畜米英なんかに負けるか」と、灼熱地獄の深海で意識朦朧となりながら闘ったそうです。

潜水艦の中は狭く、恐ろしいほどの暑さ、熱さだそうです。

しかし、戦後になって米国の潜水艦にはアイスクリーマーが設置されていたことを知り、愕然としたと語られていました。

戦時中、最前線では絶望的な物量差を思い知らされ、フルカラーのディズニー映画が上映されていたことを後に知っても、そこまで驚かなかったと言いますが、それでも、潜水艦のアイスクリーマーには「これじゃあ勝てっこない」と力が抜けたそうです。


MLBの不文律は、この国の軍人精神を反映させたものです。

国は兵隊を大切にする(とは限りませんが、日本よりは遥かに大切にします)。

軍人は仲間との繋がりを大切にする。これが「不文律」の正体です。仲間が捕虜になったら必ず助け出す。仲間がやられたら、やり返す…。


潜水艦にアイスクリーマーを乗せる国と、捕虜になったら死ねと言う国。

どちらがいいか?といえば…決まってます。


しかし、それでもMLBは間違っています。報復死球なんて美談にしてはいけません。

試合が決したあとの「盗塁」や、「ストライクが入らない投手が置きに投げたボールを打つこと」も間違いではなく、極めて正しいやり方です。

相手がどんな状況であれ、全力で叩きのめすことがスポーツの礼儀です。



MLBは素晴らしいことだらけですが「不文律」だけは、愚かに間違っています。
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昨日、菅野智之が佐々木主浩に並ぶ日本人史上最高年俸6億5千万円で来季契約を結んだ、というニュースが流れました。

2006年に高額納税者公示制度が廃止された一方、プロスポーツ選手の年俸、年収はフォーブス誌が毎年発表するThe Highest -Paid Athletes や、日本国内限定でもスポーツ長者番付が様々なメディアからランキング形式で発表され、世間の耳目を集めています。
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フォーブス誌のトップ100では、日本から35位に錦織圭(競技報酬160万ドル+エンドースメント3300万ドル=3460万ドル)、95位に田中将大(2210万ドル+100万ドル=2310万ドル)の二人がランクインしました。

それにしても、錦織のエンドースメント(スポンサー収入)は尋常じゃないですね。

富裕国で人気者になるということ。それが、どういうことなのかを見事に体現してくれています。

世界の好感度No. 1アスリート、ロジャー・フェデラー(1220万ドル+6700万ドル)は別格にしても、錦織は総合2位のリオネル・メッシ(8400万ドル+2700万ドル=1億1100万ドル)を上回っているのです!

ボクシングからは1位:フロイド・メイウェザー(2億7500万ドル+1000万ドル=2億8500万ドル)、15位:カネロ・アルバレス(4200万ドル+250万ドル=4450万ドル)、25位:アンソニー・ジョシュア(3200万ドル+700万ドル=3900万ドル)、72位:ゲンナディ・ゴロフキン(2300万ドル+200万ドル=2500万ドル)の4人が入っています。

来年はメイウェザーが圏外になる可能性大ですが、カネロとGGGの二人が6000万ドル前後でトップ10に名を連ねるはずですね。

ボクシング人気沸騰の英国を代表するジョシュアも、引き続きランクを守るでしょう。

残念ながら、日本のボクサーがここに絡んで来るとしたら、村田諒太がビッグファイトのリングに上がったときしか考えられません。

さて「日本のプロボクサーの報酬」です。

これが、非常に不透明なんですね。

かつてはスポーツ長者番付で具志堅用高が1979年に王貞治の1億8338万円に次ぐ1億449万円で2位に入ったこともありました。

具志堅のファイトマネーは3000〜7000万円、60年代のファイティング原田は最高6500万円を手にしたと伝えられています。

かつて、プロボクシングの世界チャンピオンがプロ野球の超トップ選手に勝るとも劣らない報酬を当たり前に手にしていた時代が、確かにあったのです。

80年代まではボクサーのファイトマネーがある程度公表されていましたが、90年代から明らかに様子が変わってしまいます。

これは、高額納税者公示制度が廃止された影響だけではなく、ファイトマネーの公表が業界にとって都合が悪い事情が増えたからでしょう。

この都合の悪い事情は理解出来ますが、やはり報酬は対戦相手も含めて公表すべきです。

それが、プロ野球の〝推定〟のような形であっても、輪郭すらわからない現状は、他のスポーツと比べて怪し過ぎます。

「ワシらはプロレスやキックボクシングと同じでええねん」というなら、話は別ですが…。

次回は、怪しい事情と、報酬公表の大きなメリットを考えていきます。
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